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ハイブリッド・ウーマン

92-1(427) ハイブリッド・ウーマン
遥洋子、講談社、2003

わたしたちも「アイデンティティの雑種性=ハイブリディティ」ということを多文化主義においては持っていますが、遥さんの言う「ハイブリッド」というのは、女制性解放に向う過渡期として、ぜっっーーーーーたい、女制性差別の問題など理解できるはずもない男制陣のなかでも、女制性を助けようとする立場にたつ人々を「資源」として活用し、低燃費高出力をめざす女性の技術論として定義するという。

221
「ジェンダーがあるから、男性に牙を向く女性に男性は憎悪をたぎらせる。
ジェンダーがあるから、守ってやりたい女性に男性は誠心誠意がんばってくれる。
ハイブリッドで、後者だけを抽出して資源利用したい」

「風よけ女と向い風女、凪女、嵐の女、そしてそれらを総合したハイブリッドな女」230

「自分が強者なら、弱者側の人間をこれ幸いと叩きのめさず...あらゆる批判を、ていねいな質問に変える話術」231
「孤独を引き受け、自分を信じた瞬間から、ハイブリッドな走りが始まる」234

「もし自らの位置を絶対的正義道徳として固定しているなら、すべての要求は「未成熟さゆえのわがまま」として届くだろう。」55

なんて大変な人々に囲まれて女制性たちは生きているのだろうか。あぜん呆然。そんな感じのお話が、21世紀になっても笑い話ではなく描かれているなんて。

気楽に、楽しく、しなやかに。時代は味方、未来はいつもわたしの手の中に。

『働く...』からもう少し引用しておきたいこと。

・(上野千鶴子に)「先生、女性差別ってなんですか」「ワタシがムカツク、ことや!」176
・「女性差別とは、自分が覚える違和感、苦痛などの原因が、自分が女であることに起因していること」177
・結婚し、姑と同居し、子育てし、仕事している女性に、大きな仕事のチャンスが来た。その時、彼女の夫は言った。「犠牲になる家族に謝れ」232
・「よくも、これだけのびのび高慢に育ったものだ。男性が高慢に育つ裏には、数多くの女性のあきらめがある。   一人の女のあきらめが、社会で常に問題をおこす高慢男を育てる。どうか自分が幸せになることをあきらめないでほしい。それが世のため人のためだ。」238-9
by eric-blog | 2005-07-10 18:12 | ■週5プロジェクト05
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