ステーション・プログラム「PLT緑の学校」
2015年1月18日 10:30-12:30 ■準備物 ➢緑の学校プロップ ➢「学校立地調査」の日本語版 5冊 ➢プログラムのステップ1,2,3 ➢ポストイット ■プログラムの内容 1.ざっくりと読む [3分] 2.「いい点・改善点」 3.できること、バリア 4.日本の現状「類似のプログラムはある?」「市民科学者のためのデータベース」? ■緑の学校プロップ 「緑の学校 5つの特徴」 ➢生徒主導のチームで取り組む。 ➢学校カリキュラムに、環境教育やESDが位置づけられている ➢五本ある調査のいずれか一本以上に取り組み、行動計画を考えている。 ➢PLTの講習を受けた教員が一人以上、チームにいる。 ➢学校の教職員全員に何らかの環境教育指導者育成、専門性を高めるための機会がある。 ■参加者からのインプット □いい点 ・地域の人も「里山保全」を言うが、具体的に何をすることが里山保全なのかわかっていない。この調査は具体的に書いてあるのがいい。 ・植物を調べているのも、どんな分類があるのか、わかりやすい。 ・植物調査はあるが、樹冠被覆率というのを調べているのは新しい。 ・田舎の子どもも、身近に緑があるようなのに、車社会でdoor to doorで送り迎えされている。戸外に連れ出す必要は高い。 ・学校菜園などはすでにあるので、やりやすいのではないか。 ・学校の周囲の林を活用している学校もある。土地を借りて菜園づくりとか。 ・校庭の木から気づきがあるのがいい。調べる内容が深いので、学びがある。学年ごとに課題を決めて取り組むのもいいのでは。 ・先生方が授業案を作って実践しても、継続できない。生徒主導とすることで、学校で6年間3年間継続して通う「子ども」が継続の契機となれないか。 ・子ども主体、子どもの変化が次へつなげる。 ・PLTを通して、子どもが変化した実感がある。昨年、高原財団の助成を得て通った学校から「今年はないのか」と尋ねられている。 ・自然を観察することが子どもの感覚が変化する。 ・途切れてしまうことがないようにというのは日本の学校でも共通の課題だ。 ・実践した学校の校長にも変化があった。校庭のことを一時間も語るように。 ・PLTのプログラムでは子どもの発見、見付けたことを否定しない。子どもの発見にどう取り組むかで教育の質の方向が変わる。 ・緑地率というのがよい。木の観察や樹名板の活動をしているところはある。しかし、葉の量というのはやったことがない。 ・方向性がはっきりしている。 ・学校の植物は種類が多いので、おもしろい。 ・何をするのかがはっきりしているので、できることから取り組めるのであれば、いいのではないか。 ・子どもがからだを動かす、肥満対策をするとなると「体育会系」の発送になってしまうのだが、その発想を変えることができる。緑や自然の中でからだを動かすことにつながるのだという。 ・身近なところから具体的に取り組める ・子どものライフスタイルに関わっている。身近に感じられるのではないか。 ・肥満と運動という視点で改善を考える。 ・自然欠乏症。 ・先生が疲れている。先生の健康にとっても「緑の学校」はよいのではないかという視点はどうだろうか。 ・「しなければならないから」ではなく、「大切にする」気持ちが生まれる。 ・PLTの実践に通った学校では先生の表情が変わった。子どもの変化が先生を明るくした。 ・先生も学校で生き生きするのではないか。 □改善点 ・透水性についてグラウンドの芝生化の取り組みがあるが、野球チームやその他の利用目的とのあつれきがあった。 ・調査のレベルが高い。指導者に高い専門性が求められる気がする。それによって尻込みするのではないか。 ・管理職の理解が不可欠。PLTの講習を受けている管理職がいるというのを条件にすべき。例えば、校長の初任研修の必修にするとか。 ・どの時間でやればいいのか。わかりやすく。 ・生徒一人あたりの緑の面積などを出して比較したりしても、全体としてはおもしろいのではないか。 ・専門性のある人とつながる、地域のリソースパーソンとの連携を意識化する内容が、含まれているといい。