RE: プログラム いじめちょっとでもなくしたい 人権でつながったわたしたちの軌跡
Survival 13 実行委員会編著、私たちには夢がある!ブックレット 6、八尾市人権協会、2015
2503冊目
姫路市の全中学1年生に対し、三年間いじめ防止のためのプログラムを提供してほしいという依頼が、KARALINに飛び込んだ。2013年6月から2014年2月にかけて、13校51クラス、1800人の中学一年生にRE*プログラムを届けた。2014年度は11校34クラス。2015年度まで継続予定だ。そして、それ以外にも八尾市の中学校でも実践されている。
中学生を対象としたRE:プログラムは、二時間プログラムである。
なぜRE:なのか。答えはどこにもない。しかし、今回のTESTに参加してくれた人が中心的な担い手になったプログラムであり、そして、「再方向付け」など、多くの「re」ワードがあることに気づかされる。
Rights Education
人権教育。
気持ちに気づく一限目。
「不当」な取り扱いを受けたらどう感じるか、どうするか。
子どもからの感想もたっぷり紹介されている。
「いじめ撲滅」とありえない目標をかかげるのではなく、「いま学級でいじめられている子どもがいる。その子に、なんとしてでも生き延びてほしいというメッセージを伝えたい、メンバーの一人は言う。
姫路市教育委員会はこの取り組みをどう評価するのだろうか?
コンピテンシーをのばすための教育は
・自己習熟アプローチ
・プログラムアプローチ
・学校全体環境アプローチ
のようなメディアミックスで伝える努力をしなければ定着しない。今回はプログラムアプローチ。しかも年間カリキュラムですらなく、単発の2時間のみ。
自己習熟アプローチをサポートするための「サバイバル手帳」をご提供。なかなかやるね。
RE:プログラムのメンバーには、姫路市の学校がどう変わったかを、ぜひ評価してみてもらいたい。学校風土は変わるのか?
生徒用プログラムだけでなく、教職員全体に対するプログラムも必要だ。
学校におけるジェンダーを「再方向付ける」ためには、紅白の帽子や、男女での列の並び方から変えていく必要がある。男女混合名簿だけで「再方向付け」を終わったのでは、変化は起こらない。ジェンダー平等にむけて変化し続けることが「再方向付け」なのだから。