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Visions of the Future why we need to teach for tomorrow

Visions of the Future why we need to teach for tomorrow

David Hicks and Catherine Holden, Trentham Books Limited, 1995

3313冊目


言わずと知れたヒックスさん。ERICの最初の出版物『ワールド・スタディーズ』の著者である。


この著書の参考文献に乗せられているだけでも1990年『ワールド・スタディーズ8-13』、1993年論文, "Educating for the Future"1994,"preparing for the Future"1994と軒並みに出版されている。


当たり前のことかもしれないが、英語圏の著者たちは自分たちの本が翻訳されることに高い関心がある。「印税」収入も老後の備えだ。「株」についての考え方も当たり前に身についていて、大英帝国を感じさせる。


「普通」のイギリス人が海外に出た途端「上流階級」とみなされてしまう姿についてはこの本がオススメ。

https://ericweblog.exblog.jp/9637002/


もちろん、「著者」たちは他の言語から英語に翻訳することなど考えない。最近では日本語の本も結構翻訳されるようになってきたのかもしれないが。


英語の世界が、"What the world can share"、世界の流れを作り出す。日本から世界へのインプットや貢献は少ないまま、「日本は独自なのだ」というような立場を取るのも意識過剰だが、相互的ではないことは確実だ。


ヒックスさんたちの主張は、オーストラリアのジョン・フィエンさんらとも同じで「教育は社会を変革する」transformative educationの考え方に当たる。そのために「未来のための教育」であり、「未来」のビジョンを知ることも、大切になってくる。これは、ESDのコンピテンシーの中にも「未来予測的コンピテンシー」として取り入れられている。WSから30年近くが経とうとしているが、国際社会の合意は整った。これからはそれらを点検の視点として、日本でどのように「未来」を創り出す力を教育によて育てていけるかを考えるということだ。


p.8 教育思想の三つの立場


Conservative保守派

学校は生徒を仕事の世界のために準備する。現存する社会、経済、政治的構造を維持し、正当化する。定型的な学級環境と教科教授法、知識の直接的移転、教育目的:あなたの場を知ろう。


Reformative 革新派

学校は生徒が社会改革に参加するように準備する。非定型的で個別化教授を採用した学級。教科の枠組みは緩やか。学びを人中心で活性化する。教育目的:あなたが誰かを学ぶ。


Transformative 変身派

学校と社会は互いを映し出す。能力が異なる学習者が混じったグループ作業、学校とコミュニティの間の境界線が柔軟。教師はリソースパーソンである。学校は社会的政治的経済的不平等に挑戦する役割を果たす。教育目的: 自分自身と社会を変身させる。


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p.9 1.2 イシューを取り上げる


1. イシューとは何か

ある一つのイシューについて、わたしたちが考え、感じ、希望し、恐れることはなんだろうか? この問題に関わる他の人はどう考え、感じ、主張するのか?


2. どのようにして起きたか?

なぜわたしたちや他の人たちは、そのように考え、感じ、行動するのだろうか? わたしたちや他の人たちに影響を与えているのは誰か、何か? この状況の歴史は何か?


3. 誰が得をし、誰が損をするのか?

この状況で誰が力を持っており、彼らはそれをどう使うのか。その力は誰かに有利に、そして誰かの不利に使われているか。どのように?


4. わたしたちのビジョンは何か?

もっと正義、平和、持続可能な未来においては、物事はどのように見えるだろうか? わたしたちにとって、そして他の人たちにとって。わたしたちの選択を方向付ける価値観は何か。


5. 何ができるか?

わたしたちに開かれた行動の可能性は何か? すでに取り組んでいる人はいるか。より良い未来のビジョンをもっともよく獲得できるのは、どの選択肢か。


6. どのようにして成し遂げるか。

わたしたちの行動計画を、学校で家で、地域でどのように実践するか。どう協働するか。誰の助けが必要か。成功をどのように測るか。

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p.147 8.1 未来を取り戻す

いつ、どこで、わたしは学生たちに次のようなことを奨励しているだろうか?

1. 21世紀が近づいている中、彼らが未来に対してどんな感情を持っているか?

2. 地球サミットで語り合われたような決定的に重要な環境や開発問題について学ぶ。

3. 現在のグローバルな動向が21世紀における彼らの生活にどのような影響を及ぼすかを議論する。

4. 未来について、様々な声を聞く。ユートピア的な、あるいはフェミニスト的、先住民、第三世界からの声など。

5. 地域のそして地球の持続可能な開発の必要性とそのあり方を探る。


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by eric-blog | 2019-05-16 09:32 | □週5プロジェクト2019
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