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インフォコモンズ

272-4(1223)インフォコモンズ
佐々木俊尚、講談社、2008

情報公共圏、インフォコモンズ
著者の造語である。

インターネットの世界は、中間共同体マジックミドルによって情報の質・内容も、量も劇的に変化してきている。中間共同体というのは、私的なやりとりから、全体に対して発信される性質のものの、間の情報共有集団・集合のことだ。

私的な手紙やメモは、無関係な他者に読まれる恐れはほとんどなかった。パーソナル。
日本国民を対象にするテレビや新聞は、そのメディアを所有する人や発信する人が限られていた。マス。

その間がマジックミドル。

個人の日記がインターネットで公開され、ニュースの発信者も多様になった。

結果、インターネットには情報があふれ、ADT注意欠陥特質という情報過多の中で引き起こされるストレス症候、前頭葉のパニックも起きている。12

カリフォルニア大学バークレー校の「情報量はどれぐらい?」というレポートでは、一人当たり、18エクサバイト、本5000冊分の情報が日々流れているという。

1000ギガバイトGB=テラバイト
1000テラバイト=ペタバイト
1000ペタバイト=エクサバイト

1ギガバイトは10億7374万1824バイト、1000メガバイト。

限られた情報処理能力に対して、どのように効果的に働きかけられるか、その工夫が、グーグルのような検索エンジン、そしてリコメンデーションなどの「個人の購入行動」のパターンの関連づけプログラムが生まれた。暗黙インプリシット・ウェブ。74

ある個人の個人情報を得るのではなく、行動からその個人のこれからを予測し、レコメンドできるようにするというわけだ。

また、ソーシャル・ネットワークのようなインターネット上の「仲間」コミュニティも生まれ、日本ではミクシィが人気だ。

しかし、信頼のおけるコミュニティでは、ある個人は特定されてしまう。これからは複数のSNSを人は欲するようになるのではないか、というのが著者の考えだ。

うーーん、すでに、インターネットの世界は、生身のわたしの形成するコミュニティとは別世界だと思うのに、人の存在はどこまでの複雑に耐えられるのだろうか?
by eric-blog | 2008-12-18 08:53 | ■週5プロジェクト08
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