カテゴリ:□週5プロジェクト2018( 172 )

「心の除染」という虚構 除染先進都市はなぜ除染をやめたのか

「心の除染」という虚構 除染先進都市はなぜ除染をやめたのか

黒川祥子、集英社インターナショナル、2017

3225冊目


伊達市梁川地区出身のライターによる取材。

除染最先端都市をうたった伊達市、すべてのエリアを除染すると宣言した仁志田市長。

 

伊達市と言えば、飯館村の西北、川俣町の北にあり、風向きによって同心円的な避難勧告エリアから大きく外れたエリアと福島市の間にある地域だ。


伊達市小国地区はその中でも飯館村と福島市を結ぶエリアにある。


その地区がA,B,Cのエリア、そして「特定避難勧奨地点」と言うスポット指定によって分断されていく過程と、そのプロセスで揺れる心を描き出している。


「すべて除染するのだ」という市長の下で除染事業を進めてきたのは半澤隆宏放射能対策政策監。302


「除染の神様」と中西準子著「原発事故と放射線のリスク学』では紹介されている。


除染交付金はどのように使われたのか? 情報公開請求で出てきた資料に疑問を抱いた著者は、五度目の半澤へのインタビューを採録している。

337ページから351ページ。この本の最終部分だ。

やり取りを読んで、「なぜ半澤さんは国の方を見て仕事をするようになってしまっているのだろうか?」という疑問が頭から離れない。



市議会議員、町内会、学校などと住民の三つ巴で、事態はすすむ。年間1mSv以下という基準値を巡って。


今、市長は「心の除染」をいう。何よりも安心が大切だと。


もやもやが残るルポである。


半澤氏の講演会
http://d.hatena.ne.jp/sekiyo/touch/20180522

平成24年でも
http://khjosen.org/event/conference/1st_con_fukushima/sympo.html

2013年も
https://www.jrias.or.jp/books/pdf/201310_SYUNINSYA_HANZAWA.pdf

[PR]
by eric-blog | 2018-11-21 10:33 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

カップヌードルをぶっつぶせ! 創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀

カップヌードルをぶっつぶせ! 創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀

安藤宏基、中央公論、2010、単行本2009

3224冊目


いま、朝ドラ「まんぷく」は、日清食品の創業者の妻を描いたものだ。安藤百福氏のルーツが台湾にあること、台湾には乾燥保存麺のルーツもあることが話の中で触れられていないことが、SNSで流れてきたので、『タイワニーズ』と同時に、こちらも読んでみた。


米国でのカップヌードル展開の要となった二代目。


常に初代と比べられ、「凡能」の二代目と称されることが多い二代目。


1985年に社長に就任した時、初代のもとで、トップダウンの気風が蔓延していた社内に新風を吹き込むために掲げたスローガンが「打倒カップヌードル」。思い余って叫んだ言葉が「カップヌードルをぶっつぶせ!」と言うこのほんのタイトルともなった宣言。


執念の人であった百福は、何度も何度も、二代目とぶつかった。ぶつかっても言わねばならないことがある、と思う。


熱心な研究肌でもあった。


米国に留学しマーケティングを学んだ二代目。


ブランド・マネジメント

勝つまでやめない

ブランドを守るためには安売りしない

脳研究会を生かす


などなど。能力があるのではない。失敗しても次のチャンスを与え続けられるのが「二代目」なのではないか? ま、それが「男」でもあるんだろうけれどね。


なんて、あまり関係ないけど、今日の日の記念に、この投稿をクリッピングしておこう。


東京新聞 20181120
a0036168_11355498.jpg

[PR]
by eric-blog | 2018-11-20 11:36 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

障害者介助の現場から考える生活と労働 ささやかな「介助者学」のこころみ

障害者介助の現場から考える生活と労働 ささやかな「介助者学」のこころみ

杉田俊介、瀬山紀子、渡邊琢、明石書店、2013

3223冊目


1970年代生まれの介助実践者である著者らは1990年代に介助者デビュー。正規雇用などほとんどない、時間給で成り立っている現場の課題を「ささやかに」問題提起している。


女性労働問題としての介助、女性と介助。と言うと、介助だけの問題ではないことが透けて見える。


介助は障害者の生活支援であるとともに、社会との結びつきの橋渡しでもある。

知的障害がある場合、言語表現に課題がある場合など。当事者の意思を読み取り、それを社会の中で実現することを考えると、それは社会運動支援とも連なるのだ。


それは仕事なのか?

