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弁当づくりで身につく力 世の中への扉

弁当づくりで身につく力 世の中への扉

竹下和男、講談社、2012

3234冊目


2000年に綾南町立滝宮小学校校長に。2010年に定年退職するまで、中学校の校長も務める。


20011019日に「弁当の日」を開始。2003年に「地域に根ざした食育コンクール」最優秀賞受賞。


いまでは1000校以上で実践されていると言う。


学びの時間、遊びの時間に加えて暮らしの時間を充実させたいと言う願いにも、弁当づくりは答えるものだった。親には手伝ってもらわない。


本には一期生と四期生の母親が21才と19才になった子供たちについて語っている文章が乗せられている。

そして、一期生で大学生になった子ども自身の言葉も。


5-6年生の参加から始まった弁当づくりは、下の学年の子供達の憧れになった。


絵本『弁当の日』には三つのコースが紹介されていた。

1. 一部分自分で

2. 全部自分で

3. おにぎりを


この本では

完璧コース、おすすめコース(親子で)、ベーシックコース(おにぎり)、エンタコースの四つが紹介されている。156


それぞれ、多様な条件からの工夫だ。


そして、中学校では「テーマ」を決めたレベルアップした弁当の日の実践が行われたと言う。

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『言葉は生き残った』より
https://ericweblog.exblog.jp/23778633/

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玄米先生の弁当箱 より




by eric-blog | 2018-11-30 20:03 | ■週5プロジェクト2018

援助関係論入門 「人と人との」関係性

援助関係論入門 「人と人との」関係性

稲沢公一、有斐閣アルマ、2017

3233冊目


4章 「援助対象」を構成するもの  43

「個人的な側面」と「環境的な側面」

「主観的な側面」と「客観的な側面」

の整理が面白い。


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p.49

5章でそれぞれの象限について4つの援助モデルが詳述されている。


個人的-客観的 個人モデル、医療モデルといっても良い。身体的な欠損など、「現状否定的」。「改善」されない場合は、否定的なメッセージだけが残る。


環境的-客観的環境モデル、差別の社会モデルと同じ。本人は悪くない。「無理しなくていい」。しかし、改善のために焦点を当てるべき対象が広すぎ。他の人々の利害も関わるため決定に時間がかかる。61


個人的-主観的物語モデル、ナラティブ。現実を受け入れていく物語を主観的にに受け入れられるようにする。


環境的-主観的文化モデル、この間の「社会脳」みたいな話だな。「その社会のメンバーの多くが漠然と共有して持っているイメージを言語化したもの。社会的な物語が援助対象として位置付けられるのは、社会で語られているある物語に対して、語られている当の本人が違和感や嫌悪感を覚えるとき。

「こうした語られている本人にとって受け入れがたい社会的な物語を偏見と呼びます」65

社会的な物語は「あたりまえ」のことなので、そのどこに違和感を覚えるのかを本人たちに語ってもらうこと、そして「私たちの物語」として共有化する。それを社会にむかって発信することが援助になる。66

シンパシーが可能になる。しかし、世代を見てみると緩慢な変容しか見込めない。


コラム2 「すみません」

「すみません」と言う言葉には謝罪、感謝、呼びかけの三つの意味が含まれているが、混同して使われている印象がある。使い分けるべき言葉を一つで済ませているので、稚拙な印象を与える。


なるほどーーーー!



