カテゴリ:■週5プロジェクト17( 335 )

狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ

梯久美子、新潮社、2016

3112冊目


読まないと思う。このことを知ってしまい、書かれている口調にも馴染まないので、多分、読まない。しかし、「このこと」については備忘録として書いておきたい。


島尾敏雄は、昭和56年に芸術院会員になる。なると、終生年金200万円を受ける。ミホは「ミホのためになって」と説得。島尾自身は

仮病で芸術院賞の授賞式を休む。

「僕の戦後は終わっていないんだ。だからこの賞を受けるのはどうもね」565

「シマオトシオは死んだと思う。はね返すバネは?570

「芸術院で司馬さんにに「困りましたねぇ」と言ったら、司馬さんも「困ったことになったね」と言っている。」

「なんだかきがめいる。入院した事仲々納得できぬ。へんに力抜ける。自分の先祖はアイヌ、自分はエミシと思う事。・・・」571

などと日記に書いている。


ミホは、打診に来た人を喫茶店で待たせ、「お父さま、お願い! マヤと私のためにお受けになってください。」と説得した。568


と、このような文学界の無頼派的な一派もいること。


https://ericweblog.exblog.jp/15300696/

TEST in 大阪でインタビューした金城馨さんが、「第一世代は、「ま、仕方ないか」「こんなもんか」と、心の中には違和感を持っていたとしても、その違和感は次の世代には伝わらない。」と言っていたことを思い出す。


けど、これと同じことが、どこかの本にあったんだけれど。どこだっけ?


梯さんのは硫黄島の大将の本、読んだなあ。
映画『死の棘』が、パルムドール受賞作の一つというのが、今日の『万引き家族』についての報道に書かれていたが、それ以前にこの本借りているのだから、なにがきっかけだったのか、忘れているよ。

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by eric-blog | 2018-05-20 13:32 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

週5プロジェクト2017 ふりかえり

5プロジェクト2017


年度ごとにカテゴリーを増やしているのだが、カテゴリー数ってどこまで設定できるのだろうか?


2017年度は201743日の投稿から始まって、333冊。(最後、追加してしまった。)


その間に「2018118日に3000冊を数えました。」

感謝状もいただいちゃったりして。うふ。


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それにしても2017年度は多いなあ。平均して、週に6冊は紹介している!

ほぼ「日刊イトイ」ぐらいになってんじゃない?


ざっとタイトルを読み返して見て、「語り」が多いように思う。人権教育に携わる者のモットーとして「多くを知る」をいつもあげているから、というわけでもないが、共感や実感は大事にしているつもりだ。


その語りも「孫世代」だったりする。戦争は、何世代も、どこまでも爪痕を残すのだ。


語られてこなかったものが長い年月ののち、死や忘却を前にして口を開いてきたものもあった。女たちの物語、加害の物語も。


最近は、自分の趣味で読んだんじゃないかというような「物語」「小説」系を紹介することもある。だんだん、自分自身の備忘録になってきているからだ。毎日がアルツハイマー。忘却への抗いであるが自分の中に残るものを大切にしつつ、いつも完璧でいつまでも未完成な自分の中だけに溜め込むのではなく、「みんなの頭で考える」ことが少しでもすすめば嬉しい。


そう、本を書いている人は、皆、そういう願いを込めているのだから。


https://ericweblog.exblog.jp/238215254/

2016年度 274


2015年度 214


2014年度 297


2013年度 248


    2025

2012年度 161


2011年度 157


2010年度 149


2009年度 239


2008年度 228


    1091

2007年度 263


2006年度 214


2005年度 248


2004年度 195


2003年度 171



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by eric-blog | 2018-03-30 16:55 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

先輩からの伝言 小川町・平和のための「戦争展」から聞き取りと手記文集

先輩からの伝言 小川町・平和のための「戦争展」から聞き取りと手記文集

第一集 20082009年展示より

小川町平和のための戦争展実行委員会、2011

3069冊目



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最近、小川町の友人から戦後の体験を聞くことがあった。戦争展にでも出せばいいのにと言ったが、いやだよと。


27名の戦争体験集。


毎夏、小川町立図書館のホールで開催されている「戦争展」である。


戦争展のような展示会が開催しにくい雰囲気になってきたのは、平和の句を短歌集に載せないというような動きからだったか。


2012年に第8回。その後も続いている。

https://www.facebook.com/media/set/?set=a.457330147631447.106099.100000633979103&type=1


この年には原発のことも扱っていた。


展示拒否の動き。そして、いまや「講演会」にも介入するまでになっている。

https://ericweblog.exblog.jp/19845014/


2018年3月21日 東京新聞

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さて、これから「道徳教育」が始まる。地域で掘り起こされた史資料、生の声を、どのように学校教育に生かしていくことができるだろうか?




