デンマークの親は子どもを褒めない 世界一しあわせなくにが実践する「折れない」子どもの育て方

デンマークの親は子どもを褒めない 世界一しあわせなくにが実践する「折れない」子どもの育て方

ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー、イーベン・ディシング・サンダール、集英社、2017

Danish Way of Parenting, 2014

2968冊目


デンマークが世界一幸せな国であることの根本は子育てにある!


デンマーク人と結婚したアメリカ人女性が、友人のデンマーク人心理学者と共にまとめたのがこの本。しかし、デンマークという地域で共有されている子育ての知恵がまとめられている本はどこにもないというところから始まった。


しかし、何かが違う、と国際結婚を通じて実感しているものを言語化することの難しさ。観察と討議を通して、二人が発見したもの、それがPARENTだ。

P Play

A Authenticity

R Reframing

E Empathy

N No Ultimatums

T Togetherness and Hygge

遊ぶ、ありのままを見る、視点を変える、叩かない、仲間と心地よくつながる


ああしたいな


とでも覚えようか。


第二章以降、一つずつについて解説されている。


Play

「子どもの生活を計画しすぎていないか」 034

フリータイム・スクールで放課後を過ごす子どもたち

自由であることによってLOC(環境統制感、統制の所在とこの本では訳されている。内側から湧き上がる意欲や自分を応援する気持ちが育つ。


それに対して外的統制型の傾向が強い子どもや聖人は、不安感と鬱が出やすい。過去50年間で若者が外的統制型へと大きく移行している。038


デンマークの親は、絶対に必要でない限り手を貸さない。

我が子で自分でできると信頼し、新しいことに挑戦できると信じている。子供に「自分を信じる心」を育ませる。

挑戦とステップアップ。


早期識字教育には反対。「早くから文字を読む学習をさせられた子どもは最初は友達より早く読めても、二、三年後には同じレベルになる。しかも学習を急かされた子どもは、長期的には不安感のレベルが高く、自己評価が低くなるのだ。」041


遊びがストレスに強い心を育てる。

自由遊びが対処能力を育む。

レゴと屋外遊具が遊び心を育てる。


「遊ぶ」ヒント

1. スイッチを切る

2. 環境を整える

3. アートを活用する

4. 子どもに外で探検させる

5. 異なる年齢の子どもと遊ぶ

6. 子どもの好きに遊ばせ、親の罪悪感を捨てる

7. 親が本気で遊ぶ

8. ひとり遊びもさせる

9. 障害物コースを作成する

10. 友達の親を誘う

11. 介入を急ぎすぎない

12. 手を放す


Authenticity ありのままを見る


デンマーク映画はすっきりしない。058

アンデルセンだって、原作のほとんどは悲劇だ。


「ありのままを見る」子育ては、自身と他人に正直になるように勇気を持てるように導く。061


大切なのは親自身が自分の感情に正直になる手本を子どもに見せ、あらゆる感情を感じて良いのだと子どもに教えること。 062


気持ちに正直に行動する自分を許せる。

外面的な目標よりも内面的な目標に従って行動することを学ぶ。063


褒める時も、タスクに集中する。何を、どのようにしているか。


「生まれつき賢い」「才能がある」と言った褒め方は「硬直マインドセット」。それに対して「能力は努力と教育によって伸びる」と教えられた子どもは「成長マインドセット」が育つ。


硬直マインドセットの子どもは人からの評価を気にする。(キャロル・S・ドゥエック、スタンフォード大学)『マインドセット:「やればできる!」の心理学』


「ありのままを見る」ヒント

  1. 1.自分をだまさない
  2. 2.正直に回答する
  3. 3.親の子ども時代の例を活用する
  4. 4.誠実さを教える
  5. 5.あらゆる感情を網羅して物語を読み聞かせる
  6. 6.プロセスを褒める
  7. 7.普段の返事に褒め言葉を使わない
  8. 8.努力に注目する
  9. 9.「人と比べない」ことを子どもに教える
  10. 10.「私には」を加えることで、親と子のそれぞれの見解に光を当てる



Reframing 視点を変える


視点を変える。

現実的に楽観主義。

決めつけない。


この能力こそがデンマーク人が幸せな国民に選ばれ続ける理由の一つ。092

物語の焦点を変える。肯定的な筋書き。


「大丈夫、私の行動は私の運命ではない」


「視点を変える」ヒント

  1. 1.ネガティブ思考に気づく
  2. 2.リフレーミングを練習する
  3. 3.決めつける言葉を減らす
  4. 4.レッテルを貼らず、行動を人物から切り離す
  5. 5.わが子の物語を、もっと魅力的に書き換える
  6. 6.うながす言葉を使う
  7. 7.ユーモアを使う



