学校でしなやかに生きるということ
石川晋、フェミックス、2016
3090冊目
Weに連載していたものをまとめて、加筆したもの。
だんだんと息苦しくなっていく学校。そこで小さくても声を上げ続けることで人間同士が繋がることができるのではないか。
教員同士が学び合える環境も、せばまっているのかもしれない。「正解」を目指す中で。
学びの場というのは、人として成長する場だと、石川さんはいう。「学びは長い時間の中で行われていくものだ」。完成されて仕事に就く人などいない。89
語り続けること
省察すること
歴史にまなぶこと
この三つの力が若手には必要だという。
石川さんの一番最初の担任した中学生。GW明けに学級崩壊。そのころの記憶に色はついていないという。
21のエピソードのキーワードだけ、列挙しておく。石川さんの視点が仄見える。
ちなみに石川さんの担当教科は国語だ。
- ・学校に溢れる善意
- ・トラブルは自分たちで解決する
- ・横並び文化
- ・さよなら選択教科
- ・育児休暇で考えたこと
- ・職場復帰を前に、懲罰主義、原則よりも当事者の納得を
- ・保育所と
- ・雑談って素敵
- ・教科室がほしい
- ・教師教育問題
- ・成績開示
- ・学びかたを学び合う
- ・自己検閲
- ・教室担任の幸せと不幸せ
- ・宿泊学習
- ・不織布的教室づくり
- ・1年間に3回だけの個人面談
- ・修学旅行
- ・夏やみす
- ・いじめアンケート
石川さんは、保育所と中学校の間を行き来する間に、一人一人の生徒が引き受けている生の蓄積を見るのだ。
一人の生徒のために誕生日に学級通信を、一つの詩と一つのエッセイで構成する。
学級にパーティションを持ち込む。board gameやトランプを持ち込む。
宿泊学習で学校外の人の力を借りる。
修学旅行で被災地を訪ねる。
しなやかに、したたかに。
国語が、一人一人の力になっていく言葉につながるといいね。