参考

https://gomukh85.jimdo.com/j-援助関係論入門-はしがき/



by eric-blog | 2018-11-30 13:18 | ■週5プロジェクト2018

この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護、死ねなかった私が「再生」するまで

この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護、死ねなかった私が「再生」するまで。

小林エリコ、イースト・プレス、2017

3232冊目


高校くらいから精神の病を発症しつつ、一度は雑誌の編集者として漫画の編集に携わったものの12万円と言う低賃金。長時間労働。


博打を打って酒を飲んで暴れる父に対する嫌悪感。

生きていてくれさえすればいいと言う母に依存していることへの焦り。


自立したいのだ。


その気持ちをクリニックの人も理解してくれない。おままごとのような「お菓子屋さんごっこ」で月1万円の報酬? クリニックの医院長はポルシェに乗っているのに? 製薬会社とのセットのように勧めらる薬にも違和感がわく。


そのクリニックの提案もあって、生活保護を受けて自活するようになった。しかし、生活保護課の職員は目も合わせずに書類を作るだけ。男性職員は怖いから嫌だと言っても、担当が変えられることはない。

パートで働いて収入を得たからと言うと、「宝石などを買っているんじゃないか」と確認すると言う。意味わからんが、脳の回路がそうなっているんだろう。


障害者手帳を得て、NPOでの非常勤職も得て、生活保護廃止決定まで。

クレカも作った。引越しもした。

選べない自分から選べる自分へ。与えられるだけの自分から与えることができる自分へ。


人生にYes!


「また、クレジットカードを持てないような日々が来るのかもしれない。そうしたらもう一度、持てるように頑張ればいい。人生が終わるわけじゃない。私はそれを知っている。立派に生きていたのだから、恥ずかしく思う必要はない。わたしは真っ暗な自分の過去に合格点を出した」169


必要なことだったのだと。これからも失敗や絶望もあるかもしれない。それでも、「私はこのままでいいのだと思った」


クリニックも、生活保護も、こんなに非人間的な制度だと思うのに、肯定されちゃったら、どうすればいいんだろう? 簡単な物語にするのがいいとは思わないけれど、個人を肯定するのと、社会制度を肯定するのは違うと言うことも大事なことだよね。


それで天国が実現するわけじゃなかろうし。


著者のライフワーク。『精神病新聞』

http://www.tacoche.com/freepaper/freepaper/seisinbyousinbun.html






by eric-blog | 2018-11-30 12:55 | ■週5プロジェクト2018

新復興論

新復興論

小松理虔、ゲンロン、2018

3231冊目


1979年いわき市小名浜生まれ。


小名浜と言えば、「南南西の風、風力3」で覚えた地名。

いわき市と言えば、1964年に合併で「いわき市」になったにも関わらず、常磐線は「平」行きのまま、駅名が「いわき」になったのが1994年と30年間、東京からの人間には位置関係が認識されることのなかった市。閉山された炭鉱町の「ハワイアン」による町おこしでも有名。


なんてね。研修でしか行ったことがない。頭っから「平」駅行きに乗らねばならないと思い込んでいて苦労したので、「30年放置」を知った次第。


「浜通り通信」50回連載をまとめた本書。


現場の世界は「批評」嫌いだと、「おわりに」に言う。

復興の現場では、そうなんだろうなあ。なんか、語りたくない、語られたくない。辛さも辛し、からだ動かしている方が紛れるし、カネは気まぐれだし、でもカネは必要だし。震災で生活基盤を失った後は、余計に現金経済が入り込んできたし。


でも、と著者は言う。自分の作品を客観的に評価するプロセスがなければ、次にいけねぇんじゃね?と。


「他者の目線を通すことでしか、自分を再構築することはできない。」387


(つながりを失った人々が、現金経済の中で)「一人化」し、そのまま地域が縮小していくのかもしれない、とも。


議論の土台は「賛成・反対」に終始し、それは「二人化」なんだけど、二分化された議論も狭いまま。


3歳になる娘さんと、福島の体験をどう共有できるのか? 探っていた時に出会ったのはアートだった。三人目に伝える。


いまの復興予算の使われ方は娘さんたちの世代の重荷になるのではないか。


思想を持たなければ地域は死んでしまう。


その焦燥感が書かせた本だ。


393ページの大著。


小名浜出身の著者は、「海の民」だ。これまでの福島論のどれよりもこの本に惹かれるのは、その海の血だ。そして、浜通りは「黒潮文化」の北限の地なのだと言う。血が騒ぐわ!


