なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係
稲垣栄洋、幻冬舎新書、2015
3007冊目
雑草が教えてくれた日本文化史 したたかな民族性の由来、2017
の方は、欧米との植生の違いなど、より広い視野から捉えたもの。
しかし、わたしはこの新書の方が好きだ。そして、読みながら、少し前まではまだ都会でもこのような花々との付き合いがあったのにと、今の都会生活を疎ましく思った。
マンジュシャゲやジュズダマ、ミョウガなど、当たり前にある風景の中に生活があったこと、そこに知恵があったことを思い出す。
雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方 小さく、速く、多様に、しなやかに
仏教では殺生を禁止している。
「この世でほしいままに生き物を殺し、他人のものを奪って、帰って彼らを害しようと務め、たちが悪く、残酷で、粗暴で無礼な人々、これが生臭である。肉食することが<なまぐさい>のではない。」『スッタニパータ』より
その教えがインドで菜食主義となり、中国へと伝わった時、肉食禁止となった。
中国では世俗化はしていない。
日本では四本足の動物が禁止され、魚や鳥は食べて来た。185
しかも、日本では植物を食べることも殺生と考える傾向がある。
宮沢賢治にはこのような言葉がある。
「一人成仏すれば、三千大千世界 山川草木虫魚禽獣港もに成仏だ」 189
その人が食べたものも全て成仏する。