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教員研修でぜひ取り入れたい「受け入れる樹」

受け入れる樹

教師のための傾聴のトレーニングとして、「受け入れる樹」を取り入れたいなと思いました。

『レッツ・コミュニケート!』に収録しているこのアクティビティ、最初に経験したのはジョン・フィエンさんのワークショップで、だったでしょうか。あるいはPLT? LCOMに入れる時もすでに原典がわからなくなっているほど、いろいろなところで、類似のワークを体験し、また自分自身も行って来たアクティビティです。

傾聴のトレーニングを、四段階でERICでは整理しています。
・からだ全体で、心を傾けて聞く「聞く姿勢」が伝わる傾聴
・話し手が話している内容を正確に理解するための「正確に聞く」傾聴
・話し手が感じた感情になるべく近い感情を共感する「共感的」傾聴。
・話し手が成長していけるような質問をする「未来をひらく」傾聴

「受け入れる樹」というのは「聞く姿勢」のトレーニングの段階のバリエーションと考えられますが、聞く側、話す側の双方にとって、通常の「聞く姿勢」とは異なる影響を与えるものなのです。

話す側にとっては、安心感が高まります。相手は「樹」です。人間社会を超えた存在です。あなたに対して何の判断もなく、ただただそこにある存在です。何を話しても、安全な相手です。しかし、話し手であるあなたも、「樹」に対して畏敬の念を抱いています。あなたよりずっとずっと長く生き、そして遠くを見、豊かな生き物たちとの交流・関係のある「樹」の経験を思うからです。

聞く側は「樹」になることによって、人間社会のちっぽけさや一生懸命さを、ちょっと離れて見ている気持ちになれます。ちっぽけだからと馬鹿にするのでもなく、そんなことで悩んでいるのかと思うのでもなく、受け入れます。そして、「樹」になることによって、実は、自分自身も、「樹」が経験してきたようなさまざまな環境からの影響、雨風台風のような環境を生き延び、大きくなってきたこと、大地に根をはって支えてもらって来たことを思い出すのです。そのことが、育とうする幼樹に対する暖かい気持ちとなって、樹陽の木・受容の気を送るのです。

このように想像力を刺激するアクティビティをイメージワークと呼びます。そして、イメージワークの多くは、地球意識、宇宙意識につながるものなのです。それは、わたしたちの根っこは、宇宙の、地球の、生き物につながっていることを自覚させるものなのです。

昨日『みんなの学校』という映画を見ました。日々、子どもに向き合っている大人たちはすごいと思いました。どう関わるかが子どもを変えることを実感しました。

語りかけることも大事。でも、時には辛抱強く、子どもの言葉を待つことも、大事なことだと思います。子どもの中からでてきた言葉こそが、子どもの成長なのですから。

「受け入れる樹」。

ぜひ、「傾聴磨き」の一つのレパートリーとして、実践してみてください。

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by eric-blog | 2015-02-22 11:13 | ☆アクティビティ・アイデア
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