万人のための点字力入門 さわる文字から、さわる文化へ
広瀬浩二郎、生活書院、2010
3195冊目
点字をほとんど使っていない点字についての本。
2009年に民博で「点字の考案者ルイ・ブライユ生誕200年記念『・・・点天展・・・』」開催。
光村図書の小学四年生の国語教科書に「手と心で読む」大島健甫さんが載っている。
戦前は塙保己一のことが教科書に載っていたらしい。
2010年10月から11月には『奇跡の人』が上演されていたので、ヘレン・ケラーについて「触覚の人」という新たな切り口で、展示の中では紹介。
視覚障害者の文化をby,for, ofで考察できるという。
点字文化は「視覚障害者自身byによって」育まれて来た。視覚障害者のためのforの者であるが、視覚障害者自身のものofであるという。
現在、様々な機器が増えて来ていて、点字を利用する視覚障害者が減っているという。後、100年後まで生き残るかどうか。
能動性と簡便性。
点示。触覚による文化を展示すること。それを成し遂げたのがヘレン・ケラーであり、ブライユだったと著者は言います。
6点によって書き表す点字はルイ・ブライユが15歳の時のアイデアだと言います。30
1809年生まれ、1852年没。
日本には1889年に、東京盲啞学校教官 遠山邦太郎が6点で50音を書き表すことにほぼ成功。石川倉次が完成させる。
ブライユ300年にむけたfrom the blind。見常者中心の近代文明に対する触常者からの異議申し立て。人類史の大変革。
なるほど、そういう意図の「点字力」か。すごいね。