おしゃべりな足指 障がい母さんのラブレター
小山内美智子、中央法規、2017
3117冊目
脳性麻痺でからだが不自由でありながら、自宅で自立生活を送り、「札幌いちごの会」で障害者施設やケア付き住宅などの建設を進めるなどの運動をリードしてきた人。1953年生まれ。同年代の人たちのことは気になるなあ。
鹿野さんが入ったケア付き住宅も小山内さんたちの運動でできたものだ。
https://ericweblog.exblog.jp/238530865/
生きることが運動でもある。
ヘルパーさんが朝、夕方から夜、お泊まりと少なくとも四人は交代で入る。昼間の間は職場介助者がいる。
鹿野さんのように「ボランティア」確保に翻弄されていないのは、金銭的に余裕があるからなのか?
結婚し、子どもを産み、育てるが、離婚。離婚の原因は、小山内さん中心の生活でしかないことに、男性が耐えられなくなったから。「僕にきたのはこの広告ハガキだけ」。
会を動かし、講演会に出かけ、そして、日常を回す。
冷蔵庫の中身を覚えておく、三日先までメニューを考える。午前のヘルパーさんの得手不得手に合わせて、夕食までの調理を依頼する。
老化なのか、脳性麻痺の進行なのか、わからないとは言いつつ、できていたことがだんだんできなくなる。
足指で原稿をタイプライターを使って書いていたものが、今は職場介助者に口述タイプ入力をしてもらっている。
朝の一時間のストレッチは欠かせない。これも、上手い下手がある。
そんな日常のケアに加えて執筆活動や講演会。すごい人だ。
札幌市内の公共交通網にエレベーターなどが備えられているのは彼女たちの運動のおかげなのだということを知れば、障害者に感謝しようという気にもなるのではないかと、運動に誇りを持っている。
「嫌われ者にならないと社会は変わらないのである。」257