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「気になる保護者」とつながる援助 「対立」から「共同へ

236-10(1157)「気になる保護者」とつながる援助 「対立」から「共同へ
楠 凡之、かもがわ出版、2008

「気になる」シリーズの二冊目。

保護者自身にもアスペルガー症候群、あるいはうつなどの障害を抱えている人はいるということ。(教師の中にも)
「気になる」子どもへ現れていることは親や家庭環境の現れであることが多いこと。

著者は、アスペルガー症候群やAD/HD、その他の第一次障害に対する無理解と、それらの条件が、現在の競争的・個人主義的社会の中では不利になる、あるいは無理解からくる排除や抑圧などによって第二次障害を受けてしまうこと。結果、その人らしく生きることが阻害されるだけでなく、わたしたちの社会もより大きな病理を抱え込むことになることに危機感をいだいています。

この危機感はわたしもまったく同感です。健常スペクトラムの側にいると、確信できないのは、『家庭の医学』を読んで病気じゃないかと思う感覚を思い出しました。

人間についての理解が深まることは、差別的なレッテル貼りにつながるのではなく、よりよい関係を築く力になるはずです。

カテゴリーは、手だてを立てる時にのみ許される。

「気になる保護者」の五つの諸相を読みながら、その背景を読み解こう、相手を認めて、手だてを探そうとする著者の姿勢に、感動しました。

とはいえ、できないこともあること、限界も、しっかりと認識しつつ、示しつつ、努力できることを明示されているのが、とても共感できました。

きづつきと生きづらさを「つながる」力に。

「病理」と「現場」がていねいにつなげられている視点とバランスが素晴らしい。

学校が子どもたちの最善の利益のための共同の場へ、なれる力になる本だ。
by eric-blog | 2008-08-23 07:27 | ■週5プロジェクト08
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