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惨事便乗型政治とは、「恐怖」による支配である。

惨事便乗とは、「恐怖」による支配である。 わたしたちの課題は、自分の内からなる恐怖に向き合うことである。




惨事便乗型権力的予算拡大国家公務員中心国家


惨事便乗型省益増進予算獲得行為


なぜ、権力は惨事にかくもやすやすと便乗することができるのか?


  • 人々が混乱している。
  • 人々は何か方針が欲しい。
  • 昔のようなコミュニティや共同体での結束がない。結束を束ねる長がいない。
  • 要望は地域の長ではなく、直接行政に向かう。
  • 行政はどうしているんだという批判の矛先を躱したい。やっているふりを早くしたい。
  • 予算を動かすことができる地位にいる、普段であればチェックが効くものもスルーできるかも。
  • 非常時だから融通を利かせて欲しいという要請がある
  • 多少、地域のニーズからずれていても、お目こぼしされる。


などなど、多くの要因が考えられる。「恐怖による支配」



惨事に便乗した事例を考えてみる。


  • 関東大震災は「惨事便乗型被支配民族浄化扇動行為」であった。手っ取り早く敵を作り出すことで、人々の結束と自警力を高めた。
  • 所得税天引きという徴税方式を、国家非常事態という惨事を強調することで受け入れさせた。「惨事便乗型税制」
  • 同時に「惨事便乗型物価統制」「惨事便乗型地域自治動員体制」「惨事便乗型流通統制」などが行われた。
  • 特に「惨事便乗型治安維持共謀取り締まり体制」を特別警察により推進。惨事に便乗して思想を取り締まった。
  • 惨事便乗型経済、政治、社会制度の完成。


戦後の事例としては、米国の9.11後は「惨事便乗型自衛戦争拡大」でしかない。

惨事便乗とは、戦争状態、戒厳令のようなものなのだ。

  • 3.11以降の「ショック・ドクトリン」については『東北ショック・ドクトリン』に詳しい。復興予算の多くが、復興以外のところに使われていることは、記憶に新しい。
  • 北朝鮮によるミサイル発射行為も、「惨事便乗型」。
    • ¬惨事でもないのに、惨事であるかのように、演出した。
    • ¬一般市民巻き込み訓練を受け入れさせた。
    • ¬実際の脅威はないのに、恐怖心を植え付けた。
    • ¬北朝鮮憎しの憎悪を煽った。
    • ¬



■東北ショック・ドクトリ
古川美穂、岩波書店、2015

http://ericweblog.exblog.jp/22035590/


「ハゲタカファンドのような投資家たちが「創造的復興」に便乗して、投資という名の金儲けに励んでいるのがいまの東北の復興の姿だ」

弱者とは、研究に参加するかしないかの自由意思が尊重されない人38

やってもらったのだから、いやなことでも、受け入れてしまう。日本型正義。


■惨事便乗型資本主義

ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く

ナオミ・クライン、岩波書店、2011

The Shock Doctrine The Rise of Disaster Capitalism

http://ericweblog.exblog.jp/18813065/

軍隊と政治と経済が結託して、惨事の後のショック状態につけ込んで、国を牛耳るというのがショック・ドクトリンである。


破壊することで、新しいことを受け入れさせる。

「惨事」による判断停止は、これらの個人に起こることと同じことが社会的にも起こり、そしてそこにつけ込むことで、社会をコントロールすることができるということなのだ


■戦争の現場で考えた 空爆、占領、難民  カンボジア、ベトナムからイラクまで

熊岡路矢、渓流社、2014

http://ericweblog.exblog.jp/20305253/

JVCはイラク戦争を始めさせないことで動いたが、成功しなかった。42

戦争はすべて不条理なものであるが、イラク戦争は、とりわけ不条理で汚いと感じた。イラン・イラク戦争および湾岸戦争でぼろぼろになったイラクは、湾岸戦争後の10年、1. 徹底的な経済制裁、2.米英軍による基地空爆、3.国連による武器査察、を受けてきていて、2002-03年、とても戦争ができる体制ではなかった。」42


そこを攻撃した。


復興支援よりも、戦争そのものを止める方がはるかに筋が通っている。失われた命はもどらない。53



■20世紀の知性はどこへ行ったのか?

図解 公共事業のしくみ いっきにわかる「日本病」の本質と問題
五十嵐敬喜、小川明雄、東洋経済新報社1999

http://ericweblog.exblog.jp/19222837/


■そして、日本的な体質

絶望の裁判
瀬木比呂志、講談社現代新書2013

http://ericweblog.exblog.jp/19672453/

「裁判所当局は、司法制度改革の動きを無効化するのみならず、それを逆手にとって悪用し、その結果、裁判所と裁判官集団は、今世紀に入ってから、徐々に、しかし目に見えて悪くなって行った。ことに、平均的な裁判官、中間層のあり方がなし崩しに変化、悪化していったことは、私にとって大きなショックだった。・・・つまり、職人タイプの裁判官が日本の裁判の質を支えていたわけである。しかし、上層部の劣化、腐敗に伴い、そのような中間層も、疲労し、やる気を失い、あからさまな事大主義、事なかれ主義に陥っていったのである。・・・言葉を換えれば、多数派、中間層の官僚化・役人化傾向が著しい。」38-39

いまや裁判官は「裁判を行っている官僚、役人」になっている。51

『鬼が来た!』のシーンを著者は裁判所の雰囲気になぞらえる。「村人たちと歓談している日本兵たちが、その場の「空気」の流れに従って自然発生的に虐殺を始める」20
「空気」の支配に流されやすい性格

「内に対しては理念なき絶対的統制、外に対しては可能な範囲での迎合、さらに、情実人事によって脇を固め、地家裁裁判長の人事や新任判事補の採用についてまでその意向を貫徹するという、醜悪なシステム。」118


家事労働ハラスメン
竹信三恵子、岩波新書2013

http://ericweblog.exblog.jp/19174658/

家事労働ハラスメントとは、わたしたちのまっとうに生きる権利の侵害のことなのだ



ついでに言うと、死刑制度も国家による恐怖による支配の一つなのだ。「あなたは、こんな凶悪な人が社会にいると嫌でしょう?だから国家がそう言う人を排除してやると」と。それに合意している私たちはバカだ。


国家を増長させることは、近代国民国家の超克という近代の人間化を退行させるものなのだ。


人間という複雑で、時には禍々しい存在に、「国家権力」という禍々しさを増長させてはならない。人間が信用ならぬのであれば、それは国家もそうなのである。国家に特別な力を付与するときはどのようなときであるのか、しっかりと考え選択すること。


■戦争のはじめかた

■戦争のつくりかた

https://www.youtube.com/watch?v=cUGu73hnjdY




by eric-blog | 2017-09-04 11:21 | ◇ブログ&プロフィール
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