それは労働なのか?


座談会が面白い。


[PR]
by eric-blog | 2018-11-20 11:18 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

家康、江戸を建てる

家康、江戸を建てる

門井慶喜、祥伝社、2016

3222冊目


1590年天正18年、北条氏はまさに豊臣秀吉の軍勢の元に落ちようとしていた。その様子を相州石垣山から、小田原城を見下ろしながら、秀吉は家康に言った。関八州をそっくり、240万石、差し上げようと。実質それは駿河三河甲斐信濃遠江の所領を召し上げる国替えだった。


小田原城に入るかと目されたものを太田道灌が開いた江戸城に入り、そして

第一話 流れを変える 関東平野に流れ込んでいた川の流れを変えた

第二話 金貨を延べる 京都の後藤家が行なっていた金貨の鋳造を、小判「一両」を作ることで徳川に引き寄せた。

第三話 飲み水を引くこれは有名

第四話 石垣を積む伊豆半島西側の石切り場を開発する。

第五話 天守を起こす


金貨の話が面白かった。

大判では流通の用に立たない。それを一両小判を作ることで、天下の共通貨幣としてのして行くためには、商人たちの信頼を得なければならない。そのために質の良い貨幣を作ること。などなど。



[PR]
by eric-blog | 2018-11-20 11:08 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

彼女は頭が悪いから

図書館予約待ち 108人!

a0036168_10324766.jpg

[PR]
by eric-blog | 2018-11-19 10:32 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

夜の木

夜の木 1967/2000

The Night Life of Trees, 2006

Tara Books, AMMスクリーンズ、2012

3221冊目


やっと、AMMスクリーンズの印刷による本を手に取れた。

いいなあ。


画家

バッジュ・シャーム: 「創造主のすみか」「蛇と大地」「からみ合う木」


ドゥルガー・バーイー: 「ドゥーマルの木」「飲みすぎにご用心」「センバルの木に放たれた矢」「蛇の頭の木」「まもってくれる木」


ラーム・シン・ウルヴェーティ:「闇夜に光る木」「客人たちが帰る」「木の創造」「蛇の女神」「蚕のすむ木」「孔雀」「果実の誕生」「リスの夢」「うたの木」「永遠の美しい愛」「12本の角のある木」


一つずつの物語はゴンド民族の神話や昔話の再話である。


[PR]
by eric-blog | 2018-11-18 14:46 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

原発事故 事故が起きて何が変わったか、変わらなかったか

原発事故 事故が起きて何が変わったか、変わらなかったか

西尾漠、七つ森書館、2018

3220冊目


2017年の『日本の原子力時代史』に並ぶ、原子力事故の真相と深層に迫る集大成。

https://ericweblog.exblog.jp/238812870/

事故は原発が開発された1950年代から起こっている。原子力を人間の技術がコントロールできるのであれば、いまの問題は起こっていない。技術は試行錯誤によって進歩するものだというのが研究者の立場であることは、フクシマ以降、素人は木で鼻をくくったような御用学者の言説や中立的な科学者の言動にも、思い知らされてきた。

