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なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白

なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白

東小雪、講談社、2014

3316冊目


子どもの頃から踊りや演劇に、まるでステージママのような母親に付き添われて打ち込んでいた。父親は金沢ではちょっとは知られた演劇人だった。


彼女が自分自身を同性愛者だと自覚したのは高校の時。子どもの頃から仲が良かった女友達に「女の子が好き」と打ち明けられ、自分もそうだということがわかった。


宝塚音楽学校に入り、卒業。20053月、デビュー。しかし、入団初年の「最下の仕事」と舞台に立つプレッシャーとで12月には退団。自傷と薬への依存が始まる。


2011年、母親との関係に悩んでカウンセラーを訪れたときに、「性虐待の経験があるか」を確認された。まさかと否定したが、その時に自覚した。あれは性虐待だったのだと。


性虐待についての本や資料を読み漁った。


幼い頃から夕食前の時間に、父と風呂に入っていた。中学生まで続いたその習慣。挿入があったのは小学校2年生の時。学校に行けなくなった。解離が起こっていた。体に異変が現れた。それでも、母親は気づかないふりを続けていた。


そのことの記憶が蘇った。


いま、彼女はパートナーを得て、子どもも人工授精で、知り合いのゲイカップルから提供をうけて持ちたいと思っている。同性愛婚を認める制度も整いつつある。


制度が整っても、同性愛に対する社会の偏見は無くなったわけではない。

偏見がある限り、自分自身を抑圧する二重の差別は続く。制度を利用するまでの葛藤が、彼女、彼らを阻む。


告白して得たものは大きい。失ったものは過去のものだ。得たものがこれからの未来を開いていく。


なかったことにできない。それが現実だ。




by eric-blog | 2019-05-20 12:15 | □週5プロジェクト2019
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