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なんの変哲もない取り立てて魅力もない地方都市

なんの変哲もない取り立てて魅力もない地方都市 それがポート

ランドだった 「みんなが住みたい町」をつくった市民の選択

びいたおたお、白桃書房、2017

3214冊目


2014年からポートランドを研究してきたという。


ポートランドの「従業員数が多い企業・団体」トップ10を見て驚いた。32

1. インテル

2. プロビデンス・ヘルス・タンド・サービス

3. オレゴン保健科学大学

4. カイザー・パーマネンテ・ノースウェスト

5. フレッド・メイヤー 小売

6. レガシー・ヘルス・システム

7. ナイキ

8. ポートランド公立学校

9. マルトノマ郡庁

10. ポートランド市役所


三つの民間企業、医療、そして公的機関である。支店経済、公的機関依存という地方都市の特徴。


ポートランドを訪ねた時、「ロフト」「倉庫」のような建物が、ドカンドカンと大きな躯体をなしており、どのようにでも活用できる、しているという印象があった。あれは賢いなあ。


そしてソーホー。


成長マシンから住みたい街へ。それが巨大倉庫や工場の再活用、再開発に現れているんだ。なるほど。


なんとロフト住宅は高級住宅街に生まれ変わっているというのだ。138


さらに、ソーホーなどがものづくりベンチャーの土壌にもなっている。


ローマは一日にして成らず。そしてその変化に「市民運動家・住区コミュニティ組織」の存在は不可欠だという。209

生活者の視点。


1972年のダウンタウンプラン作りにおける企業と市民の協力関係の構築をきっかけに、まちが変わっていく。長い歴史だね。大型プロジェクトではなく、漸進的なアプローチで、変化を継続したこと。


返す刀で著者は日本の地方都市の失敗を指摘する。

2000年代以降、「都市のコンパクト・シティ化」として、地方都市の都心部に複合商業施設が建設された。212

つまり「単独の大型事業で中心市街地の劇的な変化を促す」従来型。

しかも、中心街をどうしたいという議論を関係者の間で行なっていない。戦略的思考がかけている。利害関係者の合意を構築していない。過去の失敗事例を分析していない。町の現状の徹底調査がない。


わかる気がする。






by eric-blog | 2018-11-07 11:43 | □週5プロジェクト2018
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