ヒノキの最北端。


そして、アイヌの南限の地。


平地区では食は縦につながり、小名浜では食は海を介して空間的につながる。046面白い!


「大失敗」した『福島第一原発観光地化計画』と言う2013年の出版物にも関わったと言う。

https://ericweblog.exblog.jp/19248239/


この本も、観光地を目指す旅なのだが、こんなに深く「見る」ことがゲンロンなしで可能だろうか?


広野町役場のすぐ裏手にある、ふたつの大きな石碑が目に入った。一つは天皇皇后陛下の行幸を記念した石碑。そしてもうひとつが、かつての広野町長、大和田清之助が東京電力広野火力発電所を誘致した功績を讃える石碑だ。・・・゜地域発展に貢献して町史に名を残す。産業を起こすのではなく、企業を誘致することによって。それが地方の現実だ。・・・この石碑のインパクトは強い。広野火力発電所は、単なる企業の一施設ではない。首都圏の生活を支えるために暖気を作り続け、東京に本社のある東電を儲けさせ、同時に大量の雇用を生み出し、その儲けや国からの補助金が巡り巡って地元に投下されると言う「システム」だからだ。186


バックヤード・ツアーなのだと、福島を巡る旅を、著者は名付ける。


エネルギーを考える研修旅行。193


4章で語られる漁業の復興。地域の自立を目指す思想とは依存からの脱却のも未来だ。170


地域の産業全体で水揚げを支える。


健康食としての魚は医療や福祉との関係を

食育を進めたいのであれば、学校給食や教育機関、教員との連携

自分たちのことは自分たちで決めると言う意志。それがこの国の防災なのだと。


防潮堤を見るときの著者の思いがうみんちゅだあ。



by eric-blog | 2018-11-30 11:57 | ■週5プロジェクト2018

藻谷浩介さん講演会「ESD地方創生と人づくり」

ESD地域創生研究センター設立記念講演会

藻谷浩介さん講演


メッセージは以下のようなもの。

1. メモ取らない。寝ない。

2. 社会脳であることを認識する。

3. 社会脳を強化するような教育や企業活動が行われている。

4. 自分で考える脳を育てる。


ということで、「クリティカル思考」を進めるESDというのは藻谷さんがいう「アンチ社会脳」なのかもしれないと思った。


アインシュタインではないが、「既存の枠組みから生まれた問題を既存の考え方で解決することはできない」


たくさんの「都市vs田舎」のデータが出されたが、「社会脳」を可視化するための仕掛け。グーチョキパーで、それぞれの考えを挙手するのだけれど、ある時、「グー」を挙げた人に、「それってしっかり統計を見た上での挙手ですか」と確認されてNさんが手をおろしたのが、ちょっとショックだったなあ。


講演会で使ったパワポはくれると言っていたので、立教大学ESD地方創生研究センターにご連絡を。


人口減少社会というのは、際限ない撤退戦を戦い続けている消耗戦。


さて、「社会脳」を証明するクイズです。

  • λ日本の輸出は20年前と比べて増えているか減っているか。
  • λ生活保護率が高い地域は、「家業生活保護」になっている福岡、北海道に続いてどこ?
  • λ可住地人口密度、栃木県は600人程度だが、これをヨーロッパと比べた場合、高い、低い、同程度?
  • λ東京は人口純増している。では15-64歳人口は増えている、減っている、そのまま?
  • λ島根県の65歳以上人口は増えている、減っている、現状維持?


