勇気はおいしいはず
東田直樹、小学館、2005
2326冊目
『この世でいちばん美しい音』小学校6年生のときの作品だ。4年生まで通常学級に通っていた著者は、自ら養護学校に転校することを選択。そして、中学生になったころには「作家」として生きて行くことを決意する。
もう、ありえーーん、という世界。わたしはと言えば、まだ、本を読んでいるばかりで、自分で物語など書こうとも、書けるとも思っていないような時だ。自分と向かい合わざるを得ない人の強さだ。
力はあっても、ぼーっと生きているのでは見えない世界がある。
光の音と、げんじいが教えてくれた音を一郎は聞きたいと、夜の道を山頂をめざして登って行く。途中で力つきたげんじいをおぶって、歩み続ける。そこで聞いた光の音とは?
まいったなあ。
そりゃそうなのだ。そうなのだ。
書きたいことが湧いてくるという。
そして、彼が自分自身について書いた本『自閉症のぼくが飛び跳ねる理由』は、いまや世界の自閉症児の親や周囲の人々にとって救いとなっている。不可解に思えていた行動にも意味があることがわかると、人の人に対する扱いは、人間的なものになるのだ。
NHKの再放送で見た番組。11月24日にも再放送されるそうだ。ぜひ、ご覧ください。
君が僕の息子について教えてくれたこと
http://www4.nhk.or.jp/P3229/