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そして、死刑は廃止された

【参考情報 「死刑と裁判員制度」】

「死刑がひとごとではなくなってしまった。一般市民が人の命を奪う判決にかかわるのはきつい」。神奈川県横須賀市在住の元裁判員、米澤敏靖さん(27)は心の内を明かした。

http://www.asahi.com/articles/ASJ4P5GJSJ4PUTIL03F.html

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そして、死刑は廃止された
ロベール・バダンテール、作品社、2002
2395冊目

1981年、ミッテラン大統領が誕生。そして、9月30日、「純粋で、単純で、決定的な死刑廃止」は、フランスにおいて実現した。

この本は、1972年から1981年のあいだに、著者が弁護士として、死刑を宣告されそうな依頼人の弁護を通して、死刑制度といかに戦ったかの記録である。そして、当時、フランスの世論がどれほど死刑に執着していたか、ミッテランの政治的勇気のすばらしさを語っている。「日本の読者の皆さんへ」より

しかし、その前年の1980年には、死刑判決が続いていた。

「1978年まで、重罪院の陪審員は選別されていた。大多数がリベラルな職業のメンバーや公務員、管理職などで占められていた。平均的な国民よのも教養程度の高いこうした人達のあいだでは、死刑廃止、もっと一般的には刑罰の緩和を望む人の数が多かった。1978年に通ったある法律によって、陪審員は選挙人名簿に基づいてくじ引きで使命されることになった。・・・非議しい判決が増えた」199

1981年3月、ミッテランはテレビの取材に対して「良心において、良心に基づいて、わたしは死刑に反対します。それと反対のことを告げている世論調査を読む必要はありません。過半数の意見は死刑に賛成なのです。わたしは、共和国大統領の候補者です。・・・わたしは思っていることを言います。わたしの信ずること、わたしの心が信じていること、わたしの信念、わたしの文明への配慮を口にします。わたしは死刑には賛成できません。・・・」210

「もっとも基本的な人権は生命への権利なのだから、人権を尊重する社会原則と死刑は相容れない。

死刑はヴィクトル・ユゴーが書いたように「永遠で普遍的な蛮行のしるし」なのである。

死刑廃止は、世界全体のものとならなければ達成されない。

国連加盟国187国中、108が死刑廃止。死刑廃止は多数派になった。

監獄の沈黙のなか、時には数十年ものあいだ毎日死を待たせたのちに執行するというその実施方法は、死刑囚への拷問ともいえるものである。 」2
by eric-blog | 2015-01-09 14:54 | ■週5プロジェクト14
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