人づくりについてはなしてくれと言われた。これまで避けてきた。定義の定まらない言葉だから。


課題は三つ

1. 変革実行できるキーパーソンを生かせない問題

2. 地域らしさが住民から否定されている。

3. 社会脳の中身が半世紀古い 社会脳=ビッグブラザー=クラウド


ちゃんと自分で考えようよ。島根県では高齢者の数が減っていて、医療費負担が少ないから若い世代が増えているんですよ。東京は、これから40年間、高齢者の数が増え続ける。地方から若い人が流入しても、それをチャラにするぐらいの「卒業していく人口」(65歳以上になる)がいる。


今の東京23区の生活保護率2.4%というのは福岡、北海道、大阪に並ぶ率。ほとんどは金を使い尽くした老人。それがこれからも増え続ける。今の日本で生きるには都会の無産階級が一番厳しい。優秀な人は東京に出ようよというプッシュが高いけれど、本当にそれで将来は安泰なのか?


少子化は日本全国の課題。しっかり現実を見て、考えましょ。




藻谷浩介さん講演備忘録=============== 

日本創生会議 地方消滅の定義 地方がやばい、東京がやばい。

中公新書 『東京消滅』は売れなかった。「関白宣言」は嫌い。しかし、本人は亭主関白ではないので、地方なんか消滅すればいいんだという人が

人づくりやまちづくり。子どもが生まれていないと、子作り。あなたは誰な人? わたしは何もしていない

1. 変革実行できるキーパーソンを生かせない問題 キーパーソンはいないし、育たない、他所から連れてこれるのにいかせない。地域の人に、全ての組織に共通です。

→高度成長時代を経験した世代がトップに居座る。

ナベツネさんほどの人が居座っている組織はない。

自分の将来がなくなるのは嫌なので、

昔は無理心中と呼ばれていた。

殺そうとして、子供の両手首を落としただけで終わったケース。我欲の強い人たちが周りを巻き込む。

秋葉原事件

どーせ、この街はダメになる。町長は町の外に住んでいる。街に人がいなくなるように行動している。

→行動管理&業績評価の徹底で、創意工夫圧殺

実社会では一人でやっている仕事なんてない。一人でやるペーパーテストに  KPIを徹底した結果、変わったことをすることをすることができなくなった。制裁がなければやっていい。多くの人はやっていて。ばれなければいい。せっかく近くにいいものがあっても、見てこない。学者ですら。

勉強させる、少ないコストでいいじゃないか。

業績評価されることをやればいい。成績至上主義。かった

先生は100点を取った人たちではない。にも関わらず、テストができれば、素晴らしい、という評価。

これらの傾向がキーパーソンを育てない。

2. 地域らしさが住民から否定されている。

→学校教育と部活でぐるぐるする人は都会のサラリーマン養成課程。

そのまま覚える作業。

本当かな。と考える。この先生の

イチロウ、大谷 岩手、花巻、。優れた人がいない「スルーする技術」

すぐれた人がいない田舎の良さ。

→自然が嫌い、人口密集地域を好む若者を量産

学校統廃合が進む。

3. 社会脳の中身が半世紀古い 社会脳=ビッグブラザー

→人間の脳はクラウドコンピューティングシステム

→個々の言語空間内の社会通念が認識を支配。

→いなかはダメ、都会は良いという社会通念が蔓延

やめたら夢から覚める。

自然を好きという子供が三割くらいいるんだけれど、

深い藍色になる光景。上田に住んでいる人が気づかない。

黒船来るまではしょーがねぇ。

生き物としての自己否定。子供の数が半分。そろそろサゲドメておかないと。ほっときゃ生殖するのに、なぜ?

