昨日までの世界 文明の源流と人類の未来

昨日までの世界 文明の源流と人類の未来

ジャレド・ダイアモンド、日本経済新聞社、2013

3136冊目


文明論に独自の視点を持ち込んだ『銃・病原菌・鉄』など。

https://ericweblog.exblog.jp/17741666/


この本は「伝統的社会」についての調査研究である。


伝統的社会は、中央政府を有する国家社会より、じつに多様な組織形態をとっている。26


国家社会の特徴は人口数十万から数億と稠密。狩猟採集ではなく食糧生産を行っている。食糧生産に携わるのは人口の一部。国民の大半は見ず知らずの他人。日々されられない他人同士の遭遇が争いにならないように、警察や法律、そして道徳規範が必要。意思決定をする指導者と、その意志を実行する高官、決定事項や法律を管理する官僚が存在する。26


国家が成立したのは紀元前3400年前後。


人口規模、生業、政治の中央集権化、社会成層の四つが比較できる。


エルマン・サービスによる人間社会の四つのカテゴリー「小規模血縁集団」「部族社会」「首長制社会」「国家」31


小規模血縁集団は政治的指導者は存在せず、経済活動の専門化もない。比較的平等主義で民主的。32


この本では小規模血縁集団と部族社会までを分析の対象としている。

テーマも絞っている。全てを扱うと2397ページもの大著になるからだという。すごいね。45


・友人、敵、見知らぬ他人、商人

・子供の死に対する賠償

・戦争

・子育て

・高齢者

・危険

・宗教、言語、健康


子育てについて、学ぶべき点が伝統社会にあると、著者は指摘する。353




国家社会と非国家社会の違い。

国家社会の願いは、子どもが有能で従順な市民に成長することである。

非国家社会での子育ては、国家社会での子育てよりバリエーションの幅が広い。354


小規模社会の人間のほうが安心感や自律性を持ち、社会性を身につけているというのは、印象による説明に過ぎない。356


狩猟採集民の育児は、大きな課題や危険に立ち向かう力と生活を楽しめる心の持ち主を育てることのできる育児なのである。現代的行動を共有する人類には10万年近い歴史があり、狩猟採集民の生活習慣は少なくとも、その歴史に耐え抜いた生活習慣なのである。・・・人が国家社会で暮らすようになったのは、たかだか5400年前の話である。






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by eric-blog | 2018-06-30 20:31 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)
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