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手話講演会171023

手話講演会171023

「障害のある人の人権」

福祉課長 田中英行さん


まず、北区の現状について。

1. 北区は障害のある人たちにとって住みやすい地域である。

戦前に軍関係の国有地がたくさんあったため、それが戦後、スポーツセンター、療育センターなどの施設の建設を容易にした。また、公的な住宅が多いのも、住みやすさにつながった。

身体障害者 12200人、知的障害者 2200人、精神的障害者2700人、難病4200人。重複している人もいる。


2. 障害者も含め、北区は高齢化率が高い。

桐ヶ丘団地は高齢化率58%。三人に二人が高齢者。


3. 課題は多様化し、増えている。

難病は平成25年から。300種類以上の難病が指定されている。

精神的な障害は10年で3倍にもなっている。高齢者の認知症も精神的障害に入っているためかと考えられる。

医療的ケアが必要な児童も、50人いる。


4. 先進的な取り組みをしている北区

グループホームの建設など、民間と協力して取り組んでいる。神谷二丁目。しかし、部屋の広さが特養並みの13.2平方メートル(8)程度は必要なのではないかとか、看護師も手配する必要があるのではないかなど、課題も多く、コストもかかる。


次に資料にある「障害者権利条約」について。


障害者権利条約 200612月採択、20079月に日本署名。140番目。決して早い方ではない。国内法を整備して、批准にこぎつけたのは2014年。201641日から差別解消法施行。

ポイントは三つ。

  1. 1.権利の主体
  2. 2.社会モデル
  3. 3.合理的配慮がないことは差別


社会福祉のサービスが「措置」ではなく、「契約」となったこと。介護保険の導入と同じ。


障害者基本法は憲法のようなもの。基礎法。その中で「手話」が一つの言語であると認められた。(地域社会における共生等)


北区では年間2200件の手話通訳者派遣を行っているが、ほとんどは通院。


合理的配慮は行政機関では義務、民間では努力義務。


後半は「差別の実態と事例」


■寸劇「学校、会社の昔と今」

手話講習会の講師や通訳の方達が実施。

小学校から「口話」教育だけで辛かったことなど。

エレベーターなど、電話で緊急事態や問い合わせに対応することを求められて、とても困ること。無人駅なども増えているものね。竹沢駅もそうだけれど。



# by eric-blog | 2017-10-23 17:28 | ◇ブログ&プロフィール

スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」

市川猿之助襲名披露のときの舞台を映画化したもの。

芝居の前の口上では、本人の襲名に加えて、市川中車(香川照之さん)及び段子の初公演であることも紹介された。

香川照之さんは先代の市川猿之助さんの息子。その繋がりで香川さんは自分の息子(段子)を歌舞伎役者の道に進ませた。その厳しい稽古を、自分もやらなければ、息子に示しがつかないと、歌舞伎界に入門したというのが流れ。

結果からいうと、香川さんの息継ぎは歌舞伎のものになっていない。

からだ動かしすぎ。瞬きしすぎ。

http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/22/
新橋演舞場における、猿之助の二代目市川猿翁、亀治郎の四代目市川猿之助、香川照之の九代目市川中車 襲名、中車の子息 五代目市川團子の初舞台で上演され、日本中を席巻した『ヤマトタケル』がふたたび映像でよみがえります。

脚本・演出
  •  市川猿翁
配役
  • 小碓命(おうすのみこと)後にヤマトタケル/大碓命(おおうすのみこと):市川 猿之助
  • 帝(すめらみこと):市川 中車
  • タケヒコ:市川 右近
  • ワカタケル:市川 團子
  • 兄橘姫(えたちばなひめ)/みやず姫:市川 笑也
  • 弟橘姫(おとたちばなひめ):市川 春猿
  • 老大臣:市川 寿猿
  • ヘタルベ:市川 弘太郎
  • 帝の使者:市川 月乃助
  • 倭姫(やまとひめ):市川 笑三郎
  • 熊襲(くまそ)弟タケル/ヤイラム:市川 猿弥
  • 皇后(おおきさき)/姥神:市川 門之助
  • 尾張の国造(くにのみやつこ):坂東 竹三郎
  • 熊襲(くまそ)兄タケル/山神:坂東 彌十郎
カーテンコールで猿翁が出てきた時にはウルウルしてしまった。

