普天間を封鎖した4日間 2012年9月27〜30日
宮城康博、屋良朝博、高文研、2012
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本土メディアが伝えなかった在日米軍基地で起こった出来事。
米軍普天間基地の封鎖。
ハワイのウポル空港は、オスプレイの引き起こす激しい下降気流が、1600メートル離れたカメハメハ大王生誕地という歴史遺産に悪影響を及ぼすからという住民の反対運動で使用を断念しました。62
イタリアやドイツは、米軍基地にも国内法を適用して、好き勝手にさせません。63
日本政府の卑屈さ。
海兵隊を運ぶ艦船の基地は長崎佐世保。福岡に基地を置いた方が、よほど効率がよい。
沖縄県知事、県議会、市町村長、および議会がすべてオスプレイの配備に反対する中、2012年9月、沖縄へのオスプレイ配備が行われた。それを阻止しようとして、普天間基地が閉鎖された。
1995年の少女暴行事件の後、米軍と米国政府は、基地の本土移転を提案してきている。2012年の米軍再配備計画でも、岩国に移転することを打診している。それの動きを封じているのは日本なのだ。104
押し付けながら、「日米関係の大切さ」を言い、沖縄の無理解を嘆く。
つまりは、日本は、本土に来た時の反対運動が怖いのだ。沖縄ほど不可視化できないのではないかと。あるいは、米軍の増強を止められない自分たちのふがいなさが、怖いのか。
非暴力直接行動で米軍基地を封鎖できたことは、沖縄に自信を与えた。住民の理解なしで、外国軍基地は存続できないのだ。
米軍による事件・事故、人権侵害、環境破壊、地方自治の制限、政治的自己決定の踏みにじりは、すでに受忍の限度を超えている。
そして、いま、焦点は辺野古の基地建設だ。辺野古基金が創設され、運動の足腰が強まっている。沖縄だけに米軍基地問題の負担と運動を担わせている不感症から脱却しない限り、日本の平和運動の発展はないのではないか。
凧がけっこう嫌われていたという。無人攻撃機による殺人がお手の物の米軍だけに、飛行物体への警戒感が強いのか。まさしく、反対運動でドローンを飛ばしたいぐらいだよね。ウォッチャーを飛ばすことの罪を彼らは何と名づけるだろうか?