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ERICニュース608号 2018年8月26日 より

ERICニュース608号 2018年8月26日 より 群馬県立女子大学「地球社会と共生」まとめ




◆◇◆◇ 1. ESDコンピテンシーは身についたかな? ◆◇◆◇


 群馬県立女子大学前期「地球社会と共生」の授業が終わった。最終的には14名が受講。アクティビティ実践は三名一組、地域調査も三名一組で実施。評価は五種類の提出物で行った。ちょっと種類が多いかと思ったが、「書くことで意識化する」ことを狙いました。

1. レポート

2. 論文化に向けた情報ソース・バランスシート

3. コンピテンシー自己点検表

4. 地域調査計画及び実施報告書

5. 今後の行動計画


 レポートはA4用紙で2-3枚程度。内容はほとんどが地域調査についてであった。講義全体を通してのレポートを作成するというのは難しいことがわかった。


■コンピテンシー自己点検の効果?



 今回の受講生には3年生が4名ほどいて、その優秀さに驚かされた。レポートの書き方、提出の仕方などの適切さも、トレーニングされているなあという感じであるが、ものの見方・考え方も随分しっかりしていると思った。内3名は教育実習で3回ほどの公欠があったのだが、よくやっていた。

 同時に、彼らの「コンピテンシー自己評価」の高さにも驚かされた。コンピテンシー自己点検は一ヶ月に一回、合計三回行ったのだが、最終の評価で、レポートや地域調査の取り組みの優れていた彼ら3年生の自己評価がどの項目についても「○」担っていたのだ。

 「○」をつけた理由も記入するようになっているので、それを読むと、これらのコンピテンシーにどのような意味があるのかがしっかり伝わっていることがわかる。レポートや取り組みと自己評価の一致に、感動した。

 三回の集計はこちらからみていただける。皆さんはこの結果をどうみるだろうか?


https://www.dropbox.com/s/5l5gmae0igvmrv4/%E9%9B%86%E8%A8%882018.pdf?dl=0


■アクティビティ実践は生きたのか?

 アクティビティ実践を「プレゼンテーション」と捉えてしまうこともあったが、それでも「ミニレクチャー」「個人作業及びぺア作業による自分の経験との結びつき」「まとめ」というような段階を踏んで、学びの構成主義的アプローチはしっかり取り入れていた。一方で、「学び」の深化を参加型でどうするかという点については、ほとんどのチームに課題が残された。ま、それはファシリテーター養成一般に言えること。


「ねらいはねがい」


アクティビティを行う時に、どこまで「深化」することができるかは、ファシリテーターの「ねがい」の強さによると思う。


人権や環境への思い入れの強さをアクティビティの力にするためには「起承転結」のプログラムの流れの「転」で、どれだけ視点を広げて深めることができるかだとわたしは思っています。そこにファシリテーター自身の気づきと問いの深さが、現れる。


人権については「当事者性」が気づきの深まりのとっかかりになるのでしょうが、「地球環境」については、例えば「うなぎ」の絶滅の問題、「プラスティック」による環境汚染、いまだに収束しない「福島第一からの放射能汚染」、地球温暖化など、当事者性を持ちにくいというのが課題。専門家任せになってしまいがちなものだ。


せめて、今後も、意識して情報を得るようにしてほしい。でも、コンピテンシー自己点検では「地球的な課題のつながり」については「わかる」と評価している学生が半数はいるのだけどね。


前半でのアクティビティ実践が、その後の授業内容にどのように生かされていくかの構造化をもう少し練り上げる必要があるなあ。「12のものの見方・考え方ジャーナル」はうまく使いこなせなかった。



by eric-blog | 2018-08-24 16:35 | ERICニュース
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