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by eric-blog | 2018-03-30 16:51 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

非戦・対話・NGO 国境を越え、世代を受け継ぐ私たちの歩み

非戦・対話・NGO 国境を越え、世代を受け継ぐ私たちの歩み

大橋正明、谷山博史、他、新評論、2017

3068冊目


http://ngo-nowar.net


どこか懐かしい、読んだことがあるはずだと、表紙を見て思った。そんなはずないよね、201712月の発行なのに。


あ、そうだ。『非戦』だ。


ブログを検索したら、出てこない。なんだ、紹介しなかったのか。読んだはずなのに。2001年の本だ。


あれは、9.11の後のきな臭さの中で出版されたものだった。白地にくっきりと「非戦」とだけ書かれた表紙。


この本も、2015年集団的自衛権行使を可能とする安保法制(安全保障関連諸法、919)が成立するというきな臭さの中で編集された。


2017615日には「共謀罪法」


いや、その前の「ODA大綱改定」201441日から、国際協力の世界にきな臭さを持ち込んでいる。そして、2015年には防衛装備庁。

http://ericweblog.exblog.jp/21328536/


1800人という大陣容には舌を巻いた。どこから調達してくるのだ、そんな数の人材を?


「非戦」のために「屈服しない人々」として、ここに登場するのは12名。318ページ。およそ20ページほどの人生の「非戦」への歩み。と、【わたしにとっての三冊】これがいい。


シャプラニール、JVCDEARAHIAPLAPARC、メコン・ウォッチ、さっぽろ自由学校、サダーカ、FoE JapanANT-Hiroshima


アフガニスタン、東ティモール、沖縄、福島、広島・・・。アジア、そして今や外せなくなってしまった中近東。


それらの地域と日本はどうつながっているのか。


年代も1953年生まれから1982年生まれまで。


非戦に集う人々の熱さ。


でも、考えてみると、みんなNGOに事務局として関わっている人ばかりだね。そういう意味ではNGOもしっかりしてきているということか。


文字数が多い、印字が薄い、読み手は誰なんだ?


と不満タラタラだが、どこか懐かしい大学の学生寮の話や海外での体験、出会いに惹かれて読んでしまう。


人は、エモーショナルな生き物だよね。論理は後からついてくるのさ。


そんなところに日本人。世界との繋がり方は多様だ。その非戦の繋がりの先に平和があると思う。毎日、毎日、非戦を選ぶ。



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by eric-blog | 2018-03-30 15:21 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

再エネ革命-日本は変われるか? 雑誌「世界」別冊no.907

再エネ革命-日本は変われるか? 雑誌「世界」別冊no.907

岩波書店、2018

3067冊目


いま、ERICの蔵書を処分し、過去の資料類もどんどん廃棄している。エネルギー円卓会議の資料なども出て来たりして、この問題についてはデジャヴ感が強い。その中で残念なのは、東京電力の勝俣さんがいわゆる「2004年の暗闇」によって、脱力化されたこと。個人的にはきちんと話のできる、自分の判断を持たれた方だという印象があったので、3.11に対する組織対応に終始する姿は残念だった。きっとどこかで良い影響を及ぼしておられることと思う。

https://ericweblog.exblog.jp/13121355/


よかったことは、鈴木達治郎さんが長崎大学核兵器廃絶研究センターに移り、原子力を軍事利用と平和利用の両面から考える立場になられたこと。重責だが、それを見に引き受けていかれるには、これまでの原子力との関わりがあるのであろうと、頭が下がる。

https://ericweblog.exblog.jp/238372058/


1990年代からのデジャヴ感、失われた20年という思いではあるが、わたし自身は環境保護団体でキャンペーナーをやったことがあるとはいえ、エネルギー問題については素人。生態系保護、捕鯨問題、流網問題、南極保全など、その時々に学習し、発信して来たが、自分自身のしっかりとした立ち位置としては教育であり、ファシリテーターとしての関わりでしかない。


