映画『Tomorrow パーマネントライフを探して』

映画『Tomorrow パーマネントライフを探して』

シリル・ディオン、メラニー・ロラン監督、2015年、フランス


チラシより何より、このホームページが情報満載。映画では追いきれなかった情報もトレースできる。12/23から渋谷イメージフォーラム及び全国で公開開始。

http://www.cetera.co.jp/tomorrow/


ワークショップ付きの、GEOCでの試写会に参加。

まずは、映画の内容について。

五部構成。


1. 農業

2. エネルギー

3. 経済

4. 民主主義

5. 教育


それぞれの柱について、先進事例が紹介されている。


何回も書いているが、繰り返して言う。


地球環境問題が喧伝され、人口に膾炙するようになったのは1970年代である。

すでに半世紀を過ぎようとしている。


同時に「教育の人間化」と言う、科学教育中心主義の「専門家」や「研究者」の育成のための教育ではなく、持続可能な人間らしい社会を作るための社会的営為が教育であると言う認識が広がったのも、その頃からである。1976年のユネスコ勧告がそのことをよくあわらしている。


日本では、天皇制礼賛、元号復活、国旗国歌、そして、女性解放運動に対するバックラッシュと、1970年代から、運動の方向性が揺るがされるようなことが続いて、いまに至っている。


もちろん、その間、人権教育の10(199-2004)ESD10(2005-2014)、総合的学習の時間の導入(2000年から)などの変化があり、

子どもの権利条約が1990年、障害者の権利条約が2008年に発効するなど、

社会的弱者に対する権利保障を進める国際的な合意、そしてそれに伴う教育・啓発の推進が確認されてきています。


1992年のリオサミット以来、一般に対する啓発・教育が行動計画の柱に必ず入るようになってきているのと同時に、教育の側からも、「ESD持続可能な開発のための教育」と言うように、環境や人権などの人類共通の課題についての教育は、「あらゆる機会に、あらゆる人々に対して」行われるべきことであることが宣言されています。


すでに、合意もなされ、教育が変わらなければならないことも、確認されて、半世紀がたっていると言うことです。


この映画がショックなことは、わたしたちが継続してこれなかったことを継続して実らせている人たちがいると言うことでした。自分自身の努力が足りなかった。「教育」と言うミッションを自分では選んだつもりでしたが、それでは十分ではなかったと言うことです。しかも、彼らが取り組みだしたのも、1970年代からと言うもの、そして21世紀になってからと言うものなどがあるのです。


今、ここから、始めること。世界は動き始めている。



1章 農業

デトロイトは150万人ほどの人口がリーマンショック、あるいは自動車産業不況以来、40万人程度まで落ち込んだ街だ。シャッターの降りた建物が広がり、町の活気はなくなっている。溢れる失業者。

食料の90%は小規模農家によって賄われている。大企業に頼るのは間違っている。


次のような描写は『Edible City』と同じだな。

イギリスの事例は、Todmodern!

