人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大学改革 日本とアメリカ

かくたです。
                      2004年6月9日配信
---------------------
45-3(189)
大学改革 日本とアメリカ
舘 昭、玉川大学出版部、1997

10
1991年(平成3)の大学設置基準改正からカリキュラム改革が始動した。
改革の中心は旧一般教育などの専門外の教育
11
教育研究組織のあり方の改革は教養部の廃止や新構想の学際的学部の新設が中心。
改革の背景は、学術の高度化・多様化、社会の国際化・情報化、学生層の知的・文化
的変容、生涯学習の要請、18歳人口激減
大学に関する関心が「入り口」から「内容」へ

12
「教育課程」規定の意義
13
旧基準が「はじめに授業科目ありき」だったのに対して、「はじめに教育課程ありき」
に個々の授業科目は、教育上の目的を達成するために、体系化された教育課程の一部
としてあることが示された。
入試の多様化、高校教育課程の改革、さらには進学率の上昇による入学者の学力の多
様化、編入学生の増加、社会人学生のもつ多様性、単位互換の活発化、学外の学習成
果の単位認定、学生の主体的な履修選択の振興、あるいは大学院進学者の増加、その
どれに対しても、個別の授業での教師のばらばらな努力だけでは対応しきれない。
協力して教育課程を設計し、運営する
教科書や教材の共同開発

14
学士教育と学士課程の意味
学部は横の分類概念であり、専門分野別の組織という意味あいしかない
議論すべきは学士教育のあり方
学士=大学4年課程の修了者に授与される学位。
専門
一般
技能

28
大学制度における教養概念

48
ハーバード大学では1970年代の末に一般教育を強化する学部教育改革を断行した
・宇宙、社会、人間についての知識、理解のための批判的認識力を持つ
・道徳的、倫理的問題について理解し、体系的に考える経験をもつ。判断を下す能力
・正しいマナーと高い美的、道徳的水準をもつ。
・広い世界への配慮
+ある分野での深い理解

49
日本の場合、学校教育法は高等学校を高等普通教育および専門教育の機関として規
定(第41条)
・国家および社会の有為な形成者としての資質
・社会における使命の自覚と個性に応じた進路
・社会についての広く深い理解と健全な批判力と個性の確立
小中の普通教育の目標(第18,36条)
アメリカの大学一般教育と、日本の高校教育は極めて類似している。
57
アメリカのジェネラル・エデュケーションは一般教育という特別の訳を当てはめるべ
きものではなく、初等、中等の普通教育に続く高等普通教育と位置付けるべきである。
大学で行われているからといって、そのレベルが中等学校で施される日本を含む他の
国々のそれより必ずしも高いわけではない。
初等、中等、高等を通じて普通教育重視の風潮がある
58
日本の大学に高等普通教育の義務がないわけではない。幅広く深い教養、相互ウェブ
サイト的な判断力、豊かな人間性という目標は、その点を踏まえることなしには達成
不可能。



現代英国の宗教教育と人格教育
柴沼晶子、新井浅浩、東信堂、2001
PSE=Personal and Social Education=人格教育
by eric-blog | 2004-09-03 11:01 | ■週5プロジェクト04
<< 参加型開発 からだの知恵−この不思議な働き >>