その視点から見て、そのころの議論と、今の議論ではどこが違うのだろうか。


今回の特集で目を引くのは「1 再エネ革命とは何か」であろう。


世界は再エネに向かっている。


1990年代の議論では、

・再エネの技術

・エネルギー供給の送電網

・再エネ推進のためのインセンティブ

・原子力発電の不経済

・市民発電所、BDFなどのオルタナティブを推進する枠組み

などだったのではないか。1986年のチェルノブィリ事故を受けて、市民運動は盛り上がりを見せていたが、大きな枠組みでの原子力依存を見直そうということは、未だしであった。


それに対して、いま起こっている「再エネ革命」を安田陽さんは「外部コスト」と「便益」で解説する。かつての市民運動がエモーショナルな運動だったとは思わないが、この二つの概念で説明することができる「経済合理性」のある判断で大量導入がすすんでいるというのだ。


エモーショナルな運動が問題にしていた「原子力」の危険性などは、「外部コスト」として証明することが可能である。また、石炭火力は発電コストに対して気候変動や健康被害という「環境負荷」が高い。「外部コスト」というのは第三者に対する迷惑だと、筆者は言う。(p.8)その限りにおいては、倫理的な判断が伴わなければ、判断は変わらないことになる。


再エネの便益もまた、「将来やってくる可能性のある損害」であり、それは未来の世代に対する迷惑であることを考えると、倫理的な課題である。


「適切な投資をしないと将来大きな損失を被ります。」


再エネへの投資は子孫への富の再配分である。(p.10)


つまり、1990年代の議論と今の議論が異なるのは、投資家に対して「エモーショナル」にかつ倫理的に把握されていた途上国や将来の世代に対する不経済を「見える化」して試算を積み上げて議論できるようになったと言うことだ。


誰がその数字を提示しているか。


IPCC気候変動に関する政府間パネルであり、

IRENA国際再生可能エネルギー機関である。


1990年代との違いは、金融政治が成長したと言うことである。投資の基準に、これらの倫理が加味されれば、膨大な資金の流れが変わると言うことである。


同時に、市民がプチ投資家になったと言うことである。


それがどのような結果になるか。日本の電力需要は太陽光発電で賄えるとフィンランドの大学は、世界が100%RE可能であるとする研究の中で言っているらしい。(p.19)


「再エネ革命とエネルギー耕作型文明」において、槌屋治紀さんは、これからは化石燃料に頼った「エネルギー狩猟文明」から太陽エネルギーを捕獲する「エネルギー耕作型文明」へと転換する必要性を言う。面白い。

著者による100%自然エネルギービジョンは、WWFのホームページから。

https://www.wwf.or.jp/activities/climate/cat1277/wwf_re100/


再エネへの転換は必然だというようなこれらの論考を踏まえ、第二部は「なぜ日本のエネルギー政策は転換しないのか」である。


高橋洋さんは日本のエネルギーシステムが未だに集中型を維持しようとしているからだとする。(p.63)

そして継続性を重視する官僚にはその変化の舵取りはできないと指摘する。じゃあ誰?


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枝廣淳子さんは、昨年8月に設置された「2050年エネルギー情勢懇談会」について報告する。(p.76)

http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shigen_nenryo/pdf/023_03_00.pdf

すべて記録は公開されているという。


海外からのゲストを招いての「ラーニングジャーニー」については枝廣さんのホームページが詳しい。

https://www.es-inc.jp/energysituation/


■東京新聞 2018年3月31日


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3部は、そもそも再エネの基本である「脱炭素」が国際的な約束であること。カーボンプライシング、炭素税など。

面白い論文は「世界の気候変動訴訟の現状」福田健治さん。弁護士の方である。仙台の石炭火力発電所稼働差し止め訴訟を担っている。(p.129)

