208-3(1003)宇宙エレベーター こうして僕らは宇宙とつながる
アニリール・セルカン、大和書房、2006
機内誌って持ち帰らないですよね? ご自由にどうぞ、と書いてありますが。
わたしはANA派、というか、JAS派だったのが、JASがなくなって、ANAになったという人で、機内誌は、ANAのが好き、という人です。でも、今回のSkyward、アイラ島のスコッチ、屋久杉、トルコの三点セットの特集。持ち帰ってしまいました。特に、トルコのセリミエ・モスクなどオスマン・トルコ帝国時代のモスクなどを手がけたミマール・シナンについての記事は、建造400年を経て、立て替えようとしたらそこから設計者であるシナンからの手紙が発見されたというもの。いいなあーーーー!
ブルー・モスクそのものもいいが、それが一人の天才によって可能になったというのがすごい。「400年前からの手紙」
しかし、どんなに検索しても、シナンについての本も、モスクについての本も、出てこない。この記事の著者にでも当たるか、と思って二冊の本があった。一冊がこれ、もう一冊の『タイムマシン』は貸し出し中で、予約。
セルカン・アニリール
うーーーん、この人をなんと紹介すればいいのか。
ジュニア・アルペンスキー、トルコ代表。
9歳の時に作った自然エネルギー活用型サッカースタジアムの模型で小学生科学コンクール優勝者。
そして、その才能によってスイスの寄宿学校へ留学。
NASAの「宇宙エレベーター・シンポジウム」で、NASAチームが32000キロ上空の静止軌道までの宇宙エレベーターを提案する中、低空の静止軌道までをシャトルで、そしてその始点から終点の静止軌道までの宇宙エレベーターを提案し、2062年に実現可能とするNASAチームに対して2018年に実現可能だと主張。
トルコからの初の宇宙飛行士候補になり、訓練を受ける。
現在は、東京大学の研究所で、「インフラに頼らない住環境」をデザイン中。インフラ・フリーというのは、独立系生命圏。
なんとも多才な人なのだが、坂本龍一さんもご推薦。
それらのことだけではなく、この本にはシュメール文明と、その他の文明の「神話」の共通点から、人類史そのものにも迫るというマルチぶり。
カーボンナノチューブの開発が、宇宙ステーションの開発の条件であったり、ナノとマクロ、古代と未来、太陽とわたしたち。両極を行き来する知性こそが、未来を拓く。
いやあ、でも、シナンについてはもっと知りたい!!!!