◆◇◆1. 教育力向上のための点検の視点 教授法・教育目標 ◆◇◆ アクティビティ実践のふりかえりに時間と手だてをかけるようになって、人材育成プログラムとして「経験学習」のアプローチが有効であることをしみじみ実感しています。 教育目標、教育方法についてふりかえることで、改善の視点が見えてきます。 1. 教授法についてふりかえる 参加型アクティブ・ラーニングという教授法についてのふりかえりの視点は二つあります。一つは「活動形態」です。もう一つは「分析の枠組み」です。 (1)四つの活動形態から参加のスキルを伸ばす教授法の活用を点検する 教授法についてのふりかえりの視点の一つが「活動形態」です。個人作業、ペア作業、グループ作業、全体作業という四つの活動形態が有効に活用されていたかどうかをふりかえることが、なぜ参加型学習によるアクティブ・ラーニングという教授法がしっかりできていたかどうかの点検の視点になり得るのでしょうか? ■四つの活動形態の効用について、ESDファシリテーターズ・カレッジの『ファシリテーター・ハンドブック』から引用する。 -----引用開始 ■ 学びあい・協同学習をすすめる4つの活動形態を活用する 「個人作業」「ペア作業」「グループ作業」「全体作業」はそれぞれ学びの効果が異なります。どの作業形態を、どの段階で取り入れるかに、意識的である必要があります。
「仲間探し」のように、自分と共通項のある人を探してグループになってもらうなど、プログラムの中でグループを変えることは、「仲間壊し」とも言われ、グループが固定的になってしまうことを防ぐ。
以上のような特徴と活用のアイデアが考えられますが、これらの結果を知識として一方的に伝達するのは学習・応用効果が薄くなります。時間が許すのであれば、参加者のふりかえりから分析によって発見がある方が、定着、応用の両面からも望ましいです。 -------引用終わり 参加の三つのスキル「わたし」を見つめる、表現する、伸ばす、「あなた」とのコミュニケーションをよりよくする、「みんな」が学べる環境を作る、共通の課題を知る、問題解決に取り組むなどが、これらの活動形態を使うことで伸びるのです。 つまり、活動形態を振り返ることで ・一人ひとりが自分を見つめる、言語化する時間をとっているか ・互いのコミュニケーションをとる時間をとっているか ・グループ活動によって多様な意見に触れる機会を作っているか などが点検できるのです。 プラス「分析の枠組み」として「12のものの見方・考え方」を活用しているかどうかは、高次の思考スキルを活用して課題を分析し、問題解決のための行動計画などを活動に取り入れているかどうかが確認できます。 「12のものの見方・考え方」の背景には、人間の認知パターンがあります。高次の思考スキルに通じるものもある分析の枠組みを使うことによって、分析の枠組みに習熟していくことができます。 2. 教育目標の視点から点検する ESDで育みたい価値観と能力があります。これもESDフアシリテーターズ・ハンドブックから引用します。 引用開始----- ----------------------
---------------------ESDを通じて育みたい 「能力」---------------------
引用終わり-------- これらの視点からふりかえることで、教育目標が達成できたかどうかを点検することができます。 https://ericweblog.exblog.jp/238379790/ この研修での気づきを共有しておきます。 「例えば「お似合いのイニシャル」のアクティビティに「7.自分が望む社会を思い描く力」をクロスさせると、「互いを認め合う社会に向けてできること」を「結」で考えて終わることができる。それによって、「体験をふりかえる」だけではなく、「応用」への繋ぎができる。「人生の河」についても「3. 現世代は将来世代に対する責任を持っている}という、ESDの目標をクロスさせると、これからを考えることにつながる。など、より高い教育目標がアクティビティの質を変えることが共有できたのがとてもよかった。」 この研修の時もそうでしたが、より高い教育目標から点検することが、教育実践を伸ばしてくれることを実感しています。 その他、参加型学習を支える学習理論から点検することもできるかもしれませんが、具体的に「学習の本質チェックリスト」を現在作成中です。TEST18で初お目見えできるように頑張ります。 もう一つは『教員のためのリフレクション・ワークブック』の点検リストも活用できるが、これは教育プログラムそのものというよりは、教員の活動そのものの点検につながるものです。 https://ericweblog.exblog.jp/238361384/ 点検の視点がPDCAサイクルによる改善につながります。コルトハーヘン・モデルの「本質への気づき」も点検の視点がしっかりしていることで初めて見えてくるのだと思います。 使い勝手の良いチェックリストを作っていきましょう。
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| 2018-03-19 10:12
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