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高木学校20周年「市民科学への道」報告集

高木学校20周年「市民科学への道」報告集

3379冊目


20181215(土曜日)に開催された20周年記念イベントの講演などの記録集である。


マイケル・シュナイダーさんの講演「市民科学から政策実施へ」

端的に、市民科学というのは政策につながる科学なのだと。持続的な変革の元になる。


『世界の原子力産業現状報告』(WNISR)2007年発刊、年次報告書。


環境保護を弱め、後退させる動きがある現在、市民科学の展望を考える必要がある。


フランスの黄色いベスト運動はガソリン税、すなわち炭素税の増税を阻止した。

どいつも温暖化ガス排出量の目標を達成できていない。


高木学校を継続していけるようにするために資金確保が大切。


NPO法人市民科学研究室 上田昌文さん p.61


上田さんは市民科学を四類型で整理している。

1. オープン・サイエンス: 多様な関係者の参入と協力でなされる科学研究

2. クラウド・サイエンス: 専門的なデータの収集や分析に多くの市民が人海戦術的に関わって協働するする科学研究

3. DIYサイエンス: DIYバイオのような小規模だが、市民が自前で行える科学研究

4. 社会問題解決型の市民科学: 批判的対抗的な科学データを出し、社会変革の契機を作るための調査研究活動


高木学校に求められるのは4つ目だという。そのために「調査力」「メディアへの訴求力」「育成のシステム」

「教育現場とも連携して、科学的好奇心と(科学技術危害が絡んで生まれる)理不尽さへの反発(弱者への共感)をどう結びつけることができるか」

「社会的な問題への意識と、政治的意思決定への参画の意欲を底上げしていく」64


「これまでの理科教育が「社会的問題意識の真空地帯」でなされてきた」


科学を知るために科学を学ぶのではなく、「生活をよりよくするために今の科学を見直す、そのために科学をマナフ」方向付け。


・子ども料理科学教室

・放射能リテラシーワークショップ

・キッズ・ラジスタ

などの活動をしている。


身近なところから好奇心、よりよくしようという社会性、自分で調べる手法を身につけるなどの市民調査の基礎力などのプログラムはいくらでも開拓できる領域。64


科学が権力に支配されている21世紀。学問の自由も大学の自治も踏みにじられている。その中で科学者が生きている。


科学に階級制が生まれている。支配と被支配。という問題意識。



by eric-blog | 2019-08-29 14:54 | □週5プロジェクト2019
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