地域む人口減少際限ない撤退戦をしていると人間狂う。

SDGs

物質循環が切れている。50年単位。子どもの激減。

社会脳試験。正解したがる。「間違っている」「ほとんどあっていた」と言いに来る人。

ネットでわかることばかり。「社会脳」

売り上げ、

日本の輸出は20年前、49兆円。国際マネー競争に勝ち続ける

社会脳には強弱があり、弱いとみんなが言っていることがわからない。

激減している。国際競争で。

円安で額面上増えている。フィンランドは「日記には三つが嘘」

ドルで見ていると円安で、売り上げは減っている。収支をチェック。

中国30数兆円の黒字。日本と

グーとパー。

しャカイ脳の存在証明。

日本の国際収支。国債で買う。国防になっていない。よ。孫に払わせる。その議論を

不愉快だったなあ。「デフレの正体」

中東に対して黒字。

経常収支 赤字先は中東や化石燃料の輸入によっている。

中居徳太郎の

それぞれの国の言語脳に支配された人々が議論している

地域の課題のトップスリーに「燃料」問題。

生活保護率が高い地域。三大地域。福岡。補助金つけまくって。北海道。稼業が生活保護。2.4%1.7%。障害があって

1,2,3,4 寝てちゃダメ。

地方が貧しいというのは本当か。

東京23区、2.4%、金を使い尽くした老人が多い! 都会の無産階級が一番厳しい。

優秀な人は東京に出て

可住地人口密度 山を外す。田んぼも入れる。人口密度。

東京 1万人シンガポール

大阪6000

愛知2000

栃木600人程度。1000人以上のところは

オランダ560

ドイツ 310

イギリス150人。

店が成り立たない。田舎でも効率がいい。

お台場、出生率0.3% 、次世代に続かない。

首都圏で起こっていること。社会脳が発達。

59歳くらいで収入ががぐっと減る。

ぐー、チョキ、パー 自分が日頃思って行動していることであげること。

辺野古は津波が来る。

8-9割型。地方創生。問題の根源は

東京と若い人の取り合い。

全部 なぜ、首都圏15-74歳は減ったのか。147万人が65歳、

147+64 卒業生240

読売巨人軍。

中国本土で起きていること。現役が減っている。65歳以上29%増加。


いま

中国人が

人間大事にしないところは少子化。

島根県。日本の過疎地で同じ。

19市町村でどんどん高齢者が減っている。医療福祉負担は減っているので若い人が入ってきている。

高齢化率ではない。

論理しかない。

人は感情で動く。信頼できる人の言うことを信頼する。

東京では40年後まで高齢者が増え続ける。


人づくり問題の全体像。

キーパーソンが生かせない問題。

田舎のつまみ食いをしているだけの人なら。

ほぼ全ての人に熱心に聞いていただいて感謝します。


https://drive.google.com/file/d/1mCTDvcES52oqAJ-trmz0tHbNywjsvWpE/view


その後、11自治体からの報告。



by eric-blog | 2018-11-30 11:02 | ◇ブログ&プロフィール

進歩 人類の未来が明るい10の理由

進歩 人類の未来が明るい10の理由

ヨハン・ノルベリ、晶文社、2018

3230冊目


Progress Ten Reasons to Look Forward to the Future, Johan Norberg


ニュースは暗い話題であふれている。


今日の藻谷さんの話しもそうだった。実際には日本は貿易黒字で、赤字の相手は石油産出国。つまり、日本は化石燃料依存の加工貿易立国を今も続けているということだ。そんなことはそこらへんに転がっている数字を見ればわかることだと。にも関わらず、日本の経済論評は「くらい」のだ。


作られている話題。作られている認知・それが社会脳。わたし達は自分で考えているのではない。

世界が実際より酷いと思わせる認知バイアスが三つあると、スティーブン・ピンカーが言っていると。297 If Everything is getting better, why are people so pessimistic? Cato Policy Report, Jan/Feb. 2015

