ESDfc2015 テーマ「人権」記録

ESDfc2015HR記録
2015年9月26-27日

セッション1 共通基盤づくり
11:00-13:00
1. ジャーナルづくりで自己紹介
2. 研修・学びあいの場でのコミュニケーションの課題
3. 二日間の心がけ
4. 人間のコミュニケーションについて考える
5. 傾聴

今回の「共通基盤づくり」はおもしろかった。
「話し合いの心がけ」というのは必ず共有するのだけれど、その前に自己紹介などを行う。何か「操作的」な、つまり手を動かすものが楽しい。
今回は、「ジャーナルづくり」。まずはA3用紙に切り込みを入れて「パタパタ四つ折り」ノートを作ってもらう。あっという間にできたのが小学校の先生。さすが。
その表紙(A6サイズになっていますよ)に、自己紹介としてのワンポイントを書いてもらいます。色とりどりの縁まわしをきれいに書いた方がいて、刺激を受けました。
その作業の後、ワンポイントの自己紹介と研修への期待の二点を全体で共有。

そういうところから、参加者のニーズが見えてくる。抽出したのは「これまでの研修で感じたコミュニケーションの課題」。そのテーマについて個人作業[1’]、ペア作業で共有[2’延長してもう2’]、全体共有[20’]。共有した言葉は「異和感」。こういう時に共有された言葉は、研修を通底するキーワードとして、ずっと共有されることがありますが、今回もばっちりそうでした。

コミュニケーションの課題を全体共有し、板書しました。

□研修・学びあいの場でのコミュニケーションの課題=これまで感じた異和感


これまで感じてきた課題を踏まえて「二日間のコミュニケーションの心がけ」を考えました。ペアで考えてもらったものを全体共有。これは研修の間中、立ち戻るものなので、板書は紙に。書いたものは白板に掲示しておきました。

次の日、一日だけ参加の方がいて、共通のコミュニケーションのルールを共有するのに役立てたのと、「残された課題」の中でも、もっと深めたいと取り上げられました。「共有度」の高い言葉や課題がある研修は、深まります。

□二日間の心がけ


■配布資料より 「広げ、深める質問」


■なぜ「ネアンデルタール人」なの?

ポイントは、「学び」を表面的な知識にとどめずに、価値観や行動変容につなげていくこと。そのためには「からだ全体Holistic」な学びが大切。
そのためには「ネアンデルタール人」のコミュニケーションに学ぼう!

実は、ネアンデルタール人だけでなく、無文字を選択した人類のほとんどが、同じようなことを指摘しているのです。

無文字を選択した人類というのは大きくわけると三カ所に分かれています。
一つは、アフリカの多くの民族。
二つ目は、オーストラリアのアボリジニ。
そして、3つ目が北米インディアンです。

インカ帝国も文字を持っていましたが、その文字の共有が神官らだけに限定されていたということを考えると、中南米も四つ目の分類に入るかもしれません。また、イヌイットと呼ばれる北極圏に生きる人々も、日常生活的には無文字だと言えるでしょう。

アフリカの無文字の民族の一つ西アフリカのモシ族については川田順造さんが研究し、何冊も本を出しています。音楽で民族の歴史や経験を伝承しています。

北米インディアンのケースが面白いのは、文字化されていく極東を経ていったはずなのに、無文字を選んでいること、自分たちの歴史を「口承」で残したことです。

川田さんは無文字社会について「声」と「語り」が個性的であり、均質化されていないことを指摘しています。
北米インディアンの口承の語り部であるアンダーウッドさんは、語り部の力量について「3つの語り方ができること」と言っています。多様なモードで語れること、相手に合わせて語れることが、知恵の伝承においては大切だと指摘しています。

現生人類は文字化した人々と無文字を選択し続けた人々で構成されているのです。
プラトンは文字化することについて「表面的な博識者になる・ウソをつくようになる」というような課題があることを指摘していたと川田さんは言います。

まさしく、これは、いまの時代に、わたしたちが感じている社会的な課題ではないでしょうか? 知識が生活や生き方を豊かにすることに結びついていない教育。口先だけの嘘を着く社会。

もし、わたしたちが無文字で生きるということからの知恵に学ぼうとするなら、現生人類の前の人類、そして、あるいは歴史のどこかの段階で、どこかの地域で混交して生きていたかも知れないネアンデルタール人のコミュニケーションから学ぶというのはどうでしょうか?

