ERIC NEWS 617号 at/from ERIC ともによりよい質の教育をめざして  2018年11月4日

◆◇◆◇ 1. プロジェクト・ネクスト「文明病=現代を読み解くイシューとコンピテンシー」2 ◆◇◆◇

 「ERICのミッションは何か。」引越しに当たって、収活、収束しつつ、次の展開を考えるために、ビジョン、ミッション、アクションの再定義、再整理を行なっています。何をすべきで、すべきでないか、NPOとして何ができて何ができないか。

 国際理解教育のミッションはユネスコの定義にある通り、「人類共通の課題について問題解決に取り組む人材育成」です。

 と定義しても、そもそも国際理解教育では何が課題で何が課題でないかと考えると、課題でないものはない。ERIC設立当初に行なったワークショップで出た答えは「全てが国際理解教育の範囲だ」と言うことになり、絞れない。と言うことでした。ERICがいちばん最初に翻訳した『ワールド・スタディーズ(WS)』の衝撃はその扱っているイシューの幅の広さと、学習者にとってのレリバンス(関連性)の高さだったのではないでしょうか? 加えて、WSは世界の読み解き方として「基本概念」と言う考え方を提示していました。

国際理解と言うと「国際政治」や「グローバル経済」と思ってしまいがちな私たちに、南北格差をバナナや身の回りのモノなど、身近な問題として理解し、かつ、その歴史的背景である「ヨーロッパの世界支配」と関連付けて見せたのです。その上で、より「フェア」な、公正で、かつ結果としての配分の正義が実現している社会と言う理念を共有しようと呼びかけたのです。

 同時に、そのような理念というのは「わたしたちの家庭から始まる」ということ、家庭内での役割分担などの「関係性」を根本的なところから問い直し、WSの基本概念は、すべての行動原理として一貫性を持って実現されていかなければ、社会的実現にはならないのだと教えてくれているのです。

 その後に翻訳した『地球のみかた』は、まさしく、1980年代に開発されたWSには十分取り入れられていなかった観点、「環境」も視野に入れたイシューの整理に成功しています。

 1970年代、80年代から環境保護活動に関わって来たものとしては今更のような「プラスチック」騒ぎ。この「出口なし」の廃棄物問題を、私たちは「国際的な課題」だと、当時から考えていたけれど、実はまだまだ「途上国」が先進国の「出口」であるかのような経済的な解決が問題解決を先延ばししたのです。

 いままた、買い物袋の有料化などの施策が検討され始めていますが、まるデジャブ、既視感にめまいすら覚えます。何かが、根本的に変わらなければ、わたしたちは同じ間違いを繰り返し、そして、間違いだと悟った時には、最初に気付いた時よりも、状況は悪化しているということになるのではないでしょうか?

 わたしたちの文明のあり方の何かが「病んでいる」ように思います。森のフンババを追い詰めた文明、新世界を追い詰め収奪した文明、地球環境を収奪し追い詰めている文明、そして、わたしたち人間の体内環境すら追い詰め始めている文明。

 ESDは価値観の教育だと言われます。わたしたちの価値観が変わらなければ、持続可能な未来に繋がる道はないのだと。「わたしたちは変わらなければならない」生活習慣病のようないまを見直すキーワードを「文明病」と名付けて、ESDのイシューの再整理を試みたいと思っています。

 できれば地球環境基金に応募したいと思っています。

 来年2019年は、ERIC創立1989年から30年の節目の年。2022年の1972年、ストックホルム人間と環境会議から50年の年に向けて、ERICネクストを見据えた発信をしていきたいと思っています。是非、ご一緒に。

 



[PR]
by eric-blog | 2018-11-15 17:13 | ERICニュース | Comments(0)
<< ブラック校則 理不尽な苦しみの現実 平成30年度社会人権教育指導者... >>