鉄道事故も同じだ。事故が起こるたびに再発防止、新たな技術開発、そして管理基準の強化が図られる。しかし、開発者にとっては「100万分の一」であっても、当事者にとっては「一分の一」なのであることは、どの科学技術でも同じことだ。

https://ericweblog.exblog.jp/238849662/

著者によるこの本の構成がとてもわかりやすい。

I. 事故の教訓は1950年代から (3)

II. 事故が地元の意識を変えた (6)

III. 事故で変わる原子力行政 (2)

IV. 安易な事故対策は失敗する (3)

V. 事故に終わりなし (4)

VI. 事故が「原発銀座」の怒りを呼ぶ (4)

VII. 今に続く事故隠しの「どうねん体質」 (2)

VIII. 福島原発事故は、事故が予言していた (4)

IX. 事故の軽視が新たな事故を準備する (4)

X. 防げなかった原発震災 (3)

合計35の事故と事件が年代順に並べられており、見出しのまとめとなっている。

福島の事故は、1986年のチェルノブイリ事故(V)に並ぶ国際事故評価レベル7である。

文明の「闇」と「病み」は誰が負担すべきか?

ヒロシマ・ナガサキの原爆病から73年、水俣病も50年。治療のない「文明病」が今も続く。次世代への影響も未だ不明だ。

「ヒロセタカシ現象」とは、1986年のチェルノブイリ事故以来の反原発運動の盛り上がりに対して、電力会社などの危機感として名付けられたものだ。

198710月から884月の反対運動の間に作られた東京・関西両電力が作成した内部文書。彼らがその時の運動の特徴としてあげているのが次の三点だ。119

1. 広瀬隆を中心とする感覚的な反対運動と今日的メディアの活用

2. 婦人を中心とする草の根的反原発運動拡大のおそれ

3. 自然食グループ・消費者グループと既成の反原発団体との結びつき

動力炉・核燃料開発事業団職員有志の会会誌『未萌』第7(19886 )「反原発運動関連資料」に掲載されている「原子力後方の概念図」には

「電気事業連合会、資源エネルギー庁、科学技術庁、日本原子力文化振興財団、日本原子力産業会議、自治体、外部アドヴィザリースタッフも加わった「原子力後方推進組織」」が作られていたことが明示されている。120

チェルノブイリ事故後の日本国内の動きのもう一つが「汚染」に対する規制強化だ。それについて、小出裕章さんの意見が紹介されている。

「日本の国に対して、汚染が国内に入らないように規制強化を求めることについては私はどうしても同意できない。日本が拒否した食糧は、他の誰かが食べさせられるだけだからである。即ちこれまで原子力を利用してこなかった国々、それゆえに汚染を検査することすらできない国々、貧しく食糧に事欠いている国々が汚染食料を負わされるのである。

原子力開発によるデメリットは、誰を措いても原子力を推進している国々こそが連帯して負うべきであって、間違っても原子力を選択していない国々に負わせるべきではない。」(『放射能汚染の現実を超えて』北斗出版)

195441日、日本初の原子力予算が成立。

原子力応援団が生まれた。288

日刊工業新聞社: 月刊誌『原子力工業』1955年創刊、201111月休刊

東京電力情報誌『SOLA1989年創刊、2011年夏号で休刊(朝日新聞OBが編集に関わる。編集長: 江森陽弘;数百万円の報酬?)

エネルギーを考える会: 1975年発足『エネルギーいんふぉめーしょん』20123月号廃刊

財団法人福島原子力広報協会: 1981年福島県と周辺自治体の出資で設立、2012216日解散

いやいや、もっとあるでしょう。原稿一本数十万円て聞いたけど?

週刊現代2011820-27日合併号で「東電マネーと朝日新聞」の特集しているらしい。

事故直後の混乱で、推進側からも色々な情報が出てくることが、いずれのケースでもよくわかる。

西尾さんが言うように、そして他の「文明病」が半世紀を超えて示しているように、「放射能災害の被害は時間とともにむしろ拡大する。事故の後始末にも終わりは見えない」のだ。109


[PR]
by eric-blog | 2018-11-16 11:19 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

