熱狂なきファシズム ニッポンの無関心を観察する
相田和弘、河出書房新社、2014
2351冊目
『選挙』『演劇1』『演劇2』などの「観察映画」をとり続けている筆者。エッセイを三部にまとめたものがこの本。であるので、「熱狂なきファシズム」について、さらに深い考察があるかと思ってひもとくと、ちょっとがっかり。
というのも、相田さんが指摘しているのは「日本社会の○△□」と同じだからだ。なんだあ、ERICはファシズムを分析していたのか。なるほど、「対立」を封じ込めるものというのは、ファシズムだったのね。
全体主義的・排外的政治理念、またその政治体制
「政治の劣化が進めば進むほど、政治への無関心は広がり、投票率も下がっていく。
賢い消費者としては、関心を持つことすら禁じ手だ。11
自民党が「そろそろ民主主義やめませんか」と、改憲案を出して来た。そんな政党が2012年12月、選挙に勝った。2011年3月の原発事故から1年9ヶ月。
『選挙2』はそのような時代の変化を切り取ったという。
いずれも見ていないのだが、「Peace」は見た。
観察映画は、見る人にまかせる。
ちょっと、「ゾーン」に入ったシーンを、もし演出するとしたら、と考えてしまった。
その他、『アルマジロ』『しかし・・・福祉切り捨ての時代に』
是枝裕和『雲は答えなかった 高級官僚 その生と死』も気になる。
最後はあとがきがわりの『永遠のゼロ』論。あれは忠臣蔵の焼き直しであり、反戦映画のふりをした戦争賛美、戦争で死んでいった人達を称揚するプロパガンダ映画、と。
ふんだんに映画が紹介されているのだが、読めないね。