それが『歌うネアンデルタール』のHmmmmなのです。

H Holistic 全体的で
m multi-modal 多様なモードを活用する
m musical 音楽的で
m manipulative 操作的で
m mimic 模倣的、(わたしは「ミラー」のような活動がこれにあたると感じています。)

全体言語主義(Whole Language Approach)というのはPLTの方法論の五つの理論的背景の一つにあげられています。

また、多様なモードでというのは「多重知能論」によって7つの知能として整理されているものに近いでしょう。

その他、音楽を共有する、いっしょに手を動かす、共振する、などは、多くのアクティビティに取り入れられている手法でもあるのです。

地球のいのちの歴史のすべてが、わたしたちの中にある。そして、そのいのちが、いま、あなたという形をとって、生きている。

人間っていいなあ。いいものも悪いものも、大切にしたいものも、変えたいものも、すべて、わたしたちの中にある。

わたしたちの中にある種に「水」をあげるのが人権研修。どの種を育てたい?それはなぜ?

セッションの最後は、軽く「傾聴」をして、次のセッションへ。今回は「傾聴」ではなく「広げる・深める相乗効果」を目指して、お互いからどん欲に学びあうコミュニケーションを探りました。そのため「傾聴」のトレーニングはスルーでしたね。


セッション2. 流れのあるプログラム「わたしの異和感についてみんなの頭で考える」
14:00-16:10
1. 「ニュースレター」を読む[個人作業→「わたしの異和感」の整理→ペアで共有]
2. それぞれの異和感を掘り下げる[「わかるvsわからない/同意するvs同意しない」の二次元軸、あるいは「わたしの異和感」なぜなぜなぜの分析図]
3. 「解放区」はないやろ! その異和感はどこから?
4. あなたならどうする? ニュースレターの発行者に手紙を書こう!
5. 慰安婦問題を取り巻くさまざまな立場
6. みんなの頭で考える流れのふりかえり、学んだこと・応用できること

その日の朝読んだ某団体のニュースレター。内容はともかく、見出しに使われていた言葉に「カチーーーン」。こうなると、人権研修のネタに。どんな流れを事前に考えていたとしても、「許せない」気持ちでぶっとんでしまう。
後で、あああ、ちょっと飛びすぎていたなあと、ふりかえるのだけれど、強く感情が動いているものは伝わりやすい。案ずるより生むが易しなのがホットなネタです。ドンマイ、ドンマイ! 使い古されたアンチョコ・ワークシートより、手書きのペーペー。ですよ。ライブなのは。



セッション3. ふりかえりと参加型学習の特徴とすすめ方
16:20-18:00
1.  「さまざまな感情」でふりかえる。


2. プログラムの流れを「流れのあるプログラム評価表」でふりかえる。四つの活動形態と活用のポイント。


3.  参加型学習の特徴

このセッションで新しかったのは、「さまざまな感情」でのふりかえりで共有された「学びを阻害するもの」こそが、学習者が価値観を揺さぶられ、とまどい、たたずみ、自分を守ろうと拒絶的になっている局面なのではないか、その時こそが最大の学びのポイントとなり得るのではないということでした。
「学びを促進するもの」にあげられているものは、確かに学びの場の条件を整えるものではありますし、参加しやすい条件でもあります。しかし、決してそのこと自体が学びのポイントにはならない。

その感情を感じている時の背景の価値観はなんだったのかをふりかえることで、学びを阻害しているものは、実は、自分の中にあることを知るのではないでしょうか。

ちょっとおもしろいですね。

さらにすすんで、それらの感情を「学びのバリア」と呼んで、セッション6の「残された課題」で再度考えることができたのは、とても良かったです。

「無関心の悪循環」を破ろうというのが、ERICの参加型の出発点です。これらの感情は「学びのバリア」ではありますが、無関心、無感情よりは、よいのではないでしょうか? 少なくとも、対策をたてることは可能ですよね。