■尺八奏者の「密息」が面白かったけれど、まさしく、そうなのだなあと納得だった。
http://ericweblog.exblog.jp/237698002/

# by eric-blog | 2017-10-23 12:38

藤原英司さん、つなぐ会

藤原英司さんは、「エルザ自然保護の会」を立ち上げ、長らく日本における野生生物保護運動の一翼を担われてきた方です。

2017年7月3日に84歳で亡くなられたと、エルザの会からご案内がありました。

謹んで帰天の平安をお祈りいたします。

藤原英司さん、つなぐ会_a0036168_12144138.jpg

意外に、著書を紹介していないことに気づきました。「野生のエルザ」など、読んでいても、紹介していないですものね。その他、あまりにも多くの野生動物についての物語がありますよね。



動物の行動から何を学ぶか
藤原英司、講談社現代新書、1974
http://ericweblog.exblog.jp/16032872/

アフリカの大地にたった時、そこに無数の命と生命活動があるにもかかわらず、そこにあるのは、静寂である。時折に、カサコソとか、あるいは鳥の鳴き声が聞こえる以外は、圧倒的な生命活動にあふれている地が、静寂に包まれている。」

この一文にはしびれました。


# by eric-blog | 2017-10-23 12:17 | ◇ブログ&プロフィール

スキル「あなた」 2017年10月28-29日 ESDファシリテーターズ・カレッジ2017



ERICの研修はすべて「参加型」のアクティブ・ラーニング。経験学習の四段階で進めます。 


経験とふりかえり、ふりかえりと学び、学びと実践を「行きつ戻りつ」するW型を繰り返して、実践力であるスキルに習熟していきます。


スキル「あなた」 2017年10月28-29日 ESDファシリテーターズ・カレッジ2017_a0036168_12321966.jpg


■プログラムに取り入れたい要素


  • わたしはなぜその対立について何かを主張したいのか、見過ごせないのか
  • 見過ごすこと、無為であること、意思表示をしないことの課題は何?
  • 多くの課題の専門家になることはできるのか? APA本に反論できるのか?
  • では、どのような自己主張をすればいいのか?
  • 伝えたいこと、伝えなければならないこと何か?
  • 投書、書き込み、つぶやき集。




■二日間のプログラムの流れ


セッション1 共通基盤づくり「あなたは言える?

11:00-13:00

1. 研修への期待

2. 「わたし」から「あなた」へ

  ・マイクロアグレッション 共感ではなく、「わたし事」に

  ・あなたなら言える?

■ちがい ドキドキ 多文化共生ナビ ~在日外国人教育実践プラン~

http://ericweblog.exblog.jp/237576902/


なくそう! 職場のレイシャルハラスメント

http://ericweblog.exblog.jp/237781140/


3. 「わたし」を育てるアサーション

4. 話し合いの心がけ


セッション2 流れのあるプログラム「アサーション・トレーニング」

14:00-16:00

1. アサーションって何だ?

2. 非攻撃的自己主張を可能にするもの「誰対誰」

3. ダブル・バインドが阻む自己主張

4. あなただけじゃない。アドボカシーにつなげよう。


セッション3 ふりかえりと学び

16:00-18:00

1. できている事、課題

2. 人権を通しての教育を実現するには

3. アドボカシー、協力の崩壊。何が今の危機をもたらしているか?

