国家がよみがえる時

国家がよみがえる時 持たざる国であるフィンランドがなんども再生できた理由 挫折のたびによみがえるフィンランドの強さとは?

古市憲寿、トゥーッカ・トイボネン、マガジンハウス、2015

3132冊目



ノルウェーに留学した体験のある著者。ショッピングの楽しみのない「快適な田舎」で老後生活を送ったという。


北欧の国々は似たような文化と社会制度を持つという。共著者との出会いから、人口547万人のフィンランドについて書くことになった。


スウェーデンとロシアの支配下にあり、ようやく独立を果たしたのは1917年。

第二次世界大戦でロシアと戦い、領土を失い、戦後復興を果たすも、ソ連の崩壊に伴って、深刻な財政赤字。012


1990年代から教育改革に邁進。IT立国を果たす。しかし、ノキアの時代が終わり、今は、「起業家大国」に。

これまで国家が担っていた福祉を社会企業が担っている。スウェーデンのサムハルのようなことが起こっているのか?

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日本同様、たいした資源のない国が、何度もたちあがっている。


3章の「幸福なフィンランドの若者たち」は若者がアウトサイダー化する問題


「優秀さ」のエートスに疲れて分極化する若者。

情報化社会において低学歴の若者たちがはじき出されている。137

労働や有給雇用による成功の道から外れてしまうことは恥ずかしい。そのためにこれらの若者が、きちんと社会の一員として認識されるのだろうか? という著者らの危惧は、まさしく、吉川が指摘した分断の課題と同じである。


「起業家大国」とは言っても、そは「余儀なく起業家になってしまった人たち」という側面もあるのだ。240


イノベーションのために必要なのが「余裕」だと最終章はいう。

福祉は削減されてきたが、教育に対する投資は継続している。エリートでなくとも自由な学習の機会が保障されている。大学院まで出て、起業し、極めて高度で面白い革新的起業に取り組む余裕。


人口62万人の小さな都市だからこそ、コラボレーションもネットワークも起こりやすい。


一方で「教育」の章で指摘されているように「世界第一位」という成功の呪縛は、改革・改善を難しくする。変えようとすることが、大きなチャレンジになってしまうのだ。


なるほどね。日本が高度経済成長という「うまく行った過去」に囚われてすでに半世紀。自動車産業、白色家電産業、IT家電に陰りが出ているいま、日本も「ノキア」願望だけですまないことははっきりしていると思うのだが。


東京新聞
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by eric-blog | 2018-06-25 12:24 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)
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