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ERICニュース638号 2019年4月9日

◆◇◆◇ 1.  TEST問題 五つの「みんなの頭で考える」小論文課題 ◆◇◆◇

 

 TEST19 at 千石は、こぢんまりと4名で実施。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 記録はこちらにアップしました。

https://ericweblog.exblog.jp/239168586/


 TESTは最後の最後が面白い。「ファシリテーター・ミーティング」とか「ふりかえり」とか。

 今回は久しぶりに参加することができたCS当事者のKさんと、終了後二時間ぐらい、様々な課題について話し合った。


ひょうたんから駒!


TEST問題を作ろうということになりました!


 TEST というのはTeacher's Effective Skills and Training 教育力向上講座の略称ですが、ちょっぴり嫌味な名付けでもあります。いつもテストをしている側の方々をテストしてやろうというような。


 収活の過去整理の中で、これまで2000年3月から始めたと思っていたTESTが実は1998年3月から始まっていたことが判明。もう20年+1の歴史があるのですねぇ。ま、しかし、TEST19の名称はそのまま、+2を覚えておこうと。


 最初は、三日間、9セッション。しかも、各セッションごとに担当制だったのです。その時、本当に「フラット」に、検討できていたのかどうか、今となっては疑問ですね。パワーの問題は本当に難しい。そのうち、その頃のTESTの内容もご紹介いたしますね。


 TEST20+1周年、ERIC30周年を記念して「TEST問題」!


 参加型は、「顔と顔を合わせて」が基本だけれど、そこには常に「パワー」の問題が働いてくる。逆に課題について「書く」ことから始まる共有があってもいいのではないか?


 というより、もっとみんなの考えが知りたくなった! 文章にする、思いを言語化し、共有するのも、遠距離感覚器の活用としていいのではないか?


今回のTESTの中で「引用度」の高かった言葉、引っかかりのあった言葉を核に、あなたならどう考えるだろうか? ぜひ、知りたいと思いました。


課題は五つ。


課題1 「教育的指導者養成講座」などと言いますが、「育成」「形成」「促成」などとの違いを述べよ。


課題2 TEST19で取り上げた「援助の4側面」それぞれの特徴と課題を述べよ。


課題3 社会的提言活動=アドボカシーと当事者本人への支援やエンパワメントの間の望ましいバランスについて述べよ。


課題4 「背徳的原則」が問題提起しているように、ルールやマニュアルを守っていればそれでいいというような傾向が見られる。ルールやマニュアル、ガイドラインの落とし穴について述べよ。


課題5 「文明病」の痛みは誰が引き受けるべきかについて述べよ。また、あなたの思う「五大文明病」をあげるとすればどのような文明病が考えられるでしょうか?


課題1は、セッション5にいたって共有された二つの問題意識から考えました。一つは、いまの人材不足で「促成栽培」のようにマニュアルで育てられる教員たちが「スタンダード」に縛られている現実。もう一つは「アドボカシー」などのスキルアップに殺到する現実。「力」を身につけたい、力比べのようなことがファシリテーターの間に常にあるのではないかという問題。そんなことを、これらの用語の比較分析から考えることができるのではないかと思いました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190321-00010000-kyousemi-soci&fbclid=IwAR2efv3fuU_9DfHaIjUCVjy_WbHSBVS9dy9bWv6M8KeGFJ3kEP44MW7FYYE


課題2は、まんまですね。皆さんはこれらの四側面について、どう考えますか? そして、教育的指導者はどの象限に入るのか、入らないのか。何か、軸が足りない気がしています。


課題3は援助の四側面の「社会的・客観的」証言の活動をアドボカシーと呼ぶとすれば、その活動の担い手が、当事者支援や当事者エンパワメントから、なんだか遠くなるような気がする。それはなぜか。そこにもやはり「パワー」の問題が絡まってくるような気がしています。


課題4は課題1とも関係しますが、マニュアル対応以外の対応ができない感覚の人が増えている気がしています。それはなぜか、そしてそのような人々が増加することの社会的意味を考えたい。


課題5は、CS当事者からの「知りたい」です。文明病という概念と、文明の闇や影を押し付けられている人々への共感はどうすれば得られるかを「知りたい」のです。


応募いただければ、「カナリアハウス一泊」!

入選すれば、ERIC主催研修のいずれかへの参加資格。


ぜひ、ご応募ください。


■TEST19の「みんなの頭で考える」五つの課題と補助線

1. 「フラット」ファシリテーター

『いっしょにESD』にも紹介した「日英のコミュニケーション・スタイルの比較」を補助線として活用。

外国人とのコミュニケーション、J.V. ネウスプトニー、岩波新書、1982

 Communicating with the JapaneseJ.V. Neusutpny, The Japan Times, 1987


2. 支援者の4類型

援助対象の4側面を補助線に。

https://ericweblog.exblog.jp/238882396/


3. 「好かれなくていい」広河さん問題 パワーと合理的配慮。

去年のTESTで「話し合いの心がけ」を考える際に参考にした「It's OK not to share」がどうにも強者の論理に思えて、では「力の格差」に対してどう配慮すればいいのか、広河氏ばかりが発表の機会を得続けることへの違和感が拭えない。

https://ericweblog.exblog.jp/238422900/


4. 「女の子」のエンパワメントの課題 【ワークシート】

https://ericweblog.exblog.jp/239151893/

3の課題と絡めて、弱者のエンパワメントの課題とも共通点があるのではないか。


5. 安心社会と信頼社会

3,4,5の課題の弁別性が低いと感じるのは、共通根が横たわっているからか。

 すでに、ERICの研修では「いじめの構造」などで「安心社会」「信頼社会」の概念を使って、「誰が傍観者になりやすいのか?」「いじめに加担する人の特徴」などを分析して来ています。




by eric-blog | 2019-04-09 12:55 | ERICニュース
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