日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか

176-6(842)日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか
星川淳、幻冬舎、2007

星川さんがグリーンピース・ジャパンの事務局長になったのは2005年のことだ。ディープエコロジストで知られる彼と「科学的環境保護論争」を展開した例えばジェレミー・レゲットなどとは、どのようなコラボレーションを行うのか、とても興味がひかれていた。

しかし、意外や意外、星川さん、こんなレポーター的な文章が書けるんだア。

もちろん、1992年のハワイで、そして屋久島での「いつもとちがう回路」でクジラやイルカとつながる感覚の体験が、「クジラとの約束」として、このような本の執筆にもつながっていることは、星川さんのお約束だ。

「目からうろこ」間違いなし、という前書きだが、水産庁捕鯨班、日本鯨類研究所=共同船舶、遠洋漁業研究所のトライアングルで推進されてきている構造的なところは、決して目新しいものではない。

10年前からの変化としては
・2006年、共同船舶の株をすべての民間企業が手放した。「捕鯨に関わること自体が、経営リスクにつながる」86
・2001年、『日本沿岸捕鯨の興亡』近藤勲、山羊社、という暴露本が出た。
が最大のところだろう。

水産庁捕鯨班という、遠洋漁業の「既得権」にしがみついているような部署の、それも特殊な捕鯨という利権だけに5名プラス外務省役人2-3名という陣容。
共同船舶という貸船業会社に捕鯨船を運用させ、その会社の株を捕鯨に従事していた水産会社が保有。政府も出資。
鯨類研究所も遠洋水産研究所も御用学。

何から何まで国策がらみの日本の捕鯨が、1980年代以降の地球益の主張にどう応えるのか、どう応えてきたかの歴史がここにある。

虚偽申告あり、票買いあり、お手盛り科学ありの国策は、他にもなかったかな?

何よりも、著者の息子さんが漁業者となって、いまの海の砂漠化を目撃している危機感についての記述が胸に痛い。わたしが子どもの頃に見たあの海は、本当に、もう、どこにもない。地上の公害対策や緑化とは違う、そして地球温暖化対策とも違う対策が海のよみがえりのためには必要なように思う。

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by eric-blog | 2007-04-07 13:47 | ■週5プロジェクト07 | Comments(0)
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