死体は嘘をつかない 全米トップ検死医が語る死と真実

死体は嘘をつかない 全米トップ検死医が語る死と真実

ヴィンセント・ディ・マイオ、東京創元社、2018

3084冊目


読み出したら止まらない。


原題はズバリ「MORGUE A Life in Death」。モルグ=死体置き場。


『子どもの脳を傷つける親たち』も同様だが、「からだは嘘をつかない」ということだ。年齢を重ねるにしたがって、そう実感するのではないだろうか?


最近ではテレビドラマ『アンナチュラル』が検死医の活躍を扱っていた。


監察官が書いたものはこちら。

https://ericweblog.exblog.jp/6095098/


死体格差というのも、驚かされた。

https://ericweblog.exblog.jp/237119932/


死体に着く虫も、語る。その結果は「エレメンタリー ニューヨークのホームズ」でも活用されている。

https://ericweblog.exblog.jp/21132562/


死体格差という意味では、この事件簿に出てくる人々も、黒人、ラティーノなどが多いように思う。


1話 「白と黒の死」はまさしく「開発のための教育」に紹介されているような双方からの視点の違いを浮き彫りにしている。双方が相手に対する恐怖から、対立が激化したのだ。取り返しのつかない形まで。


正当防衛なのか、それとも人種差別的な攻撃だったのか。白黒の対立には、常にこの疑惑がつきまとう。



世界初の検死報告はジュリアス・シーザーの死因についてのもの!


検死医制度が始まったのは1918年ニューヨーク。72


3章 空っぽのゆりかご は196940歳の専業主婦による養子殺害疑惑から明らかになった彼女の過去の子ども殺しの実態だ。

彼女は1945年、16歳で未婚の母になった時、その初めての子どもを「突然死」で無くしている。翌年、彼女の甥がなくなる。

1950年には二人目の子どもも突然死で。


リストは続く。


代理ミュンヒハウゼン症候群という診断名はまだなかった。


著者は、ケネディ大統領を殺人したとされるオズワルドが、ロシアの工作によって身代わりとすり替わっていたのではないかという問題についても、死体を再度解剖して、決着をつけている。


この辺り、米国は死体を掘り起こせるのがすごいね。


看護師による連続殺人。


銃口は自殺を示すのか、それとも他殺か。


子どもは虐待だったのか、心臓疾患だったのか。


三人の男の子たちは「悪魔払い」の儀式で殺されたのか、それとも?


死体になった人にとって「死」はすでにどうであれ、構わないことだが、死が生きているものにとって持つ意味は大きい。


原題の副題がそのことを示している。死にまつわる人生が検死から見えてくるのだ。




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by eric-blog | 2018-04-20 12:41 | □週5プロジェクト2018 | Comments(0)
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