企業は「訴訟」というコストを嫌うのだという。政策に対する取り組みよりも段違いのスピードで対応せざるを得なくなるというのだ。

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第四部は「原子力産業の黄昏」


5部が「再エネで地域再生」


ご当地エネルギー 映画『おだやかな革命』

シュタットベルケ、自治体主体の新電力事業会社、縦割りの事業を見直す。


みやま市の事例

地域インフラとしての小水力発電、総電力の0.5%程度のポテンシャル。


みやま市は、大木町のお隣。

https://ericweblog.exblog.jp/238381416/


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小水力発電についての地域利害対立については、もう少し整理できるのではないかと思った。

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問題は地域のインフラの維持費である。



カーボンプライシングについて紹介している神野直彦さんは冒頭スウェーデンの環境の教科書『視点をかえて 自然・人間・全体』(ブー・ルンドベリィ、1998)を引用して、今の文化「強盗文化」だ。変わらなければならないという認識を共有していることを示している。(p.103)



さて、教育という観点から見て、どうだろうか?


環境教育、人権教育に共通しているのは「いまのままではダメだ。変わらなければならない」という認識である。日本の教育に、その前提はあるのだろうか?疑問である。

環境問題は人類共通の課題であり、協力して解決する必要がある。そんな認識が共有されているだろうか?

差別のある社会にわたしたちは生きていて、より公正な社会を目指して、改善する必要がある。そんなことを教えているだろうか?


枝廣さんが求めている「エネルギー議論への市民参加」はどうだろうか?


鈴木達治郎さんが指摘するように、民主党政権時代から現在、そのような動きは後退していると言わざるを得ない。

https://ericweblog.exblog.jp/238372058/


原子力関係者とは、エネ懇ですら、話は噛み合わないのだ。


エネルギー教育そのものはどうだろうか?

環境教育はどうだろうか?

ESD?


国際理解教育はどうだろうか? いま、国際会議でどのようなことが話し合われているか、日本はその合意形成でどのような役割を果たしているか。

国連の人権勧告はなぜ出されているのか。なぜ日本政府は答えようとしないのか。


そんなことを「国民」は理解しているのか?


安田さんの言うように、世界は「再エネ革命」に向かっているかもしれない。しかし、その根本にある倫理観が、日本では醸成されているとは言い難い。どこか「国際社会による押し付け」感のある、単なる「投資の動向」扱いにおわるのではないだろうか?

あれはエモーショナルな運動などだったのではない。いまの再エネ革命の基盤になる倫理観の共有だったのであり、いまは、その上での理論化であり、証明なのだ。そのことがわからない限り、いまの動きはわからないし、これからをリードすることはない。


日本の投資家はどこまでいっても風見鶏のままになるだろう。


押し付け感から生まれるものは「日和見主義」と「サボタージュ」である。


巨大な再エネ投資マネーが、地域をダメにし、日本の風景を変えてしまわないように願うばかりだ。


その接点は、この別冊を読んでも、全くわからない。


■経済産業省 有識者会議 2018年4月11日 東京新聞
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by eric-blog | 2018-03-30 13:13 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

We 2018年4/5月号 特集 「困りごとで地域を豊かに」

We 20184/5月号

特集 「困りごとで地域を豊かに」

3066冊目


西淀川が「公害」を中核にさまざまな地域づくりに取り組んでいたように、

https://ericweblog.exblog.jp/238100487/

この特集で紹介されている北芝は大阪府箕面市の被差別部落である。


弱者こそが人間的に生きることができる「持ち味」「わけあり」「がっつり生きる」などの必然性に迫られるのは、個人だけではなく、地域もそうなのだと改めて思った。人間的な地域は「困りごと」というか、差別や弱者を抱える地域なのではないだろうか。


特集「人が人として当たり前に生きていけるまちづくりを」池谷啓介さん、暮らしづくりネットワーク北芝


特集「定時制高校でひらくカフェの役割」鈴木健さん、川崎市「ふれあい館」


一方で、社会全体は「効率」を求め、働き方改革で長時間、生涯現役で働きづめになりそうな勢い。


人間的な営みは「弱さ」とともにあるようになるのだろうと思います。

個人的にも「課題」がないと、頑張る方向も見えにくいですよね。


我が家のトイレの壁に貼ってあるカレンダーは、今年は「脱原発秩父人」。3月は「まち遺したい深谷」を紹介しているのだが、ずっとずっと、「なんかつぶれそうだ」「なんか残す方向じゃない気がする」と引っかかっていた。「遺す」と「潰す」は偏が違うだけじゃないか。通りで。


