「大学改革」という病 学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する

「大学改革」という病 学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する

山口裕之、明石書店、2017

3023冊目


この本の参考文献の書き方が好きだ!

文献、欧文、法律のカテゴリーごとに通し番号がついていて、本文中には[文献XXYY]と記されているのだ。各章ごとに分けている参考文献なんて、本当に探しにくいし、何回も出てきたりするものは煩雑だ。これはいい。希望を言えば、逆引きで、参考文献から本文のページに行きつけたりしたら、もっと面白い! 参考文献が索引がわり?


そして文献の並びは著者名のアイウエオ順なので、のっけから著者本人の本からの引用は「文献178」だ。


ユニバーシティの語源は宇宙だと思っていたが、なんとユニオン、組合立の大学かららしい。


中世から、近代国家に至るまでの大学の歴史が語られているのも、面白い。


基本的には、現在行われている諸改革が全然、一向に、全く成果をあげていないどころか、大学の研究も教育も危うくしているという話だ。


「ガバナンス強化」

「評価主義や成果主義による萎縮」

「財政と大学の評価を連動させた競争主義がダメにする」

「学生のニーズに答えるとか、学生評価とか、志願者数などで評価することで、大学の質と機能が変わってしまう」


などなど。


競争的財政の振り分けを行なっているにも関わらず、評価する能力もなければ、それ相応の手間もかけない。だとすると、どうなるか? 評価にあたる人を説得しやすいものだけが評価される。やれやれだ。


小論文選考もやめたほうがいいという。マニュアルで対応されるからだ。

その場で与えられた課題について、入試の場所で書くことができる内容など高が知れている。結果、その課題についての自分の体験をちょっと書き、難しい問題があると結論づければ事足りる。結果同じような論文ばかりになってしまった。190


この著者のもう一冊も、読みたい。『人をつなぐ対話の技術』



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by eric-blog | 2018-02-11 15:37 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)
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