始まった取り組みは、『Incredible Edible』。空き地に菜園を広げていく。

雇用を生み出す。食料を生み出す。

経済を変える。


https://www.incredible-edible-todmorden.co.uk


2章 エネルギー

化石燃料はいずれ枯渇する。また化石燃料は地球温暖化を促進する。

自然エネルギーなどへと方向転換が求められているのは、今に始まった事ではない。

風力発電と地熱発電でエネルギー自給を目指すアイスランドの事例、

オランダ、など。


3章 経済

ここでは地域通貨の事例が紹介されている。

イギリスのブリストルでは市長の給料も地域通貨で支払われて居て、

それはすごいと思った。地域通貨が機能しないならば、給料もないからだ。

http://bristolpound.org

エネルギーも開発しているし、つまりは投資にも活用されているところが、これまでの「サービス」交換だけの地域通貨との違いかなあ。


4章 民主主義

地域経済のことは、当然民主主義につながっていく。


5章 教育

そして、民主主義のことは教育へと。

1970年代から時間をかけてフィンランドの教育は変わってきたと言う。

いまや、フィンランドでは「宿題なし」「ヨーロッパで一番学校にいる時間が短いカリキュラム」であるにもかかわらず、トップの成績をキープしている。


最後にGEOCの星野知子さんに羽仁カンタさんがインタビューして、終わった。

彼女のコメントは「ここに紹介されたことは、日本でも言われて居たことなのに、それを実現している人がいることがすごい。農業の多様性に気付かされた。

わたしができることとしては、住んでいる千葉で、グリーンカーテンなどを広げている。千葉県は人口的にも面積的にもデンマークと同じサイズ。できることがあると思う。」


千葉ではSolar Sharingという試みも始まっているらしい。ソーラーパネルの下の土地で農業をできないかという試みらしい。とは羽仁さんからのフィルイン情報。


大企業や地元の議員たちにも見せたいとのことでした。そうかなあ?


■ワークショップと言っても、ペアを作って、羽仁カンタさんが出すお題について話し合うだけ。


  • 映画の中の印象的な言葉
  • 未来のために自分ができること
  • 映画を誰に見せたいと思ったか


会場は圧倒的に若い女性たちで占められていて、私のような年齢の人はわずかにもう一人ぐらい。若い男性も1/3くらいはいたか。


そのあまりにも必死な眼差しに、胸を突かれる。


ペアの相手は20代後半か、「東京を生きている」赤い口紅にくっきりとした化粧、黒系で統一されたお洋服に、手には『Sophie’s World』の原書。思わず「何語で話せばいいんや?」と思ってしまうような、日本語の下手さ。と言うか、発話が出てこない。


以前、研修で海外ふらり一人旅好きの人が言っていた。「外国じゃ、こんなおっさんとでも見た映画のことやなんかで気軽に話せて、Have a nice day!なんて挨拶を交わすことができるんだ」。それが、日本にはないんだと。


かなり緊張していて、困ってしまうぐらいだったが、なんとか会話。

未来のために自分ができることは「知ること、伝えること」「でもそれじゃあ行動がないですよね」と本人が言い、なんとも返せず、わたしの企画「垂直農場」について語る。


映画を見せたい人の名前があげられないと、凹んでいる。


孤独が身にしみたワークショップだった。ファシリテーター養成や地球環境基金の説明会などと、全然違うのだなあ。客層が。


【関連情報】


■ロブ・ホフキンス、食べ物、家、エネルギー

https://www.ted.com/talks/rob_hopkins_transition_to_a_world_without_oil

持続可能性は、「移行期」によって前に進んでいる。


  • エリザベス・ハドリー

https://woods.stanford.edu/about/woods-faculty/elizabeth-hadly


  • ヴァンダナ・シヴァは言わずもがな。
  • ジェレミー・リフキン氏、未来学者
  • オリヴィエ・ドゥ・シュッテルではヒットなし。アグロエコロジーで検索すると、キューバの吉田太郎さんの本がヒットする。
  • アンソニー・パルのスキーもヒットしない。
  • 良心的抵抗への呼びかけ:地球と人間のためのマニフェスト   ピエール・ラビ/著、訳者の方はキリスト教などの翻訳本が多い。面白いね。
  • ヤン・ゲールさんの本まで翻訳されていることには驚いた。日本の翻訳文化、凄すぎ。『パブリックライフ学入門』街の中心部の公共空間をデザインする。コペンハーゲーンやNY!
  • ティエリー・サロモン、http://kobajun.biz/-ついにフランスでも脱原発!スケジュール公表/、ネガワットnegaWatt代表
  • ベルナール・リエターはベルナルド・リエター『マネー:人はなぜおカネに魅入られるのか』『地域通貨』
  • David Van Reybrouck、洋書のみ、コンゴ、https://www.amazon.co.jp/David-Van-Reybrouck/e/B00IRO7MHK/ref=sr_ntt_srch_lnk_4?qid=1481507891&sr=1-4-fkmr0
  • エランゴ・ランガスワミー、村長さん

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by eric-blog | 2016-12-11 16:16 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)
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