水に流せは潰れ、道筋があれば遺るということか。


道筋をつけるのに、「課題」や「困り事」は補助線になる。


私自身は「環境」が地域づくりの補助線になると思って、「環境基本計画」の住民参加型ワークショップなどを行って来た。


しかし、「全員が当事者」というのは結局、コアになる担い手は不在になるだけだということがよくわかった。「コア」になるだけのこだわりを「当事者」として持つには、直接的な利害のある課題の方が、ニーズがあるから続きやすいし、また、問題解決に熱がこもる。


そんなことを、この特集を読んで思ってしまった。


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2018年4月2日



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by eric-blog | 2018-03-29 17:16 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

難民少年

難民少年

ベンジャミン・ゼファニア、講談社、2002

原著Refugee Boy, 2001

3065冊目

https://www.youtube.com/watch?v=_po6wrUGt1M


星野智幸さんのエッセイ集『未来の記憶は蘭のなかで作られる』の「コモン・ウェルス」は、著者が体験した小説や詩の朗読会についてだ。その中で衝撃的に紹介されていたのが彼である。


星野さんの本も、補聴器についてのエッセイが、きっとヒットしたのだろうと推測するが、経緯は忘れている。


そして、そこからこの人!


すごい詩人である。

たくさんのインタビューがあるのだが、「年齢が積もるとともにどんどん怒りが募ってくる」と言う。イギリス生まれのアフリカンラスタファン事象。

物語はエリトリア人とエチオピア人の間に生まれた14歳の男の子が主人公。両国の戦争のせいでどちらの国でも「裏切り者」と迫害され、両親は彼をイギリスに逃すことにする。


父親に連れられてイギリスに来た少年。すでに入国審査の段階でカバンの中身を全て調べられるという疑いの目を体験する。


一日、ロンドンの観光を楽しんだ翌朝、父は手紙を残して消えていた。


難民保護協会という民間団体に連絡が取られ、少年に会いにくる。


物語は丁寧に難民申請の手続き、その間の施設や里親の家族について、丁寧に描いていく。


わずか半年ほどのことが261ページにもなる体験。異文化の中で生き延びる少年の成長と、「アフリカ人」というアイデンティティの確立とそのためにと願う姿。


これは英語で読みたいかも。



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by eric-blog | 2018-03-29 09:21 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

ひといちばい敏感な子 子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、さまざまな個性を持っている

ひといちばい敏感な子 子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、さまざまな個性を持っている

エレイン・N・アーロン、一万年堂出版、2015

The Highly Sensitive Child, 2002

3064冊目


HSC人一倍敏感である子どもは、15-20%はいると今では考えられている。しかし、中にはADHDと診断されたり、対応されていたりする子どももいる。34


あなたのお子さんが人一倍敏感で、育てにくいと感じていませんか?


まずは、23項目でチェックして、13項目以上に「はい」だったらHSCの可能性がある。


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著者本人もHSCであり、HSCの親でもあるというこでもあり、また研究者として何千人もの人にアンケートをしたり、インタビューをしたりしたものをまとめたもの。


まずは、HSCの特性を知り、彼らを育てることは素晴らしい体験であることを認識し、どうともに生きればよいか、学校やその他の場所でどうサポートし、サポートを得ればいいかを丁寧に述べた本。


昔から医者や弁護士、芸術家、科学者などに多いタイプ。


トマスとチェスの「九つの気質」から見てみると  54

(1) 刺激への感度

(2) 活動性

(3) 感情反応の強さ

(4) 規則正しさ

(5) 順応性

(6) チャレンジ力

(7) 集中力・こだわり

(8) 気の散りやすさ

(9) 性格の傾向


これらの傾向を見るだけではHSCと結論づけることはできません。敏感さのタイプもいろいろです。70


  • λ身体面 感度
  • λ身体面 複雑性
  • λ身体面 反応の強さ
  • λ感情面 感度
  • λ感情面 複雑さ
  • λ感情面 反応の強さ
  • λ新しいものに対する敏感さ 以下三つは上に同じ
  • λ社会的に新しいものに対する敏感さ 以下三つは上に同じ


子どもの長所は何か、課題は何かをチェックします。72


親の対応によってこれらを伸ばすこともできるのです。


あなたの愛着型は「安定タイプ」「不安定タイプ」あるいは「回避がた」?