1. 悪いことのほうが良いことより強い。

2. 愚痴っている批判者の方が道徳的に強い関心を持っているとアピールする。

3. 人生がもっと単純で良かったとされる黄金時代に対するノスタルジー


著者はこのプロジェクトのために世界をめぐり、データを集め、分析した。その結果、売れない本の出版に至った。


ボノのトークを聞いたことがある。ボノは子供の死亡数を削減することに取り組んできた。そして、成果が上がってきたと。


MDGsからSDGs。明らかに目標値はよくなっている。そう、わたしたちはよくやっているのだ。まだ、課題はあるけれど。


しかし、課題に目を向けることも大事だ。なぜなら、それはより良い生き残りを保証するからだ。


著者は、10の課題についてのレポートを描く。


  1. 1.食料十分なカロリー
  2. 2.衛生
  3. 3.寿命人はもうハエのようには死なない
  4. 4.貧困
  5. 5.暴力戦争すれば損をする
  6. 6.環境最悪のシナリオは回避された
  7. 7.識字
  8. 8.自由
  9. 9.平等かつてないどの寛容性
  10. 10.次世代


これらの領域において、世界の指標は良くなっていると。1950年代に比べても、そして当然、中世に比べても、だ。


それでも、わたしたちは、欠点をあげつらい、できていないことを気にかけ、より良いものを目指して生きるのだ。

そのために、暗いニュースにも目を向ける。


そして、進歩は受け継がれるのだ。つまりは「できていないこと」への悲観論も。

悲観しつつ、楽観する。楽観しつつ悲観する。そんなバランスなんだけれど、

どうもメディアの「悲観論」だけを「社会脳」してしまうわたしたちがいるという問題が新たに出てきているということなんだね。




by eric-blog | 2018-11-30 09:44 | ■週5プロジェクト2018

We 217号 くらしと教育をつなぐ 特集「つながりの中で生きる」

We 217号 くらしと教育をつなぐ

特集「つながりの中で生きる」

3229冊目


入江杏さん「共に生きることで悲しみを<生きる力>に」


■この悲しみの意味を知ることができるなら 世田谷事件・喪失と再生の物語

https://ericweblog.exblog.jp/238215160/


■ミシュカの森 2017

https://ericweblog.exblog.jp/238063626/


入江杏という名前は、息子さんが姪と甥の名前からのアナグラムで作ってくれた。「新しい名前を得ることで、私は話すことができるようになりました。」


泣けてくる。


里親の山本節子さんのお話も良かった。




by eric-blog | 2018-11-29 16:59 | ■週5プロジェクト2018

図解入門 よくわかる最新プラスチックの仕組みとはたらき

図解入門 よくわかる最新プラスチックの仕組みとはたらき 身近なものを通じて学ぶ 技術進歩を追う[第二版]

