SNSトラブル連鎖 NHKオトナヘノベル
高橋幹子、みうらかれん、金の星社、2018
3094冊目
NHK Eテレの番組「オトナヘノベル」で放送されたドラマの元になった小説。
チェーンワールド SNSで繋がって、「指先から生まれる無責任な会話、不夜城で夜通し繰り広げられるおろかなパーティ」に絡めらとれる心理を描いたもの。
たりない言葉 小学校からの親友が、医学部進学の夢を持ちつつもバスケの部活にもがんばっている。しかし、ある時、母親の一言で「部活やめるかも」とSNSに書き込んできた。事情を知るだけに、「いなくなっても大丈夫。」と書き込んでしまう。そこから始まるスレ違い。本当は寂しい。けれど、夢のために頑張っているなら応援したい。その一言が足りなかった。
ゆがんだ鏡 小学校の頃、「お前顔でかいなあ」と言われた一言をきっかけに、自分の顔が嫌いになった。勝手に撮られてネットにアップされた写真には、自分の嫌いな自分の顔が。身体醜形障害で姉が摂食障害になった友人がそのことに気づき、心配する。そうか、自分のこだわりはとても危ういんだと、気づかされる。
どの物語も、高校生たちがお互いに少しずつ手助けし、自分自身の経験をもとにアドバイスすることで、解決に向かう。トラブルがないことがいいのではなく、それを超えていくことができる力を、彼らは持っているんだと言うことを見せてくれる。
番組も見たかったなあ。