差別用語の基礎知識

差別用語の基礎知識
高木正幸、土曜美術社、1988, 1989, 1992, 1996, 1999第五版
2622冊目

新編というのも1991年に出たようだが、もうすでに中古。
出版社のホームページを見ても、’99年版が最新のようである。

この本を参考に人権教育の「差別用語について考える」(人権教育ファシリテータ・ハンドブック、p.71-72)というアクティビティを作った。にもかかわらず、ブログに紹介していなかったことに気づいて、今慌てて、’92、’99を引っ張り出してきている。

アクティビティのねらいでも紹介しているが、「言葉狩り」ではなく、差別をなくすこと、社会の体質改善が課題なのである。

1975年9月29日の解放同盟中央本部による「差別語問題についての我々の見解」は、いつ読んでも身が震えるような文章である。347-

差別の目的は分断と搾取。「余計者」「厄介者」と差別し疎外する。354

18ページにも及ぶその中からどこをと選ぶのも難しいが、部落問題以外のことについて言及しているところを紹介しておこう。

「マスコミやテレビ局の、この種の言い換えは詐術に近く、差別語追及を、こうした言い換え、置き換えで満足していてはならない。
「メクラ」「ビッコ」というコトバが、差別を生むのではなく、「メクラ」「ビッコ」が人権を奪われ、差別される存在として、この社会に置かれていることによって、これらのコトバが差別の色合いを持つのだ。」360

コトバはひとの意識に働きかける。

古典芸能などに使われるものについては問題ないのだとしているのだが、刷り込みは怖いよね。言うほど新作落語の世界は広がりもせず。
ジェンダーの観点から言えば「主人」とか「家内」とか、公共の場で無批判に使われすぎているし。使われ続けることに、再帰的刷り込み力とその意図を嗅ぎとってしまう。そのような表現をする女性を「愛い奴じゃ」と舌舐めずっている構図に虫酸が走る。


その他、各種の見解として、以下が紹介されている。
解放同盟
部落解放同盟
文芸家協会
放送作家協会
などの声明である。

ま、作家の方は「規制に反対」ないし慎重ということだけれど。

最近では「ヘイトスピーチ」と言う表現が差別用語に取って代わっているのだろうか。差別用語がマスコミや表現者らの使う言葉を問題にしたのに対して、ヘイトスピーチは、嫌韓嫌中などナショナリスティックな色合いや明治以来のアジア蔑視の再燃の兆しなども見せながら、特定の団体や個人が、攻撃的に使っているものだ。

■大阪市の条例 平成28年7月1日
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000339043.html


今回の沖縄県高江での警察・機動隊による「土人」発言は、国家権力の手先として弾圧のために送り込まれた先兵による暴力である。

一応の民主主義国家であるために、あからさまな暴力を振るうことができない彼らのフラストレーションの表れである。

現場における暴力は「スラップ訴訟」、「見せしめ逮捕」、行動規制など続いているが、警棒・警杖は投打に使っていない。数の力で住民・市民を排除し、威嚇し、分断し、監視し、隔離しているのだ。

コトバの暴力に対して、わたしたちができることは、ことばであるはずだ。

■青年法律家協会は、弁護士や学者でつくる団体です(会員約2500名)。
その 大阪支部が2016年10月20日に発表した声明文を紹介します。
同日、大阪府庁にて知事あてに提出されたものです。

大阪府機動隊員および松井知事の発言への抗議声明

―― 沖縄の人々への「土人」などの暴言は許されない ――http://osakanet.web.fc2.com/seihokyo/statement20161020.html


■発言についてのニュース。沖縄県警は謝罪。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6218079


あの、解放同盟だましいはどこへ行ったのか。

こんな動きはあるのにね。
http://www.bll.gr.jp/news2016/news20161017-6.html
[PR]
by eric-blog | 2016-10-21 13:18 | ■週5プロジェクト16 | Comments(0)
<< ハーフが美人なんて妄想ですから... ヒロシマの九日間 >>