日本の原子力時代史
西尾漠、七つ森書館、2017
3197冊目
1947年生まれの著者の人生の集大成とも言えるのではないだろうか。643ページ! これ一冊あれば、日本の原子力発電の全てがわかる?!
原子力資料情報室共同代表、はんげんぱつ新聞編集長であり1978年の創刊以来の編集者。
1950~1970年代前半 黎明期
1970年代後期都市部にも反原発の運動が 1975年初の反原発全国集会
1980年代前期動きはじめた「後始末」計画
1980年代後期反原発から脱原発へ チェルノブイリ原発事故
1990年代前期脱プルトニウム宣言
1990年代後期安全神話の崩壊 もんじゅ事故、不祥事、JOC事故
2000年代前期祝・計画断念 住民投票、長期計画、
2000年代後期「国策民営」彷徨す
2010年代前期原発ゼロの時代 政権交代、福島原発事故、規制委員会
2010年代後期廃炉の時代へ 40年超か廃炉か
2013年8月、避難指示区域が1149m2から369m2と1/3に縮小される。
解除された区域での年間被ばく線量は20m Sv以下である。通常の1mSvという基準からは驚愕の高さである。
すでに解除された地域での帰還率は13.5%。帰りたいけど帰れない。20mSvへの不安もある。
子どもの甲状腺癌確定者は2016年末までで145人。
廃棄物のフレコンバックは1300万袋。
福島第一原発の敷地内に溜め込まれている廃棄物もすごい。1000基を超えて増殖中のタンク類。1573本+3196本+6726本+1412本=12907本の燃料、汚染水100万㎥。
一日6000人が働き、さらに多くの労働者が除染作業を続けている。
危機は去ってなどいない。