AI vs. 教科書が読めない子どもたち
新井紀子、東洋経済新報社、2018
3049冊目
アクティブ・ラーニングは絵に描いた餅 235
「推論」や「イメージ同定」などの高度な読解力の問題の正答率が少なくとも7割ぐらいは超えないと、アクティブ・ラーニングは無理だろう
と断言する著者は、AIに読解力をつけるためにはどうすればいいかを研究してきた。その研究結果を生かして「読解力調査」を作成した。
https://www.s4e.jp/guidance
いいなあ、この素直さ。
今の国語のテストはひねくり過ぎている。「選抜」して、点数に格差が確実に生まれるようにしているからだ。
そして、この基礎的読解力は「旧帝大進学率」と高い相関を示しているのです。221
さらに、著者は、読解力の調査をアンケート方式で行うことも諦めました。ひょっとしたら問題文すら読めていないかもしれないのですから。
教科書を読める学力を!
それが著者がこれらの研究からわかったことだ。
そして、そのための教育改革のあり方は、簡単ではないとも。
並みの教育研究なんかより、よほど面白いね。
入試は選抜のため。選抜に向けた教育をやっている限りは、底上げはでできないことを理解すべきだ。
この都立高校の入試問題のような「読解」の問題が、小学校のドリルでも出されている。大嫌いだ。読解の豊かさも、揺れも許されないし、正解に向けて読む癖がつくからだ。
いい加減に目覚めなさい。
同じ著者で『コンピューターが仕事を奪う』が出されている。その関連図書
からの引用。
「重力に縛られた仕事」は続くよね。柔軟な対応が必要な肉体労働。コミュニケーション能力や理解力が必要な職業が残るのだ。