外国人研修生殺人事件

外国人研修生殺人事件
安田浩一、七つ森書館、2007
2629冊目

2006年8月18日、千葉県木更津市の養豚場で起こった殺人事件。被害者は団体職員62歳、加害者26歳の中国人男性「外国人研修生」。

このニュースに接した時、著者はすでに行なっていたいくつかの取材から、ピンときた。

研修生という名の奴隷労働。搾取。
そして、その労働現場と中国など送り出し国を結ぶブローカー、日本国内で労働力不足の現場と「技能実習生制度」とブローカーを結ぶ団体の存在。

どこかデジャブ。そう、外国人花嫁さんの斡旋業者にも似ている。
どうして、いつも「間」を取り持つ人や組織が儲かるのかなあ。日本が発見した「商社」という構造そのものなのか?

1991年、政府関係機関、財団法人・国際研修協力機構(JITCO)設立。

2年後に技能実習制度が生まれ、97年には研修実習合わせて三年間の滞在が可能になった。

年間5万人の来日。

典型的な天下り団体。

2006年には実習生に対する人権侵害で訴えられている。128

送り出し機関に70万円も払って来日した実習生。どんな労働条件にも交渉する力はないに等しい。

なぜこんなことになるのか? 国策がらみで始まったことが利権構造そのものになる。

ある中国人ジャーナリストは言う。「日本人は外国人を恐れているように見える。」
「恐れているから、いつまでたっても外国人を受け入れることができない。奴隷のように扱わないと、自分自身が安心できない・・・堂々と外国人を雇用し、その権利が守られ、さらには中小企業が生き残ることのできる産業政策を生み出すしかない。」191

告発されればされるほど、びじねすかし、巧妙になっていく技能実習生制度。

恥ずかしいなあ。この国。

想田和弘さんの観察映画『牡蠣工場』

みたいな例もあるのだろうけれど。

■反貧困でつながろう 改正入管法対応 外国人実習生支援ガイド 国境を越えた仲間たち、榑松佐一、かもがわ出版、2010
http://ericweblog.exblog.jp/22814815/

■<研修生>という名の奴隷労働 外国人労働者問題とこれからの日本、花伝社、2009
外国人の方がコストがかかる。(永山利和) 義理と正義のおかしさ。
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by eric-blog | 2016-10-27 15:56 | ■週5プロジェクト16 | Comments(0)
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