タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる

タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる

野瀬奈津子、他、玄光社、2017

3207冊目


インドには子どもに読ませたい本がない。

タラブックスの創設者の思い。


1995年、創設者の一人がインドの画家に語った怠け者のライオンの話が二ページのサンプルになった。ザラザラとした手触りの手すき紙とシルクスクリーン印刷で。絵本の見本市で、カナダの出版社が8000部を注文。

その本が欧米で評判を呼び、タラブックスの経営は安定した。


ハンドメイドは見本ズリのための偶然だった。


しかし、その見本本に対する評価が、インドでは気づいていなかった価値を、創設者自身に対しても明らかにした。


インドの伝統的なアートと物語、世界観と手作り絵本の出会いは、2008年の『夜の木』The Night Life of Treesがボローニャ・ラガッツィ賞受賞によって、世界的に認知されるに至る。ゴンド画家による絵と世界観。


手作りならではの仕掛けも楽しい。パタパタ本や、穴あき本。それらのアイデアを出したのがラトナ。


いまも「ちいさい」ままで、納品まで半年待ちなどは当たり前。


絵本の最初のアイデアの段階の「対話」やワークショップから、素材やデザイン、絵やストーリーなどが丁寧に作り出されていく。


そして、20年が経って、タラブックスの絵本で育ったという若者が担い手として入社しているという。

どんなに注文が殺到しても残業しない、急がない。自分たちのやり方を変えずに、ちいさいままで取り組み続けている。


2009年にTsunamiが出されているというようなシンクロニシティがあるのも、民俗的な知恵の普遍性の現れか。


アボリジニーとも、アフリカン・アートとも共通する線の描き方にくわえて、インド映画のポスターによくある人物の描き方など。インドの民俗アートの多層性にも心惹かれるものがあるね。


どれか一冊をと言われれば、どれにする?



『世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦』2017

は、写真を中心にしたもの。



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by eric-blog | 2018-10-31 11:30 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)
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