悔しいが、電話かけボランティアをやっていて感じる実感もこの通りだ。改憲には反対なのだが、自公以外のどこに入れたらいいのか、わからない。民進には懲りたし、共産なんて考えることもできない。では、有象無象の新しい党のどこかに投票するかと思って、選挙公報に目を通すが、確信が得られない。それならもう棄権するか? なんて人がいる。改憲反対の心は決まっているのに、投票行動は決まらない。 人の投票行動を変えるのは難しい。 なぜなら、投票は「しがらみ」と地縁血縁の結果だから。 自民党は仕事を持ってくる。特に建設系。断れない。 自民党の人たちは地域の祭りを牛耳っている。自治会の金なんかで、どこの商店から酒を買うか、商品を買うかを決めている。人のふんどしで権勢をふるうのが上手だ。 自民党は大企業を押さえている。どこに投票したかはわからないはずだと思うのだが、「自由」は剥奪されている。 大企業で働いている労働人口なんて、微々たるものだ。しかし、それ以上に、中小、零細は、地域のつながりに縛られている。 電話かけボランティアをしている時に、「高飛車な!」とどなられた。いや、あの、戸別訪問はできないんですけれど、何が高飛車なんだろうか?と考えた。 選挙の時だけ電話かけてきて、「高飛車な」 なんの利害もないのに頼んでくるなんて「高飛車な」 人にものごとを頼むとはどういうことかという理屈で考えると、「高飛車」だと思うのがよくわかる。 しかし、政治は「依頼」ではないのだ。政治はあなたの選択なのだ。 いつのまに「政治」が「依頼」になってしまったのだろうか? 特に、国政選挙が? ローカルなしがらみがそのまま国政選挙にも反映されているいまの選挙。 しかし、そのような投票行動に安住している人たちが気づいていないのが、昔はローカルな地域ボスが持っていた中央に対する交渉力など、もう存在しないのだということ。「下請け」に成り下がっていて、彼ら自身が成り上がるためにローカルな票を必死になってとりまとめているだけなのだということ。 どこまでローカルな利害が踏みにじられるような中央のあり方を忍従するのかが、今回の「一人区」では問われている。 しかし、人の投票行動を変えるのは難しい。 ローカルな利害共同体、郷党型つながり、地縁というものを断つことは、こわいからだ。いつものおつきあいにひびが入る。 ひるがえって、では、わたしがそのような強固な投票行動を「たばねる」ことができるか。 若い時からずっと「テーマ型コミュニティ」に所属してきた。「国際会議Goer」であった時期すらあった。その時、「国際会議Goersコミュニティ」では、「ここでの決定に意味を持たせるためには、自国、地域での活動が大切」と言っていたが、それができる人等、少なかったはず。 およそ、四年制大学に進学するということが、「地域」から独立した働き方の選択であり、「地域のコネ」と無縁な就職活動や職業につくということだ。 いま、憲法学者の7割が安保法制を違憲だといい、成蹊大学で安倍晋三さんの指導教官だったという人が、安倍氏の無知をしかり、大学教授である小林節さんが新党を立ち上げている。 そんな人は、人口の1割以下なのだ。 イギリスの残留派と離脱派を「貴族のヨーロッパ全部にわたるつながり」を支える富裕層とインテリたちと、「ローカルな被支配層」の対立だと解説していた人がいた。 日本においても同じなのだ。 ただ、日本が怖いのは、ローカルがナショナルに組み込まれたかつての歴史が、自治会や交通安全協会などの土着の組織によって、その形をとどめていることである。 ナショナルがローカルを収奪し、裏切ったその歴史を、ローカルは越えていない。 名士は名士のまま、郷党は郷党のまま。息子や稼ぎ手を奪われた人々は、涙をのんで、がまんを続けてきたのだ。彼らの死が報われないのは、「リベラルな国政のせいなのだ」と矛先をずっと間違えたまま。 隠された情報がある中で、見極めることは難しい。 今回の選挙は、裏切られ続けてきたローカルが、ナショナルと切り結ぶ方法を見いだすことができるかどうかの闘いでもある。が、しかし、そのことを認識できている「テーマ型コミュニティ」の住民は少ない。 つながらなければ生きられない人々のことを 「実力」で生きてきた人々は理解できない。 そして、「怨」をかかげて、ナショナルを撃つには、ローカルの段階ですでに押さえつけられすぎている。 何重にもねじれた日本の選挙。 しかし、それはたった17%の人々のこと。 8割を越える人々は、自由なのだ。 そして、彼らはその自由を「投票にいかない」という選択肢に放埒するのだ。 http://ericweblog.exblog.jp/16995469/ http://ericweblog.exblog.jp/15658451/
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