桑嶋幹、ほか、秀和システム、2011

3228冊目


この本、対象読者は誰なんだろう? やたら派手なタイトル、水色との二色ずり本文、2005年に第1版が出ての改訂版。


プラスチックとは合成樹脂。樹木からできる樹脂は天然樹脂。

日本ではプラスチックは二種類。

原料に熱を加えて変形させた後固めるタイプ 熱可塑性樹脂

熱を加えて固めるタイプ熱硬化樹脂


前者はチョコレート、後者はクッキー。


合成樹脂は天然樹脂を真似たもの。漆、琥珀、天然ゴムなどの性質を求めた。


セルロイド 天然のセルロースを原料として樟脳を混ぜてつくり出した。今もピンポン玉はセルロイド。21


今はコールタールから得られるフェノール、ホルムアルデヒドを原料に、作られている。


炭素原子と水素原子からできた分子でできており、簡単な分子をたくさんつなぎ合わせて作った高分子がプラスチック。

エチレンをたくさんつなぎ合わせて作ったものがポリエチレン。


繰り返し結合したものが「ポリマー」その要素が「モノマー」24

生物もポリマーでできている。


日本国内のプラスチック消費量 843万トン 39

包装コンテナ 376万トン 45%

電線ケーブル 142万トン 17%

建材 100万トン 12%

()プラスチック処理促進協会HPより


縮合重合


プラスチックの分子が結び合えば強くなる。87


プラスチックは加熱すると溶けてしまう。融けないプラスチックはどうすれば作れるか。

木材は加熱しても融けずに焦げる。

焦げるとはポリマーの分子が熱で分解している

ガラス転移温度が低いと、融解する。

ガラス転移温度が高いと、焦げる。


架橋する。一次元のポリマーから三次元の網目構造を作る。


などなど。合成の方法、合成するもの、などが多様になっているのが現在のプラスチック。


6章「プラスチックの課題と私達の生活」では持続可能な社会の概念も紹介されている。光分解、生分解性プラスチックも紹介されているが、LCAから見た場合、本当に省エネであるのか、又分解した後にできる物質が環境知友でどのような作用を及ぼすのかなどについて問題が指摘されている。


今、プラスチックによる海洋汚染が特に問題になっているが、Embedding ESD into Scienceでは、プラスチックの課題を「リサイクル可能性と生分解性が二つの大きな課題である。」として、未来のプラスチックをデザインしようと呼びかけている。



TEXTBOOKS

FOR SUSTAINABLE DEVELOPMENT

A GUIDE TO EMBEDDING

© UNESCO MGIEP 2017



by eric-blog | 2018-11-28 09:25 | ■週5プロジェクト2018

18歳からの民主主義

18歳からの民主主義

岩波新書編集部、2016

3227冊目


2016年夏から選挙権が18歳に引き下げられた。

この本は1998年生まれの18歳たち、2001年、2011年を超えて、生きて来た1819歳たちに贈る本だ。


第一部は「民主主義ってなんだ」。選挙権年齢、議会、選挙、政治参加、税金などの仕組みと「何を見て判断するのか?(荻上チキさん!)など。


第二部は選挙の争点10!

  1. 1.憲法改正
  2. 2.景気対策
  3. 3.教育政策  『高校生を主権者に』広田照幸さん
  4. 4.少子高齢化
  5. 5.若者の雇用
  6. 6.地方政治
  7. 7.医療危機
  8. 8.戦争と安全保障
  9. 9.エネルギー問題
  10. 10.都市と農山村


第三部は19人の寄稿による「わたしの民主主義」とでも言うべきエッセイ。


むのたけじさんのが101歳、最も高齢だったわけだ。「幼少青壮老の五連帯で」という呼びかけだ。




by eric-blog | 2018-11-28 09:18 | ■週5プロジェクト2018

タイワニーズ 故郷喪失者の物語

タイワニーズ 故郷喪失者の物語

野嶋剛、小学館、2018

3226冊目


まえがきに「台湾社会はあまりにも多様である」。

民族構成は複雑。先住民、漢人の移民(本省人)、日本人、国民党(外省人)。彼らの多様性は日本社会にも映し出されているという。


祖国に捨てられ、裏切られ、追われて生きて来た彼らを著者は「タイワニーズ」と呼び、「故郷喪失者の物語」として一枚の絵にしたいと願う。


東山彰良、温又柔、ジュディ・オング、余貴美子、羅邦強(551)、安藤百福、陳舜臣、邱永漢


知っているのに入力するのが大変な人名が並ぶ。


漢字文化圏ということだけが共通項なのかもしれない。


よくもわるくも、国に捨てられた彼らは実力と、そしてその実力に惚れた人脈とで、ディアスポラを生き抜いている。人としての魅力、実力が溢れる人たちが、著者が「タイワニーズ」と呼ぶ人々であるのだな。


苦労はしたが、成功した人々の物語。


チキンラーメンのルーツと言われる「意麺」の揚げ麺を料理した「鍋焼意麺」は台南の名物料理。228


いつも忘れてしまうので、備忘録として先住民の物語も入れておく。

セデック・バレ

https://ericweblog.exblog.jp/18967307/


ちょっと気になる表現

「台湾出身者は、戦前の日本では「二等国民」と思われても仕方ない地位にあった。」186


本末転倒に感じられる。枝葉末節だとは思うが。



by eric-blog | 2018-11-28 09:17 | ■週5プロジェクト2018