ブラック校則 理不尽な苦しみの現実

ブラック校則 理不尽な苦しみの現実

荻上チキ、内田良、東洋館出版社、2018

3219冊目



校則は理不尽だ。スカートの長さなどにたいして理屈はない。にも関わらず、教員たちはそれを守らせるために血道をあげてすらいる。校門殺人事件などは、遅刻が死に値するほどの罪なのかと、愕然としてしまう。


学習支援で出会う小学校三年生たちは、三年生にして「校則に従う」ことが骨身に沁みている。特に、「持ってきてはいけないもの」については厳しい。子どもたちを無闇矢鱈な消費文化から守っているといういい面もあるが、杓子定規な面ももちろんある。


この本ではいま特に「中学校の校則が厳しくなっている」と指摘している。019


第一部では高速の現状、第二部ではブラック校則で脅かされる子どもたち、第三部にはブラック校則をどうすればなくせるかの提言。


校則という規範は、規範に合わない人を苦しくさせる。制服の男女差は性の多様性を息苦しくさせるし、個性を封じ込める。


学校指定品の過度な強要は、経済的な負担すら強いる結果になりかねない。


しかも、民主主義の社会においては「法や規則は変えられる」ことが前提であるのに、学校は逆にそれを学ばせない。083



学校という狭い社会でのルールから「社会のルール」としての校則を考え、それを守る姿勢を育てることが重要なのではないかと、著者(原田法人)はいう。


「子どもの参画」が言われるのに、校則についてはそれがないというのでは、教育の意味がない。



12章で内田さんは保護者も校則を歓迎している。その背景には「学校化した市民の価値観」212を指摘する。


そして、校則は厳しくすればするほど、あらが目立ち、さらに細かく、厳しくしていく宿命にあると。220

『校則』の研究、より。


最後の荻上さんと内田さんの対談

どんな社会にしたいのか、したい社会の姿に学校を近づけようよ、と。まずは学校から温室に! 242


[PR]
by eric-blog | 2018-11-15 17:57 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

みな、やっとの思いで坂をのぼる 水俣病患者相談のいま

みな、やっとの思いで坂をのぼる 水俣病患者相談のいま

永野三智(水俣病センター相思社)、ころから、2018

3218冊目


北区赤羽にある出版社。なんだか親しみを覚えるなあ。

水俣病と認められたい、でも認められたくない。

他の家族全員が水俣病なのに、娘はそのことを知らない。その娘にも水俣病の症状がでた。


など、


1956年の水俣病の公式確認、1959年有機水銀説、1968年国による公害認定、1974年相思社設立。10

2018年は公害認定から50年の年に当たる。

チッソの廃液で水俣の海が汚染されていた頃に、そこで取れた魚を食べていた人たちは、半世紀を経てもなお、その病の影に怯えている。そして、その怯えに乗じて、運動の分断、患者の線引きなど、国や行政や、企業側の判断が先行し、押し付けられていく結果になっている。

まだまだ、これからも水俣病は様々な意味で先駆的な事例であり続けるのだろうなあ。


a0036168_14331191.jpg
東京新聞 2018年11月10日

a0036168_14335693.jpg
東京新聞 2018年11月8日



[PR]
by eric-blog | 2018-11-13 14:34 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)

発達障害チェックシートできました がっこうの まいにちを ゆらす・ずらす・つくる

発達障害チェックシートできました がっこうの まいにちを ゆらす・ずらす・つくる

すぎむら なおみ+「しーとん」、生活書院、2010

3217冊目


文科省が平成14年に実施したLDADHDなど特別な教育支援を必要とする児童を理解するために作成した「児童・生徒理解に関するチェック・リスト」(PDF: 20090105-140720.pdf)をチェックするところから、自分たちのためのチェックシートを作ろうと。

ERICの「チェック・ザ・チェックシート」みたいなもんだね。

本全体にLLページというむずかしい字も言葉も使わないページを、まとまりごとに入れている。なんと目次にも「LL目次」があるのだ!

a0036168_11055163.jpg
LLページだけをつないで読めば、この本の内容が把握できるということだ。

[PR]
by eric-blog | 2018-11-12 10:57 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)