東京を生きる
雨宮まみ、大和書房、2015
2662冊目
『女子をこじらせて』と言うタイトル。すごくないですか?
老後のために貯金しなくちゃと思いながら、
なんで消費するのか、わからないと言いながら、
クラブに終電で行き、タクシーで帰宅する。
ワンルームやアパートに住み
ブランド物の出で立ちに身を包み
東京を闊歩する。
憧れの東京を生きる。
すごーい!
なんて思いっきりのいい生活だ!
ビンボーなのにビンボーたらしさが全くない。
そんなみかけではわからない「東京人」が
ものすごいスピードで地下鉄の構内を
歩いていく。
東京って、そこに住む人の、こんな心意気で
「憧れの街」であり続けているのかあ、と
注ぎ込まれている血潮の熱さと熱狂に
クラクラしてしまった。
で、そのことをクールに書いているのが、雨宮さん、なんだ。
クールに書いてはいるが、クールに生きれているわけじゃない。
そこが東京らしさ。
消費の街、東京を見る目が、変わる?
そして、それはニューヨーク、パリ、ロンドンなどの「憧れ」の街に共通している。そこに暮らす人たちは、街の出演者たちなのだ。
彼らが憧れを生きることが憧れの街の生命線。
東京が生産しているものは、なんなのだろう?
わたしはなぜ東京で住んでいるのだろうか?
なんて奴まで住んでいるのが、東京だけどね。
「憧れ」や「らしさ」や「なりたい私」やらの参照じくが強い人ほど、
こじらせやすいよね。
なーーんもなかったなあ。東京に対して。お子ちゃまのおとうさんが居ただけで。
何によらず、こだわりがなさすぎ。