272-2(1221)大恐慌の子どもたち 社会変動人間発達 新版
グレン・エルダー、明石書店、1991
Children of the great depression - social change in life experience, 1974
1986年の新版。
1920-21年生まれの人々を対象に、経年的に1960年代まで継続してさまざな手法で調査をしたものの総まとめ。すごい労作であり、375ページの大著だ。
何をどう紹介すればいいのか。
経済的圧迫が家族や子どもにどのような影響を与えるか、経済的な危機にあって、子ども、特に長子が「早く大人になる。」つまり経済活動を開始し、大人の仲間入りになる。
「母親」になるというような女性の期待から来る「結婚」と「出産」は延期される。249
伝統的な家族体系から友愛家族への移行なのか、それとも家族の崩壊なのか。344
剥奪家庭の少年が社会的達成を強く志向し、それは学歴や地位、大人びた行動などとなって表れるというのは、N.N.に重なる。
少女は、家庭を経営し、結婚により社会上昇を果たす。
いま、子どもをかかえた家庭が、追いつめられている状況にも重なるなあ。