世界を見る目が変わる50の事実
ジェシカ・ウィリアムズ、草思社、2005 50 FACTS THAT SHOULD CHANGE THE WORLD, 2004 2217冊目 kindle版はこちらから http://www.amazon.co.jp/Facts-That-Should-Change-World-ebook/dp/B004HD4U5W このブログで既に紹介していた。 https://ericweblog.exblog.jp/2844822/
著者が求めているのは、世界を見る目が変わることではなく、世界を変える事なのに。このタイトルでは「へぇぇぇぇ、そうなんだあ」「世界ってこんな場所なのね」で終わる人が増えるだけなのではないだろうか。 インタビューに答えて、著者が言っている。 「これらは事実です。しかし、変えることのできない真実ではありません。わたしたちの世界のあり方を変えるのに、遅すぎることはないのです。いくつかの事実は、変えるのに、考え方が大きく変わる必要があるものです。また、あるものは、政府が彼ら自身の責任を真剣に受け止める必要があります。これのいずれも達成するのは簡単ではありません。しかし、努力しなければ、何も起こらないのです。」 "These are facts, but they are not immutable truths," says Jessica Williams, the author of the book. "It's not too late to change the way our world works. Some of the facts need major shifts in thinking, while others require governments to start taking their responsibilities seriously. Neither of these will be easy to achieve, but if we don't try they'll never happen." http://www.christiantoday.com/article/50.facts.that.should.change.the.world/1125.htm 死刑制度についても取り上げている。 6 EIGHTY-ONE per cent of the world's executions in 2002 took place in just three countries: China, Iran and the USA. 2002年に行われた死刑の81%は三つの国で行われた。中国、イラン、米国である。 野蛮で不公平な懲罰を続けることで、米国はすべての人の暮らしを、少しずつ貧しくしている。40 いま、アムネスティ・インターナショナルの「死刑についてのレッスンプラン」を、主催研修のために一部、翻訳しているのだが、この著者の言葉は、反対派の理由の5に当たるのかなあ。 AMI死刑についてのレッスンプランより http://www.amnesty.org.uk/sites/default/files/lesson_1_1.pdf#search=%27Amnesty+International+Death+Penalty+Lesson+Plan%27 *********** あなたは賛成?反対? 賛成派の議論 1.死刑は、人の命を奪う人に対する正しい刑罰です。殺人者、テロリスト、麻薬常習者などです。死には死を。一人の人を殺した人は、殺すべき。 2.死刑は抑止力です。逮捕されたら死刑になるかもしれないと知っていたら、死刑を執行されるかもしれないという恐怖が、犯罪者を殺人から遠ざける。 3.一つ確かな事は、死刑にされた人は二度と殺人できないということ。 4.世論が執行を求めている。 5.殺された人の家族が、正義と報復を望んでいる。 6.殺人者たちを終身刑で監獄に入れておく方が、死刑よりもコストがかかる。 7.何年も閉じ込めておくよりも、死刑にする方が、より人道的だ。 反対派 1.死刑の執行は、世界人権宣言が謳っている声明の権利の侵害である。 2.絞首刑であろうが、射殺であろうが、ガス刑であろうが、致死注射であろうが、刀であろうが、石投げの刑であろうが、電気椅子であろうが、死刑は残酷で非人道的で人を貶める刑罰である。 3.死刑は、犯罪を抑止しない。国連その他の機関によるすべての調査研究は、死刑が、その他の刑罰と比べて、より効果的に犯罪を防止することはないと証明している。 4.裁判所も間違うことがある。無実の人々が死刑を執行されている。1987年の研究では、米国では1900年から350人の無実の人々が死刑を宣告されており、その内、23名が死刑執行されている。 5.死刑を執行している州は、わたしたち全員を殺人者にしている。わたしたちが殺人者に対する死刑を認めれば、わたしたちは殺人を支持していることになり、偽善の罪を犯してしまう。 6.死刑は差別的であり、貧困、特定の民族、精神的障害などの背景がある人々に対して、より多く執行されている。 7.もし、誰かが死刑になったら、彼らは人生をやり直す事も、社会に積極的に貢献することもできなくなる。 しかし、昨日紹介した「子どもの貧困が再配分後に増加する」という日本の衝撃は、「政府が自身の責任を真剣に受け止めるべき事実」なのではないか? なんらかの行動を喚起すべきだろう。 この本でも、もっと世界を変えようと取り組んでいる団体や運動のことを同時にとりあげて欲しかった。 この本を使ったレッスンプランがこちら。 http://blog.livedoor.jp/eigokyoukashoreview/archives/51467618.html
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| 2014-05-23 11:15
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