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天声人語 1973.4-1975.11

159-1(760)天声人語 1973.4-1975.11
深代惇郎、朝日文庫、1981

図書館のリサイクル本で入手したのだったか。そのわりにはフィルムもかかっていないし、不思議。

ちょうど、わたしが交換留学生で米国に行っている間のことをカバーしているので、ちょっと読んでみた。というのも、帰国してから、なんだか、回りと話しが合わないなあというのが実感で、一年間、時代の空気を共有していないと、こんな感じになっちゃうんだなと思った覚えがあるからだ。

小野田さん、横井さんが、ジャングルから出てきたというのも、この頃だったんだねえ。ソルジャニーツィンの「収容所列島」とか追放とか、金大中の拉致事件とか。

教育に関することでは、
・暗記ものについて、田辺聖子さんを引いて「すぐれた古典の一節を暗記させる」ことの意義 74.2.12
・江崎れおな博士が「日本の社会は、創造的な人間を必要としているのですか?」と、創造性がのばしにくい社会ではなく、必要としていないのではないかと。74.3.19
・靖国神社法案について、「国家神道を単なる一宗教でなく、国家宗教に仕立て上げ、全国民に強制した暗い過去」を思い出しつつ、「近代国家とは、個人の信仰や良心の領域に政治は立ち入らないという政教分離への脱皮だったとさえ言える」と。74.4.14
・日教組のストについて、964箇所、16万人の先生が警察に取り調べられた、と。74.5.25

ずいぶんな時代の転換点に、米国の民主化、教育の人間化の空気を吸い、触れていたのだなと改めて驚く。道理で、ずれているはずだ。
by eric-blog | 2006-12-02 16:35 | ■週5プロジェクト06
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