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日本語は親しさを伝えられるか

日本語は親しさを伝えられるか
滝浦真人、岩波書店、2013
2712冊目

2013年に出ていたのかあ。
その後の動きを見れば、この人がどの程度「これからの50年」に真摯に向き合っている人かどうかがわかると思う。検索してもわからないけれど。

すでに、ERIC2002年発行の『いっしょにすすめよう! 人権』で、階級遵守語である日本語を超えて「未来型コミュニケーション」を提案している。

また、山岸さんの「安心社会・信頼社会」の概念に出会った2010年以降は、いじめ問題と絡めてプログラムの中にも取り入れている。
http://ericweblog.exblog.jp/11411425/

■研修プログラムはこちらから
3.5時間
http://ericweblog.exblog.jp/11389935/
5時間
http://ericweblog.exblog.jp/12992392/
大阪の仲間との取り組み
http://ericweblog.exblog.jp/12161870/

「「作法」に寄りかかってきたこの百年から脱却しようとするならば、見知らぬ他者との交わり方はこの先の日本語コミュニケーションを決める大きな要素になるだろう。」

そして、
「日本語が、成熟した「親しさのコミュニケーション」の担い手になっている姿を思い描きたい。」186

と言いながら、何もしないのは、とっても不誠実だよね。

五十年後

とは、第1期国語審議会「これからの敬語」のことでいる。1952年。
2000年の最終期国語審議会。「現代社会における敬意表現」166

敬語の機能は「距離を置くこと」
標準語は「よそ行き」の言葉で、親しさを伝えるのが不得手。166



「日本語リテラシー」放送大学2016年
https://sites.google.com/site/takiuramasato/project-updates/ribenyuriterashihaopingfangyingzhongdesu20165


標準語について宮沢賢治の「風の又三郎」をひきながら、作られた言葉としての「標準語」が醸し出す距離感10

わたしは「方言」にはあまり階級遵守語的要素はない場合が多いと思っていた。

また、標準語として「役割語」がある。
「博士」の「じゃろ?」、お嬢様の「・・・わ」。現実の言葉では誰も言っていないのに、書き言葉では、ニュアンスを彷彿とさせる言い回し。15

日本語は「あいさつ文化」だというが、トルコ語も負けていない。というか、それ以上だ。「あいさつ」程度とは思えない「お慶び申し上げる」とか「神様のご加護を」などなど、延々と続くのだ。通りで、トルコにいる時に、「今なんて言ったの?」とわたしの質問に対して、「あいさつだよ、適当に返しておけばいい」とよく言われた。

Hi!だけで要件に入れる英語の方が珍しいんじゃないか?
by eric-blog | 2017-03-02 13:22 | □週5プロジェクト16
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