セッション4 アクティビティ開発
9:00-11:10
1. 昨日のふりかえりと学んだことの共有
3つの学びと、新しい参加者に伝えたい・共有したいこと一つ
◎異和感を取り出すことで、学びにつながる
◎参加者の怒りもOK
◎名付けること 参加のバリアから学びのバリアへ
◎ネアンデルタール化
◎深める広げる相乗効果
◎サポーターシップ/リーダーシップ
◎めざせ「目からウロコ」

「めざせ満点アドボカシー社会」の共有

2. アクティビティ開発
異和感リストを洗い出す
12のものの見方・考え方とのかけ算
3. 経験学習の四段階、起承転結でプログラムの流れへと構成する





セッション5 アクティビティ実践
12:00-14:00
1. 人生BeHappy!
2. 「仕方ない」は仕方ない?

■プログラム評価の視点の共有

セッション6 ふりかえりと個人的行動計画
14:00-16:00
1. ジャーナルで二日間をふりかえる[個人作業]
2. 達成できたこと/残された課題[個人作業→全体共有]
3. 赤青緑のチームで「残された課題」を分担する。
赤 異和感を引き出す感性を磨くには?
青 Hmmmmを取り入れる
緑 学びのバリアを名付ける
4. 個人的行動計画・プログラム改善立案



■残された課題 3つ
➢赤 異和感を引き出す感性を磨くには?
➢青 Hmmmmを取り入れる
➢緑 学びのバリアを名付ける


➢赤 異和感を引き出す感性を磨くには?


□ネガティブな感情こそが大事  でも、保っていると不健康。工夫する。

➢青 Hmmmmを取り入れる



緑 学びのバリアを名付ける

実りの多い二日間でした。

■深めたい課題
➢学びのバリアの分類と名付け
➢学びのHmmmmを活かすアクティビティの分類と整理

PDFはこちらから
https://www.dropbox.com/s/ailm7hjgm4d5po5/ESDfc2015HR%E8%A8%98%E9%8C%B2.docx?dl=0


■学びのバリアに名付けてみた。
学びのバリアいろいろ

◎無関心の悪循環
◎社会的慣習・学びのスタイルについての思い込み
◎心のバリア・防衛心理
◎心の省エネ
◎からだの慣れ・生活習慣
◎自尊心
◎学び方を学んでいない
◎自信のなさ、セルフエスティームの低さ
◎自己決定への不安
◎差別する側、権力の側への馴化、同化による自己防衛
◎未知に対する恐怖心、変化への恐れ
◎学習性無力感

■フィードバック
佐藤です。
2日目だけの参加でしたが、皆さんとの学び合いの余韻が3時間半後の今も頭をめぐっています。
以下、特に印象に残っている5点を共有させて頂きます。

 1.配布された『いつでもESD! ファシリテーター・ハンドブック2015』が素敵です。A4版の質感が私好みです。

 2.そのハンドブックのp.50に記載されている個人的行動計画を使って、セッション6で計画した内容を現在、実践しています。強力な実現支援ツールです。

 3.先週、3日連続で体験学習した「ホワイトボード・ミーティング®」をペアワークで実践しました。オープン・クエッションやあいづちのフレーズを意識的に使うこと、3色のペンを目的合わせて使い分けること等、進め方が先週よりスムーズに出来た感がありました。
http://wbmf.info/whatwbm/

 4.地元で実施している両親学級で行っているダイヤモンド・ランキングの進め方への改善案を得たことは、予想外のうれしいお土産になりました。

 5.少人数でのワークショップには、安心しながらじっくりと学びを深め、広める心地よさがあると再確認できました。

明日からは、記録を見返し、読み返し、ふりかえりを随時おこなって、学びを血肉化してゆきます。
ハンドブックはしばらく常時携帯したいと思います。
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by eric-blog | 2015-09-28 20:23 | □研修プログラム | Comments(0)
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