4.  Whole School Approach, Learning Organization, 生涯学習社会


二日目

セッション4 アクティビティ、プログラムの開発

9:00-11:00

1. 「関係性」の力を阻むもの

2. スキルを育てる五つの手立て

3. 手立てをカリキュラムに鏤める


セッション5 アクティビティ実践

12:00-14:00

1. ファシリテーション実践の評価と点検


セッション6 ふりかえりとまとめ

14:00-16:00

1. ファシリテーションのふりかえりと成長の課題

2. 個人的行動計画

3. アドボカシーにつなげよう

4. 修了証




■スキル「あなた」について


『対立から学ぼう』は対立を「誰対誰」で分類して、次のように整理しています。(p.103)


自分 vs. 自分内的対立=自己矛盾や葛藤のことですね。

人 vs. 人個人間対立=考え方や価値観の違いから来る対立。

集団 vs. 集団グループ間対立

国 vs. 国国際的対立


ERICでは、これらの分類に当てはまらない対立として「日本型コンフリクト」という対立を研究し、定義するに至りました。それは「個人 vs. 集団的伝統的価値観を体現していると思っている個人」の間の対立です。


一方で、「対立の扱い方」の一つ、アサーション、非攻撃的自己主張の考え方は、黒人差別や女性差別に対して、攻撃的にならずに、しかし、受身的でも我慢するのでもなく、自分自身の感情と価値観をしっかりと表現する方法のことです。


というのも、確かに黒人差別、人種差別、女性差別に対して、被差別者は集団で戦い、権利を認めさせ、回復してきました。しかし、日常生活では、被差別者がいつも集団を頼みにすることはできません。個人として「集団」の価値観を背景として差別的な扱いをする人、抑圧する人に対抗する必要があるのです。


そういう意味では「アサーション」というのは日本型コンフリクトにおいても有効な、被抑圧者が習熟すべき自己主張の方法であると言えます。


それは「マイクロアグレッション」や「レイシャルハラスメント」についても同様です。これらは支配的な「力」の側、多数派側の集団を背景にした価値観と、被差別者という集団の対立であり、その対立は必ず「個人 vs. 個人」として、わたしたちの日常に出現するからです。


「個人」が不在の「集団」はないのです。


徹底的に「アサーション」を習熟しましょう。バリアはどこにあるのでしょうか?


支配者側でありたい、そこに擦り寄りたいという願望が、最大のバリアなのではないでしょうか? 主張することで不利益を被るから、主張できないのではないでしょうか? 


アサーションは、そこへの手立てを持っているのでしょうか? だからこそ、アサーションの背景に「アドボカシー」を行使する必要があるのです。アサーションがさらなる隠れた差別の助長に繋がらないようにするための社会的圧力です。


個人と集団、その間の手立ての補完作用と相乗効果が必要なのです。運動と繋がらないアサーションは、被差別者の不利な扱いを改善することにはつながらない。


そのことを今回の研修ではしっかり確認したいと思います。


では、どこで、どのように運動とつながればいいのでしょうか?


『女たちの避難所』、性暴力への訴え、

『どん底』を通して、運動と個人の関係を考えたいと思います。


『朝鮮人強制労働追悼碑』

『ピースおおさか加害展示改変』

『南京大虐殺否定本を設置しているアパホテル』


どんな人たちが関係しているのか

誰のどんな利害が損ねられているのか


なぜ、わたしはその「対立」を引き受けるのか

わたしが言わなければ、どうなるのか




# by eric-blog | 2017-10-21 12:34 | △研修その他案内

簡素な国

簡素な国

中村敦夫、講談社、2011

2912冊目


前書きに、この本の最終校正をしている時に東日本大震災が起こったとある。そんなタイミング。


1940年生まれの彼が、自分の考えを14の講義録にまとめたもの。


筆の立つ、俳優さんである。


『線量計がなる』という朗読劇の台本も、ご本人の手になるというのも宜なるかな。


第一時限 時代と個人史

第二時限 戦乱の拡大

第三時限 環境破壊

第四時限 人口爆発

第五時限 近代経済の崩壊

第六時限 日本の権力

第七時限 政界の事情

第八時限 スモール・イズ・ビューティフル

第九時限 仏教とエコロバー

第十時限 みどりの政治思想

第十一時限 南方熊楠の生き方

第十二時限 究極の幸福とは

第十三時限 食は地産地消

第十四時限 自然エネルギー


どれほど幅広いテーマに中村さんが関心を持ち、とり組んできたかがわかる。


■おすすめ映画『蟻の兵隊』

https://www.youtube.com/watch?v=wH92AduwJcU





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原子力推進の六角マフィア
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# by eric-blog | 2017-10-20 13:06