憲法と民主主義の論じ方
長谷部恭男、杉田敦、朝日新聞出版、2016
2797冊目
朝日新聞での連載に載せられなかった内容も含めて収録したもの。
京城帝国大学の尾高朝雄(ともお)を隊長と呼んだことがある。
これからの政治状況次第では、長谷部さんも「隊長」として振る舞わざるを得なくなるだろう、と杉田さんは前書きにいう。
対談としては、とてもよくまとまっている、にもかかわらず読みやすく、論点が一つずつ明確であり、そして、2人の間の相違もはっきりと自覚されつつ、話がススンで行く。
話題も広い。
憲法について論じるということの視野が示されていると言える。章立てのみ。
- 1.立憲主義
- 2.砂川判決
- 3.誰が決めるのか ポジティブリストとネガティブリスト
- 4.低成長時代の政治
- 5.選挙
- 6.積極的平和主義
- 7.セキュリティ問題 内閣法制局の役割
146ページ。政府の変質、だんだんトーン。
集団的自衛権は9条の改革なしでもできてしまった。
しかもその判断は政策判断でできちゃった。
行使するにあたっても、憲法改正の必要はない。
ますます憲法改正は必要なくなっていないか?
そして、憲法違反を言い続けることの意味はなんだろう?