Empathy 共感力


同情はSympathy。エンパシーは他人の気持ちに感情移入できる力。


アメリカの若者の共感力は80年代から90年代に比べて50%近く低下している。


弱い自分をさらけ出すことへの恐れ、脆弱性。


他人を批判すると、自分の選択肢が優っていて自分の方が正しいと思える。124


他人より常に上を目指すことの問題点は「弱い自分」に不快感や不安感を覚えること。


『教官の時代へ』フランス・ドゥ・ヴァールは、動物の行動に教官が見出せるという。


共感力は人間の必需品。130


デンマークで実践されている「Trin for Trin」という幼児期からのプログラム。

「いじめゼロ」プログラムも効果を上げている。


「共感力」のヒント

  1. 1.あなた自身の共感力のスタイルを理解する
  2. 2.他人を理解する
  3. 3.感情に気づいて、言葉にする
  4. 4.読み聞かせと読書
  5. 5.大切な人との関係を改善する
  6. 6.自分の弱さをさらけ出す
  7. 7.共感力を伝染させよう


No Ultimatums 叩かない


アメリカでは19の州で体罰が認められている。31の州で禁じられているが私立では50週で認められている。152


子育ての四つのスタイル

・独裁・支配型

・民主型

・消極・受け身型

・無関心型


敬意を持って子育てすること。160


子どもについて悪い筋書きを増やさない。


「叩かない」ヒント

  1. 1.行動を子どもから切り離して考える
  2. 2.子どもに勝とうとしない
  3. 3.子どもを責めない
  4. 4.子どもは 生まれつき善だとみなす  境界を広げようとする行動は悪ではない
  5. 5.子どもに教える
  6. 6.リフレーミングする
  7. 7.子どもにしたことは、いつか自分に返ってくることを忘れない
  8. 8.パートナーを巻き込む
  9. 9.あなたの体罰をチェックする
  10. 10.子どもの年齢を常に考慮する
  11. 11.あらゆる種類の感情を受け入れる
  12. 12.反抗も反応の一種
  13. 13.悪い行動の背景を考える
  14. 14.どんなことで自分がカッとなるかを知る
  15. 15.話を聴く姿勢を子どもに見せる


Togetherness and Hygge 仲間と心地よくつながる


Hyggeヒュゲ。 共に居心地よく過ごすという伝統。

社会的なグループ、「フォエーニングスリヴ、協会、組合」

いっしょに歌うことが好き。


「仲間と心地よくつながる」ヒント

  1. 1.「ヒュゲの誓い」を守る
  2. 2.みんなで「今の瞬間」に集中する
  3. 3.「フレーミングの下準備」をする
  4. 4.一緒に楽しむ
  5. 5.居心地の良い空間を作る
  6. 6.文句は一時休止
  7. 7.ストレスを感じたらリフレーミングする
  8. 8.シンプルを保つ
  9. 9.親が「今」に集中し、子どもにも「今」に集中するようにうながす
  10. 10.つながる
  11. 11.遊びをうながす
  12. 12.チーム育成をうながす
  13. 13.信頼して打ち明ける
  14. 14.ママ友のグループを立ち上げる
  15. 15.家族がチームであることを子どもに教える
  16. 16.家族のつながりを日常的に祝福する
  17. 17.歌う!


ヒュゲの誓いの原則をみんなで共有する。211


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■ラトビア10徳 
常に、正しい行いをしましょう。

隣の人となかよくしましょう。

自らの知識や能力を社会のために
惜しみなく差し出しましょう。

まじめに楽しく働きましょう。

それぞれの役割を果たしましょう。

向上心を忘れずに、自らを
洗練させましょう。

家族や隣人、故郷、自然など
衣食住すべてに感謝しましょう。

どんな状況に陥っても朗らかに
明るく受け止めましょう。

ケチケチせず、
気前よくふるまいましょう。

相手の立場に立って寄り添いながら
生きていきましょう。

「ラトビアの十得」というのだそうである。2017年1月29日の毎日新聞日曜版の「日曜日ですよ! 小川糸」という記事で紹介されていた。
http://tsuchy1493.seesaa.net/article/446866523.html




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by eric-blog | 2017-12-13 11:07 | ■週5プロジェクト17 | Comments(0)
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