HSCは用心深く、警戒するのでなかなか安心することができません。柔軟で暖かく、行き届いた養育者が必要です。237


親が知っておきたい9つのこと。249


  1. 1.変化が苦手
  2. 2.時間がかかる、けれどできるようになる
  3. 3.問題の原因が体調不良ということも
  4. 4.不機嫌な時はストレスを取り除く
  5. 5.まだ幼い子どもだということを忘れずに
  6. 6.期待しないぐらいがちょうどいい
  7. 7.「子どもに選ばせる」のが自信につながる
  8. 8.一つずつ、優先順位を考えて
  9. 9.失敗や泥んこ体験が気持ちを楽に


時間を予告したり、見通しを立てたり、

目先を変えたり、タイムアウトしたり。


8章 幼児期 外の世界へ

9章 小学生時代


などなど。とても具体的。


DOES

depth of processing

being easily Overstimulated

being both Emotionaly and having high Empathy particula

being aware of Subtle Stimuli


人の気持ちに気付きやすい

危機予知能力が高い

深く考える


など、HSCの良い面にもしっかり目を向けること。


翻訳者の明橋さんによる解説はこちらから。
https://futoko.publishers.fm/article/17504/

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by eric-blog | 2018-03-27 13:45 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

そして官僚は生き残った  内務省、陸軍省、海軍省解体 昭和史の大河を往く第十集

そして官僚は生き残った  内務省、陸軍省、海軍省解体 昭和史の大河を往く第十集

保阪正康、毎日新聞社、2011

3063冊目


良き官僚は悪しき政治家である。マックス・ウェーバー


「米国の初期の対日方針」1945104日通達により内務省、陸軍省、海軍省を解体。


そこに関わった人々はどう思い、どう行動したのか。


陸軍省については、東久邇宮稔彦首相の同期生であった陸軍北支那方面軍司令官・下村定が陸軍大臣に823日に就任、26日にラジオ放送で「陸軍軍人軍属に告ぐ」を放送。17

軽挙妄動を控えさせ、混乱を収拾、解体に備えて布石となったと言える。


占領軍、軍人、そして戦争中の軍の横暴に不満を抱いていた国民。この三つの勢力のバランスを取ることが求められていた。24


1015日までに国内の軍人軍属の復員業務を完了。

民生復興のために陸海軍の保有資材を放出することを決めたが、不当不法行為が続出。28


1128日の国会では、「陸軍謝罪演説」を行なっている。陸軍の政治関与への責任は認めつつ、「軍人・軍属の功績を抹殺しないこと、なかんずく戦歿の英霊に対して篤き御同情を賜わらんことを」願った。30


「陸軍は近く解体しますのが、今後事実を持って過去の罪責を次ぐないことのできないのは洵に残念であります。」(下村小冊子より)


121日にはそれぞれ復員省に改編。



軍人に対する文民、国民の目は冷たかった。44


敗戦によって自決した人々も多い。『世紀の自決 日本帝国の終焉に散った

人びと』(昭和4381日刊)