PLTの講習では「専門的な知識が求められるのではなく、教員には考え方を教えることが求められている」と伝えているが、この調査の内容からはそのことは伝わらない。 ・学校によっては実施条件が悪いところもある。 ・日本の場合、土着のものを植えても「水やり」は必要なのではないか。米国の状況と違うのではないか。農大の古い校舎跡を芝生にしたが、スプリンクラーで水やりはしている。 □できること ・緑の学校のことを講座で紹介してくことができる。 ・ESDカレンダーなどを活用して、学校のカリキュラムに活動として取り入れるときにわかりやすい。 ・米国の調査の枠組みそのままで、「英語教育」として取り組めないか。 ・英語のウェブサイトへのガイドを作る ・同窓会組織との連携 ・子どもの意見ややりたい気持ちを吸い取って、実践につなげること ・価値を数値化することで、学校を順位づけること、比較すること、目標をもちやすくすることができる。インセンティブが働きやすい。 □バリア ・思い入れのある木を校庭に植えることに抵抗がある。「記念樹」などがあると更地にして校庭を改編する時に障害になると思われている。記念樹の扱いについてのガイドラインが必要。 ・学校の先生が忙しい。 ・ESDの枠組みが決まっていても、やるべきことがたくさんある。メニューが多い。その中で「緑の学校」をどう選んでもらうか。 ・レベルが高く、専門性がないと指導できないと尻込みする。 ・学校による温度差の違いが大きい。 ・属人的。熱心な人が移動するとなくなってしまう。 ・PLTの講習を受けている教員自体が少ないのが、「PLTの講習を受けている教員」がいることという条件のネックになる。 ・木の観察日報など、毎日やるなどであれば、ハードルが高すぎる。 ・造園業者などが学校支援をいやがる。負担が重いので。 ・真剣にならない教員の存在。 ・校長が代わると変わってしまう方針。 □すでに日本で取り組まれていること ・在来の種とりからやって苗づくりは、この近くの「尼崎の森づくり」で行っている。埋め立て地を土着の植生に返していこうという試みで、市民参加で行っている。 ・在来のドングリを植える活動はある。 ・類似の枠組みはない。新しい試みだと言える。 ・ユネスコスクール、エコ倶楽部などかな。 ・学校ISOに取り組んでいるところがある。 ・大学をグリーンにする試みが北海道大学などて行われているのではないか。まず、実践しているところに「認証」をうけてもらったらどうか。 ・大分大学でも持続可能性に取り組んでいるはず、杉浦良夫(日本文理大学)のトキの保護など? ・大学と地域の連携というのもある ・大学に学生の環境委員会があり、継続的に取り組んでいる。千葉大学、岩手大学、三重大学など。 ・緑のカーテンは、競争するように作っている。タニタが資金的に支援している。 ・東京では杉並区を中心に芝生化が進んでいる。 ・セブンイレブン財団の自然学校 ・宿泊訓練を行っている幼稚園など ・大分ではグリーンコープがらみで幼稚園の環境教育がある。 ・校庭の木の名前調べは大分県では取り組まれている。 □市民科学データベース共有 ・サンショウウオ ・セミの鳴き始め、サクラ開花など、季節のものや目撃情報データベースはある。アサギマダラ。 ・巨樹巨木調査は環境省がデータベースを管理。 ・ホタル・ウォッチイング情報などは、観光的な要素が強い。スキー場情報のようなもの。 ・岐阜大学が取り組み始めている。 ・日本自然保護協会がやっているものがある □残された疑問 ・PLT以外にGreenSchoolのような取り組みが米国にはあるのか。 ・調査項目を一つ選んだら、すべての内容をやらなければならないのか。 ・ 【まとめ】 類似の枠組みは日本にはない。従ってやる意義は高い。 学校が多忙であり、すでにさまざまな取り組みがあるので、取り組んでもらうのはハードルが高いだろう。 少しでも実践している学校の取り組みの質を高めるためのアイデアとしてすすめるのがよいのではないだろうか。
by eric-blog
| 2015-01-21 15:09
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