藤本弘道『陸軍最後の日』(新人社、昭和2012月刊)にはO大佐として親泊朝省の自決について、自己批判の遺書を示している。87


もちろん、責任を回避しようとする幹部はいたのだが。


内務省は特高警察の元締めであった。しかし、彼らは、明治以来、治安維持に力を発揮してきたという自負を持っている。136


海軍は米内光政大臣が留任。「海軍戦争検討会議」を開いて「なぜわれわれは陸軍の強硬論に巻き込まれたのかを議事録として残そうとした。203


結局、米内は東京裁判で裁かれることはなかった。214


陸海軍は解体したが、軍隊は必要だとGHQは思っていて、「警察予備隊」を編成。旧軍の軍人グループを排除する形で立ち上げた。280


後藤田正晴は「いかなることがあっても日本はオーバーシー用の武器はもたない、装備はしない・・・後方部門は削ってしまった。」282


旧軍良識派を予備隊に入れる動きもあった。283


そのような内務省官僚の人たちの意気込みを見ていると、「内務省という組織は解体したと言ってもその国家観は現在までも伝わっているとの思いがする。」296


防衛官僚である海原治は『日本防衛体制の内幕』(昭和52)で、防衛庁の「伏魔殿」的体質を語っている。一旦旧軍の利害に関わることになると、執拗に攻撃されるのだ。297


「あとがきに代えて」で著者は長妻昭氏の発言を紹介しつつ、「政治家と官僚が会食をすれば、勘定は政治家もちが不文律」303


官僚は接待される側。


「閣僚在任366日は『役所文化』との闘いだった」(長妻昭、毎日新聞、20101111日、11)


官僚は、その人的ネットワークと、旧省の利害という点で、生き延びたのだ。



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by eric-blog | 2018-03-27 10:18 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)

すべての当たり前に背いて It's OK Not to Share!

すべての当たり前に背いて

It's OK Not to Share and Other Renegade Rules for Raising Competent and Compassionate Kids

https://www.lifehacker.jp/2018/03/162886what-to-say-to-little-kids-instead-of-say-sorry.html

3062冊目


• It’s OK if it’s not hurting people or property
Bombs, guns and bad guys allowed.
Boys can wear tutus.
Pictures don’t have to be pretty.
Paint off the paper!
Sex ed starts in preschool
Kids don’t have to say “Sorry.”
Love your kid’s lies.


日本語訳はこちら

https://www.lifehacker.jp/2018/03/162886what-to-say-to-little-kids-instead-of-say-sorry.html


Renegade: 背教者

kindle版での初読書!使いやすさに感動しました。



29 Renegade Rules:29の背徳的原則


セクションI: 自由な遊びを取り戻す

ルール1. 遊びを盗むな

ルール2. 人やモノを傷つけない限り、なんでもあり

ルール3. 子どもにケンカは必要だ 対立上等


セクションII: 感情はワイルドだぞ! 野生的な感情

ルール4. すべての感情にいい悪いはない。しかし、すべての行動にいい悪いがないわけではない。

ルール5. 子どもに蹴ったり叩いたりさせよう

ルール6. 「お前なんか大嫌いだ」を個人的にとらない

ルール7. あなたのお子ちゃまからの聞き取りをしっかり

ルール8. どうぞ、ご自由に:赤ん坊が嫌い? いいじゃん。


セクションIII: 人や玩具を共有する

ルール9. 独り占めするんだ

ルール10. 一日中、そのオモチャを抱きしめさせて挙げて

ルール11. ここじゃあ、みんながみんな友達ってわけじゃないよ

ルール12. 遊ばない。いいよ。

ルール13. 「女子禁止」の札かけちゃおう!

ルール14. 絶対に嫌だ!


セクションIV: 走り回れる部屋: 子どもたち、パワー、行動

ルール15. 椅子禁止。Not Tag

ルール16. 子どもに権力を!

ルール17. 友達パンチ

ルール18. 爆弾、銃、悪党大歓迎!

ルール19. 男の子もチュチュが好き


セクションV: 創造力、集中力、空疎なお世辞

ルール20. 絵が綺麗でなくちゃならないって誰が決めたの?

ルール21. 紙からはみだすぞ

ルール22. 「いいね」の安売りを辞める


セクションVI: 汚い言葉、行儀の良い言葉、そしてウソ

ルール23. 子どもに「ごめんなさい」と言わせない

ルール24. 悪態ついて、なぜ悪い?

ルール25. 子どものウソって最高じゃない?!


セクションVII: ちょっとセンシティブな問題もあるよね

ルール26. 性教育は幼児期から

ルール27. 死んだ鳥と友達に


セクションVIII: 現実世界で背徳の原則を貫く

ルール28. 園庭で敵をつくる

ルール29. バカでトンマでドジでまぬけでいいじゃないか



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by eric-blog | 2018-03-26 17:11 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)